『エヴァの告白』
原題:The Immigrant
2013年製作/アメリカ・フランス合作映画/上映時間:118分/G/2014年2月14日日本公開
監督:ジェームズ・グレイ
出演:マリオン・コティヤール
ジェレミー・レナー ほか
希望を抱いて新天地アメリカへと渡った女性が過酷な運命に翻弄され、それでも生きるためにある罪を犯してしまう姿を描いた人間ドラマです。
マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナーと豪華キャストが共演。
あらすじ
1921年、エヴァ(マリオン・コティヤール)と妹マグダ(アンジェラ・サラフィアン)は戦争の影響で情勢が不安定な祖国ポーランドを離れ、ニューヨークに到着する。だが、入国審査で医師に肺病と診断されたマグダは隔離され、二人は離れ離れに。入国を拒否されたエヴァは、ブルーノ(ホアキン・フェニックス)という見知らぬ男性のおかげで強制送還を免れる。
(シネマトゥデイより)
ポーランドからより良い人生を求めてアメリカに移住してきた女性が、さまざまな出来事に振り回されながらもたくましく生き抜く姿を描いた人間ドラマです。
監督は『アンダーカヴァー』、『アド・アストラ』のジェームズ・グレイ。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことで、鑑賞いたしました。
1921年、戦火を逃れてポーランドからアメリカへと移住してきたエヴァは、病気の妹が入国審査で隔離されてしまい、自身も理不尽な理由で入国を拒否される。強制送還されそうになったエヴァは、彼女の美しさに見惚れたブルーノという男に助けられるが、ブルーノは移民の娘たちを働かせ、売春を斡旋する仕事を生業としていた。
厳格なカトリック教徒から売春婦へと身を落としたエヴァは、彼女に思いを寄せるマジシャンのオーランドに救いを求めるがそれもかなわず、やがてある罪を犯す・・・。
原題の『The Immigrant』とは「移民」という意味だそうです。
タイトル通り、戦火のポーランドからアメリカへ移民してきた女性・エヴァの数奇に満ちた運命が描かれるメロドラマです。
冒頭、ニューヨークの自由の女神が映し出されるシーン。
時代背景が近いことから、自分の人生ナンバーワン映画『ゴッドファーザーPARTⅡ』を連想しました。
一緒に移民してきた妹が肺を患って隔離され、治療にお金が掛かる。
厳格なカトリックのエヴァは心ならずもブルーノという男の言いなりとなり、体でお金を稼ぐ仕事をすることになる。
ホアキン・フェニックスがいいですね。
『ジョーカー』同様、悪人でありながら、どこか影があり、もの悲しものを持った男を好演しております。
脚本はマリオン・コティヤールを想定して書かれたそうです。
それだけ、この役にピッタリハマっていたと思います。
演技もセリフに頼るのでは無く、表情や仕草でエヴァの感情を上手く表していたので、英語が分からない自分にも、エヴァの持つ辛さや悲しさがよく伝わってきたと思いました。
主演の3人の演技はすばらしかったです。
ただ、物語にもう少しメリハリがあれば良かったかなと思いました。
逆の言い方をすると、この3人の演技以外、特に観るべきものが少なかったように感じてしまいました。
ラストも「これで終わり?」という残念感が。
何か、もうひとつスパイスを加えていれば、かなりの傑作になっていたように思いました。
どんな苦しい状況でも卑屈にならず、希望を捨てないエヴァの姿はとても心揺さぶられるものでした。