『町田くんの世界』
2019年製作/日本映画/上映時間:120分/G/2019年6月7日日本公開
監督:石井裕也
出演:細田佳央太
岩田剛典 ほか
『舟を編む』などの石井裕也監督が、第20回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した安藤ゆきの漫画を映画化した青春ストーリーです。
主演は、1000人を超える応募者の中からオーディションで選ばれた細田佳央太と関水渚。
あらすじ
町田くん(細田佳央太)は運動や勉強が不得意で見た目も目立たないが、困っている人を見過ごすことのできない優しい性格で、接する人たちの世界を変える不思議な力の持ち主だった。ある日、町田くんの世界が一変してしまう出来事が起こる。
(シネマトゥデイより)
『舟を編む』、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の石井裕也監督が、「別冊マーガレット」に連載され、第20回手塚治虫文化賞で新生賞を受賞した安藤ゆきの同名コミックを実写映画化した作品です。
その脇を、岩田剛典、高畑充希、前田敦子、太賀、池松壮亮、戸田恵梨香、佐藤浩市、北村有起哉、松嶋菜々子と主役級キャストが固めております。
dTVにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
本日、7月10日は前田敦子さん、31歳のお誕生日です。(あっちゃん、もう31!)
お祝いの気持ちを込めまして、今回は本作を選びました。
お誕生日おめでとうございます。
私のことは嫌いでも、私のブログは嫌いにならないでください。(涙)
そして、池松壮亮さん、1日遅れになってしまいましたが、お誕生日おめでとうございます。
『シン・仮面ライダー』楽しみにしております。(それは昨日も書いた)
運動も勉強も苦手で、見た目も地味で、何も取り柄がなさそうに見える町田くんには、人を愛することにかけてズバ抜けた才能があった。困った人のことは絶対に見逃さず、接した人々の心を癒し、世界を変えてしまう不思議な力をもつ町田くん。
しかし、そんな彼の前に現れた女の子・猪原さんは、これまでの人々とは違っていた。初めてのことに戸惑い、自分でも「わからない感情」が胸に渦巻く町田くんだったが、「わからないことから目を背けてはいけない」という父親の言葉を胸に、「わからない」の答えを求めていく・・・。
前半から中盤にかけて、かなり笑わせてもらいました。
町田くんの天然の雰囲気がフォレスト・ガンプのようでした。(しかし、トム・ハンクスと演技力比較してはいけない)
あっちゃん、この頃はおそらく27~28歳くらいなのですが、高校生役に違和感が無いのが凄いです。
高畑充希さんも同様。
本来ならツッコミ入れたくなるはずなのですが、本当に普通に女子高生。
あっちゃん演じる栄りらという女子高生が事の一部始終を観ているという設定。
少女マンガに例える下りは爆笑してしまいました。
「町田、マジか・・・」が彼女の口癖。
高畑充希さんと岩田剛典さん。
たしか、この2人、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』という映画で共演していた記憶が・・・。
ピュア過ぎるほど繊細な心と優しさを持ち合わせた町田くん。
そんな普通の人とまったく違う彼の視線だからこそ、高校生に見えない役の俳優をあえてキャスティングしたように思いました。
「他人より自分が大事」。
それは今日(こんにち)に始まったことではありません。
ですが、そうした人やそのような自己中心的な行動を取る人は昔より増えたかもしれません。
そんな世知辛い世の中に町田くんの「自分より他人が大切」という考えや行いは一見コミカルであり、しかしながら、とても温かみのあるものでした。
不倫現場をスクープ写真で押さえてそれで仕事をしている池松壮亮さん演じる吉高。
世の中の汚れたものを追い続け、しかし、自分もそれを仕事にしていることに嫌悪感を抱いています。
また、その雑誌の編集長から「読者は善意より悪意の方を楽しみにしている」という言葉は人間は他人の不幸を楽しんでいるというある意味残酷な事実を突きつけられていると感じました。
そんな吉高が町田くんと出会うエピソードくらいまでが笑いのツボでした。
町田くんに生まれてきた、人生で初めての恋愛感情。
しかし、一人の女性を愛するということはほかの女性に辛いですが優しくしてはいけないことです。
ですが、今まで、どんな人が相手でも同じように優しく接してきた町田くんにはそれができない。
猪原さんが大好き。
でも、この感情をどうぶつければいいのか分からない。
もがき、苦しむ町田くん。
終盤、ようやく自分が取るべき行動に気づいた町田くん。
ですが、なぜバルンガ?
更にその後、「鳥を見た」?
突然ファンタジーにされて、観ている自分も困惑。
町田くんのヘンテコ走りは最後まで好きになれなかった。
石井裕也監督と聞いて『舟を編む』を思い出してしまいましたが、この主人公も世間知らずの変わり者。
その辺りが本作とダブってしまったのが惜しい気がいたしました。
本当にラスト、何とかならなかったかな~。
何のひねりも無い結末に、「町田、マジか・・・」と言いたくなりました。