One today is worth two tomorrow.

当ブログへ起しいただき、心から感謝いたします。映画の感想やスポーツ観戦の記事、写真中心のブログです。

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

『ウーマン・トーキング 私たちの選択』

原題:Women Talking

 

2022年製作/アメリカ映画/上映時間:105分/G/2023年6月2日日本公開

 

監督:サラ・ポーリー

出演:ルーニー・マーラ

   クレア・フォイ

   ベン・ウィショー ほか

 

2005年から2009年にかけて南米ボリビアで実際にあった事件をもとに執筆され、2018年に出版されてベストセラーとなったミリアム・トウズ原作の小説を、『アウェイ・フロム・ハー 君を想う』などのサラ・ポーリーが映画化した作品です。

本年度・第95回アカデミー賞において、作品賞、脚色賞にノミネートされ、サラ・ポーリー自ら手がけた脚色がオスカー受賞しております。

 

あらすじ

 

2010年の架空の村。独自の生活を営むキリスト教一派の人々が暮らす村で、女性たちに対する性的暴行が多発する。これまで女性たちは、そのことを悪魔の仕業や作り話だと男性たちから否定され、真剣に取り合ってもらえずにいたが、やがてそれが明らかな犯罪であることを知る。男性たちが街へ出かけ不在となる2日間、彼女たちは自らの未来を懸けた話し合いを行う。

シネマトゥデイより)

 

とある宗教コミュニティーを舞台に、性暴力に遭った女性たちが自分たちの今後について議論を交わす会話劇です。

『キャロル』などのルーニー・マーラを主演に、『ファースト・マン』などのクレア・フォイ、『007』シリーズなどのベン・ウィショー、製作も務めたオスカー女優のフランシス・マクドーマンドらが共演。

ブラッド・ピットが製作総指揮を担当しております。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

本日、10月14日は英国の俳優、ベン・ウィショー、43歳のお誕生日です。

お祝いの気持ちを込めまして、本年度アカデミー賞作品賞候補だった本作を選びました。

HappyBirthday!

 

2010年、自給自足で生活するキリスト教一派のとある村で、女たちがたびたびレイプされる。男たちには、それは「悪魔の仕業」「作り話」だと言われ、レイプを否定されてきた。

 

やがて女たちは、それが悪魔の仕業や作り話などではなく、実際に犯罪だったということを知る。男たちが街へと出かけて不在にしている2日間、女たちは自らの未来を懸けた話し合いを行う・・・。

 

ベン・ウィショー Ben Whishaw

 

1980年10月14日、イングランドベッドフォードシャー州生まれ。

双子の兄弟がいるそうです。

 

俳優を志す経緯などは分かりませんでした。(申し訳ありません)

 

1999年に映画デビュー。

2007年に『パフューム ある人殺しの物語』で映画初主演を飾ります。

あーちゃんの激ヤセが少し心配ですが・・・。(その”Perfume”ではありません)

2012年の『007/スカイフォール』で”新・Q”に抜擢されて世界的に注目されます。

2015年の『007/スペクター』、2021年の『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』でも同役を演じます。

 

その他の出演作に『ロブスター』、『未来を花束にして』、『リリーのすべて』(3作品とも2015)、『メリー・ポピンズ/リターンズ』(2018)など。

プライベートは一切語らないことで有名だそうです。

 

何と言っても”Q”ですね。

ボンドは新しい俳優さんが演じると思いますが、Qはどうなるのかな~と思っております。

少しネタバレになりますが、本作でクレア・フォイにピストンを手渡すシーンがあるのですが、思わず「新兵器?」と思ってしまいました。

 

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

2010年、自給自足で生活するキリスト教一派の村で起きた連続レイプ事件。

閉鎖された暮らしをしている女性たちは、理不尽な性暴力に対し、「何もしない」、「闘う」、「逃げる(村から出ていく)」の3つの選択を余儀なくされます。

 

投票で「何もしない」という選択は排除されます。

「闘う」べきか「逃げる」べきかの選択のどちらを選ぶか、そこからタイトルの”ウーマン・トーキング”が始まります。

 

・・・な、何か昨今お騒がせの某芸能事務所の話題とかなり被るものがあり、性暴力やそれにどう向かい合うべきなのかというテーマがずしりと重くのしかかってくる映画です。

「リストを作って」というセリフも用意してあります。(本当です)

もちろん”氏名NGリスト”ではありません。

 

オスカー受賞の会話劇ですが、まあ比較しては「いけない」と分かったうえで比較しちゃいますが、名作『十二人の怒れる男』には遠く及ばない・・・。

 

映画の評価は観る人の性別や子どもさんの有無、そして宗教心によって大きく変わると思いました。

特に物語は閉鎖された宗教コミュニティでの出来事というところが重要です。

 

宗教(キリスト教ですね)の教えにおいて、「神は赦し」を教えたもう・・・とあるため、暴力男たちに対し、「闘う」に反対の人は、「赦しを捨ててしまっては私たちは天国へ行けない」と考えてしまいます。

また、「赦しと許容を取り違えてはいけない」という考えさせられるセリフもあります。

「おのれ、ゴルゴム、許さん!」と簡単にはいかないんですね。

 

監督は実話を基にした「寓話」として作ったと語られているそうですが(劇中、”実話を基に・・・”というテロップは一切ありません)、とても2010年が舞台とは思えない、まるで19世紀か20世紀初頭のような世界観。

 

村に巡回の自動車が訪れるのですが、そのスピーカーから流れる歌がモンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」。(忌野清志郎さん、高畑充希さんのではありません)

暗く思いトーンの作品に不似合いなこの歌(エンドクレジットにも流れます)、「いつも夢心地の僕~♪」というこの歌詞に意味があったように感じました。

 

ルーニー・マーラは外さない女優さんですね。

いつ観てもすばらしい演技。

 

#Mee Too活動の先導を突っ走っているかのようなフランシス・マクドーマンド

本作は出演シーン少なめ(セリフも3つくらい?)ですが、画面に登場すると貫禄あります。

 

Rotten Tomatoesの批評家支持率は90%、平均的は10点中8.1だそうで、「重要なものを理解させるため、娯楽性を投げ捨て、メッセージ性を重視している」と実に的を得た意見だと思いました。

安易に回答が出るものでは無いため、語り合う姿の重要性はよく描かれておりますが、正直、面白味はまったくありません。

「デイドリーム・ビリーバー」選曲同様、かなり意見の分かれる作品だと思いました。

 

劇中、男性はベン・ウィショーしか登場しないのですが、巡回の自動車の運転手がサイドミラーに映るシーンがあり、それが製作総指揮のブラッド・ピットではないかとの推測を呼んでおります。