『ライトハウス』
原題:The Lighthouse
2019年製作/アメリカ・ブラジル合作映画/上映時間:109分/R15+/2021年7月9日日本公開
監督:ロバート・エガース
出演:ロバート・パティンソン
ワレリア・カラマン
『ムーンライト』、『ミッドサマー』などで知られるスタジオ・A24と、『ウィッチ』などのロバート・エガース監督が組んだスリラーです。
2020年・第92回アカデミー賞において、撮影賞にノミネート。
あらすじ
1890年代、アメリカ・ニューイングランドの孤島に灯台守としてベテランのトーマス・ウェイク(ウィレム・デフォー)と経験のない若者イーフレイム・ウィンズロー(ロバート・パティンソン)がやって来る。彼らは4週間にわたって灯台と島の管理を任されていたが、相性が悪く初日からぶつかり合っていた。険悪な空気が漂う中、嵐がやってきて二人は島から出ることができなくなってしまう。外部から隔絶された状況で過ごすうちに、二人は狂気と幻覚にとらわれていく。
(シネマトゥデイより)
『ウィッチ』のロバート・エガース監督が、『TENET テネット』のロバート・パティンソンと『スパイダーマン』のウィレム・デフォーを主演に迎え、実話をベースに手がけたスリラーです。
19世紀のアメリカ・ニューイングランドの孤島を舞台に、嵐の影響で島に取り残された二人の灯台守の運命をモノクロ映像で描きます。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
この監督の次回作が「観たい」と思っておりまして、ですが、こちらにも興味があったので、まずは「こちらを先に」・・・という気持ちで今回は本作を選びました。
1890年代、ニューイングランドの孤島。4週間にわたり灯台と島の管理をおこなうため、2人の灯台守が島にやってきた。
彼らにはこれから四週間に渡って、灯台と島の管理を行う仕事が任されていた。だが、年かさのベテラン、トーマス・ウェイクと未経験の若者イーフレイム・ウィンズローは、そりが合わずに初日から衝突を繰り返す。
険悪な雰囲気の中、やってきた嵐のせいで二人は島に閉じ込められてしまう・・・。
「・・・?」というのが率直な感想。
いかにもA24らしい、客に媚を売らない作りには感服いたしますが、それにしてもちんぷんかんぷん。
「似ている」と思える作品はスタンリー・キューブリックの『シャイニング』。
閉鎖された空間と少ない人物。
そこに魔物のようなものが存在し、幻覚を見ることになります。
斧も登場。
また現実的、現代風に言えば、この灯台はまさしく19世紀のビッグ○ーターと言える、人をボロぞうきんになるまで働かせる超・ブラック職場です。
こうした現実感と幻想的空間の描写を上手く織り交ぜて描いていて、観ている人間もどことなく孤独感を感じてしまう作りは良かったと思いました。
海鳥は死んだ船乗りの魂が宿っているとのセリフがあり、その海鳥を殺すと恐ろしいことが起こるという言い伝えがあるそうです。
このあたりは、どことなく『ミッドサマー』を彷彿させるものがあり、A24の得意分野と言えるかもしれません。
終盤、ウィレム・デフォーが隠し続けた塔の上にある秘密の部屋へ向かうシーンがあるのですが、ヒッチコックの『めまい』を連想させるとのレビューが。
『めまい』は映画人の教材として選ばれているほどの作品で、また改めてヒッチコックの凄さを感じてしまいました。
ギリシャ神話に詳しいと、意味不明と思われるセリフも分かるようですね。
決して親切な映画とは言えませんが、人間の持つ恐怖や狂気、また性への執着のようなものを独特の映像で描いたスリラーだったように感じました。
そびえ立つ灯台がまるで男性のアソコに見えるようになっているのは、そう言ったものの象徴だったのかもしれません。
疲れる映画で観る人を選ぶ作品ですが、「俳優の演技をじっくり観たい」という方にはオススメかも?
ウィレム・デフォーとロバート・パティントソンは最高の演技だったと思います。