『グッドライアー 偽りのゲーム』
原題:The Good Liar
2019年製作/アメリカ映画/上映時間:109分/G/2020年2月7日日本公開
監督:ビル・コンドン
出演:ヘレン・ミレン
ラッセル・トヴェイ ほか
『クィーン』でアカデミー主演女優賞を受賞したヘレン・ミレンと、2度のオスカーノミネートを誇るイアン・マッケランが共演したサスペンスです。
監督は『ドリームガールズ』、『美女と野獣』(2017)のビル・コンドン。
あらすじ
ベテラン詐欺師のロイ(イアン・マッケラン)は、出会い系サイトで夫が他界して間もない資産家のベティ(ヘレン・ミレン)をターゲットに定める。ロイが全ての財産をだまし取ろうとひそかに準備を進める一方で、世間知らずのベティは彼に心を許していく。
(シネマトゥデイより)
ニコラス・サールの小説「老いたる詐欺師」を原作に、夫を亡くした資産家と冷酷な詐欺師が繰り広げるだまし合いを描いたサスペンスです。
イギリスの名優、ヘレン・ミレンとイアン・マッケランの初共演作品でもあります。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことで、今回は本作を選びました。
主演のお二人は貫禄ありますね。
ベテラン詐欺師のロイが出会い系サイトで狙いを定めたのは、夫を亡くしてまもない資産家ベティ。
全財産をだまし取ろうと策略をめぐらす非情なロイを、世間知らずのベティは徐々に信用するようになる。しかし、単純な詐欺だったはずが、物語は思いがけない事態へ発展していく・・・。
「おそらく裏があるんだろうな~」と思いながら、でも、だまされる楽しさも詰まった詐欺師の物語です。
名作『スティング』や長澤まさみさんの『コンフィデンシャルマンJP』がお好きな方にはオススメです。
映画はヒッチコックを意識して作られたようなサスペンスで、音楽がバーナード・ハーマン風な曲が使われておりました。
この音楽がとても良かったです。
この2人のイギリスの名優を主演クラスで初共演させたいと思って原作を見つけ出したように感じてしまうほど、物語がまさに2人のために書かれたような感じがいたしました。
物語の舞台が2009年で、2人がデートで『イングロリアス・バスターズ』(2009)を鑑賞するシーンがあるのですが(タラちゃんの映画はあまりデート向けでは無い気がいたしますが・・・)、これがちょっとした伏線になっておりました。
ベテラン詐欺師のロイは常に他者から大金をだまし取っている。
その行動は100%の成功率。
・・・だからからでしょうか?
自分が一番上に立っていることを自信がつき過ぎ、そこを突かれてしまうような展開になります。
詳しくは書けませんが、ロイにだまし取られた人たちの無念を晴らす・・・のがベティの目的では無く、彼女の”グッドライアー”は第2次世界大戦の時代まで遡る私怨です。
・・・そこまで長い年月、復讐の機会を待っていたというのも少しムリがあったように思いましたし、その私怨のキッカケも少し弱い気がいたしました。
それに第三者がいる前で大金の入った口座のパスワードを言うところもおかしいと思いました。
ツッコミどころは多いですが、この作品も理屈で観てはいけない、手の込んだ詐欺師のだまし合いを2大名優の共演で楽しむのがベストだと思います。
私など怖くて出会い系サイトなど利用できないですが、イアン・マッケラン、このとき80歳。
それくらいの年齢でまだまだお元気(?)なのは、たいへん結構なことだと思います。