『デッド・ドント・ダイ』
原題:The Dead Don't Die
2019年製作/スウェーデン・アメリカ合作映画/上映時間:104分/R15+/2020年6月5日日本公開
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:ビル・マーレイ
ティルダ・ウィルソン ほか
鬼才ジム・ジャームッシュがビル・マーレイとアダム・ドライヴァーを主演にメガホンをとったゾンビコメディです。
共演にティルダ・スウィントン、クロエ・セヴィニー、スティーブ・ブシェーミ、トム・ウェイツ、セレーナ・ゴメス、ダニー・クローヴァー、ケイレヴ・ランドリー・ジョーンズ、イギー・ポップらが顔をそろえております。
2019年・第72回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
あらすじ
ロバートソン署長(ビル・マーレイ)、ピーターソン巡査(アダム・ドライヴァー)、モリソン巡査(クロエ・セヴィニー)が見守るのどかな田舎町センターヴィルで、死者が墓場から次々とよみがえる。ゾンビは生前の活動に引き寄せられるように町をさまよい、時間を追うごとに増殖していた。三人の警察官や葬儀屋のゼルダ(ティルダ・スウィントン)、住民たちは、生き残りを懸けてゾンビの大群に立ち向かう。
(シネマトゥデイより)
『パターソン』などのジム・ジャームッシュが監督を務めたゾンビコメディです。
のどかな町にあふれ返ったゾンビと戦う人々の姿が描かれます。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことだったのですが、ビル・マーレイ好きでは無いので、あまり興味はわかなかったのですが、ジャームッシュの映画を見逃してしまうのも惜しいと思い、鑑賞いたしました。
アメリカの田舎町センターヴィル。3人だけの警察署で働くロバートソン保安官とピーターソン保安官代理は、いつもの他愛のない住人のトラブルの対応に追われていたが、突如、街にゾンビが出現しだし、思わぬ事態に巻き込まれていく・・・。
タイトルの”デッド・ドント・ダイ”とは「死者は死なない」と言う、ある意味当たり前のことが言われております。
う~ん、ジャームッシュが作ったゾンビ映画なので、ほかのゾンビ映画と違いがあるのかな?と思い期待しながら観ていたのですが、至って普通のゾンビ映画でした。
多少の違いはゾンビが生前の趣味(好み)を大切にしており、スマホ依存ゾンビやファッションゾンビなどが登場するところでしょうか?
この映画を出品されたカンヌの感想が知りたいと思ってしまいました。
「ゾンビは物理主義の遺物だ」など、吹き出してしまうセリフも用意されております。
全体的にジャームッシュのブラックユーモアあふれるコメディに仕上がっていたように思いました。
ゾンビは頭部を破壊しなければ倒せない。(←これはお約束ですね)
そこで、日本刀使いの達人として登場するティルダ・ウィルソンが異彩を放つ演技を披露しております。
彼女が町の救世主になる・・・と思っていたら、予想外すぎる展開で、また吹き出してしまいました。
マーレイ、ドライヴァー、そしてトム・ウェルツなどジャームッシュの仲良し勢が揃って、様々なゾンビ映画やハリウッドの大作映画のパロディのような描写も満載。
セレーナ・ゴメス演じる旅行者が乗っている自動車が、人類初(?)のゾンビ映画『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』に登場するポンティアック・ルマンらしく、ゾンビ映画の偉大なる巨匠・ジョージ・A・ロメロへのリスペクトの気持ちも忘れていないようでした。
ジャームッシュは「スマホに依存し過ぎ、歩きながらスマホを見ている愚かな人類はまさにリビング・デッド(生ける屍)のようだ」と言いたげな、かなり皮肉の込められた映画として観れば、まあ、それなりに楽しめるかもしれません。
徹底的に『スター・ウォーズ』ネタでいじられるアダム・ドライヴァーが少し気の毒に思いながら、やはり笑ってしまいました。