『モーリタニアン 黒塗りの記録』
原題:The Mauritanian
2021年製作/イギリス映画/上映時間:129分/G/2021年10月29日日本公開
監督:ケヴィン・マクドナルド
出演:ジョディ・フォスター
タハーム・ラヒム
悪名高きグアンタナモ収容所に収監されたモーリタニア人の青年と、彼を救うべく奔走する弁護士たちの姿を、実話を基に描いたサスペンスドラマです。
弁護士たちが、アメリカ軍のグアンタナモ収容所で何年も投獄生活を送るモーリタニア人青年の弁護する姿が映し出されます。
監督は『ラストキング・オブ・スコットランド』などのケヴィン・マクドナルド。
あらすじ
モーリタニア人のモハメドゥ(タハール・ラヒム)は、アメリカ同時多発テロの容疑者として、キューバにあるアメリカ軍のグアンタナモ基地に収容されていた。彼の弁護を引き受けた弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)とテリー・ダンカン(シェイリーン・ウッドリー)は、真相解明のため調査を開始する。彼らに相対するのは、軍の弁護士であるステュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)だった。
(シネマトゥデイより)
モハメドゥ・ウルド・スラヒの著書を原作に描くサスペンスです。
『フライトプラン』などのジョディ・フォスター、『ダイバージェント』シリーズなどのシェイリーン・ウッドリー、『エジソンズ・ゲーム』などのベネディクト・カンバーバッチらが出演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
期間限定レンタル¥100だったので、ジョディ・フォスターお目当てでレンタルいたしました。
評価が高めだったので、少し期待値上げての鑑賞でした。
弁護士のナンシー・ホランダーとテリー・ダンカンは、モーリタニア人青年モハメドゥの弁護を引き受ける。アメリカ同時多発テロに関与した疑いで逮捕された彼は、裁判すら受けられないまま、拷問と虐待が横行するキューバのグアンタナモ米軍基地で地獄の日々を送っていた。
真相を明らかにするべく調査に乗り出すナンシーたちだったが、正義を追求していくうちに、恐るべき陰謀によって隠された真実が浮かび上がる・・・。
21世紀最初の年。
2001年の9月11日、とてつもない惨劇が起こりました。
その光景はまさに地獄絵図で、まだブラウン管だったテレビでそれを観ていた自分は「これは映画の映像であってほしい」と願ってしまいました。
あの映像を観た世界中の人たちは一般人を巻き込み、多くの人命を奪った”アルカイダ”を憎んだと思います。
しかし、世界同時多発テロ事件の後、このようなことが行われていたことは知りませんでした。
本作は「真実の物語」です。
信じられないほど恐ろしい・・・。
キューバにあるグアンタナモ米軍基地に収容されていた青年モハメデゥは9・11首謀者として14年間ものあいだ不当な拘束をされてしまいます。
確固たる証拠を手に入れるため、精神と肉体による拷問による「自白」を強要されてしまいます。
このシーンは観ていて、胸が痛みました。
「モハメデゥを守る」(彼を弁護する)という行動はアルカイダの人間を助けようとすると取られ、アメリカでは「裏切り者」の罵られてしまいます。
それでも彼の弁護に奮闘するジョディ・フォスター演じるホランダーの姿がすばらしく感じます。
ジョディ・フォスターが本作でもすばらしい演技を披露しております。
正直、「老けちゃったな」とは思いましたが、逆に自然で良かったと思いました。
不自然に改造手術・・・じゃなかった整形手術を受けた(誰とは書きませんが)女優さんより好感が持てます。
かなりのどアップもありますが、しわを隠そうとしない姿勢はまさにプロ。
カンバーバッチも良かったです。
イギリス人のカンバーバッチが米軍の中佐を演じていることに、いろんなことを考えさせられます。
映画とは言え、アメリカ人俳優は「裏切り者」を演じることに抵抗があったのではと思ってしまいました。
それにより出演を断ることは決して悪いとは思いませんが、この役を見事演じきったカンバーバッチには敬服いたします。
ドラマのセリフではありませんが、「やられたら、やり返す」。
本当にそれが正しいことなのか考えさせられました。
殴られた痛みを何倍にもしてやり返す。
それは正義と言えるのでしょうか?
とても重く、見応えのある映画でした。
最後にモハメデゥ本人の映像が流れ、「アラビア語で自由と赦しは同じ言葉。だから私は誰も恨んでいない」という言葉に涙が出そうになりました。
9・11で亡くなられた多くの方のご冥福をお祈りいたします。
ですが、なぜ9・11が起こってしまったのか?
その標的が、なぜアメリカだったのか?
そんなことも考えさせられる映画でした。
ラムズフェ×ドがク○野郎だということは知っておりましたが、まさかオバ×もとは・・・。
アメリカの闇はあまりにも深い。