原題:The Post
2017年製作/アメリカ映画/上映時間:116分/G/2018年3月30日日本公開
出演:メリル・ストリープ
サラ・ポースソン ほか
メリル・ストリープとトム・ハンクスが主演し、スティーヴン・スピルバーグがメガホンを取った社会派ドラマです。
ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、政府がひた隠す真実を明らかにすべく奔走した人物たちの姿が描かれます。
あらすじ
ベトナム戦争の最中だった1971年、アメリカでは反戦運動が盛り上がりを見せていた。そんな中、「The New York Times」が政府の極秘文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴く。ライバル紙である「The Washington Post」のキャサリン(メリル・ストリープ)と部下のベン(トム・ハンクス)らも、報道の自由を求めて立ち上がり……。
(シネマトゥデイより)
実在の人物をモデルに、都合の悪い真実をひた隠しする政府に対して一歩も引かない姿勢で挑んだジャーナリストたちの命懸けの戦いを描いた巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督の社会派ドラマです。
第90回アカデミー賞で作品賞と主演女優賞(ストリープ)にノミネート。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
映画館に次いで2度目の鑑賞になります。
本日、7月9日はトム・ハンクス、66歳のお誕生日です。(1956年生まれ)
お祝いの気持ちで新しい映画を・・・と思ったのですが、近年の作品はほとんど鑑賞しており、どうしても2回目の鑑賞作品になってしまいました。
『インフェルノ』、『ハドソン川の奇跡』、本作の3本の中からこの作品を選びました。
ちなみに、池松壮亮さんも本日お誕生日なのですが(1990年生まれ)、さすがに作品観ている時間ありませんでした。
申し訳ありません。
『シン・仮面ライダー』楽しみにしております。
お二人とも
HappyBirthday!
リチャード・ニクソン大統領政権下の1971年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープし、政府の欺瞞が明らかにされる。
ライバル紙でもあるワシントン・ポスト紙は、亡き夫に代わり発行人・社主に就任していた女性キャサリン・グラハムのもと、編集主幹のベン・ブラッドリーらが文書の入手に奔走。なんとか文書を手に入れることに成功するが、ニクソン政権は記事を書いたニューヨーク・タイムズの差し止めを要求。新たに記事を掲載すれば、ワシントン・ポストも同じ目にあうことが危惧された。記事の掲載を巡り会社の経営陣とブラッドリーら記者たちの意見は対立し、キャサリンは経営か報道の自由かの間で難しい判断を迫られる・・・。
1956年7月9日、アメリカ合衆国・カリフォルニア州生まれ。
本名はトーマス・ジェフリー・”トム”・ハンクス。
料理人の父親と病院職員の母親との間に生まれ、カリフォルニア州ヘイワードで演劇を学び、その後ニューヨークへ移り、1980年映画デビュー。
全米長寿バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演後、『スプラッシュ』(1984)で映画初主演。
以降、『マネー・ピット』(1986)、『ビッグ』(1988)など軽快なコメディに出演。
1993年にエイズを扱ったシリアスなドラマ『フィラデルフィア』でアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。
翌年1994年、『フォレスト・ガンプ/一期一会』で2年連続アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝きます。
日本来日も数回あり、2013年の『キャプテン・フィリップス』のキャンペーンで来日した際に、当時の安倍晋三氏と握手を交わしております。
エイブラハム・リンカーンの遠縁だそうです。
俳優だけでなく1996年に発表した『すべてをあなたに』は監督としても高く評価されております。
(Wikipediaを参考にさせていただきました)
出発点のコメディから近年のシリアスな演技まで、どれもすばらしくハリウッドに欠かせない名優だと思います。
好きな作品はたくさんありますが、名コンビだったメグ・ライアンとのラブコメディ『めぐり逢えたら』、『ユー・ガット・メール』。
シリアス系ですと『プライベート・ライアン』、『ロード・トゥ・パーディション』がお気に入りです。
権力VS報道。
スピルバーグが描きたかったジャーナリズムを押し潰そうとする当時のトランプ政権への「宣戦布告」とも言える社会派ドラマです。
キレ味抜群のメッセージに加え、当時は珍しかった女性のトップのあり方など人間ドラマとしても面白く、そしてスリリングな展開で物語が進んでいきます。
アメリカの歴史上、最も”失敗”だったと言われているベトナム戦争。
敗戦濃厚なことを何年もの月日ひた隠し続け、愚かな戦争を続けてきたアメリカの過ち。
不都合な事実のため、多くの兵士を戦場へ送り、そして命を奪ってきた事実・・・。
このような映画を作れるアメリカの凄さを感じます。
「臭いものに蓋をする」、「触らぬ神に祟りなし」の日本映画界では絶対不可能ですね。
夫亡き後、新聞社を引き継ぎ、無能で社交好きな女性オーナーと言われ続けてきたキャサリン(ストリープ)がいざ、ジャーナリズムの真実か会社の存続かの二者択一を迫られたときの姿が印象的です。
真の正義やジャーナリズムとは何か?
この映画は教えてくれております。
ワシントン・ポスト紙の記者たちの起こした行動は単にトランプ政権への批判だけでなく、今の我々が望む「真実を知ることの自由」をテーマにした、とても良くできた映画だと思いました。
メリル・ストリープとトム・ハンクス、初共演とは思えないほど息が合っていて、観ていてとてもエキサイティングでした。
さてさて、今の日本のテレビ局に真のジャーナリズムが存在するのか?
私はハッキリ「No」と言いたいですね。
視聴率稼ぎに人気タレントを選挙番組に起用する。
そういうプロデューサーにこそ、本作を観てもらいたいです。