『レミニセンス』
原題:Reminiscence
2021年製作/アメリカ映画/上映時間:116分/PG12/2021年9月17日日本公開
監督:リサ・ジョイ
出演:ヒュー・ジャックマン
タンディ・ニュートン ほか
『グレイテスト・ショーマン』などのヒュー・ジャックマン主演のSFサスペンスです。
『ダークナイト』などクリストファー・ノーラン作品で脚本を担当してきた、クリストファー・ノーランの弟ジョナサン・ノーランが製作を手がけ、ジョナサンの妻でテレビシリーズ「ウエストワールド」のクリエイターとして知られるリサ・ジョイが監督を務めております。
あらすじ
世界中が海に沈んでしまった近未来。他人の記憶に潜入する能力を持ったエージェントのニック(ヒュー・ジャックマン)のもとに、検察からある仕事が舞い込む。それは瀕死の状態で発見されたギャングの男性の記憶に潜入し、謎の多い新興ギャング組織の正体と目的を探るというものだった。男の記憶に登場する女性メイが、鍵になる人物だとにらむニック。彼女を追ってさまざまな人の記憶に潜入していくが、その裏では巨大な陰謀がうごめいていた。
(シネマトゥデイより)
ヒュー・ジャックマンが記憶に潜入するエージェントに扮したSFサスペンスです。
世界中が海に水没した近未来を舞台に、他者の記憶に潜入したエージェントが凶悪事件の鍵を握る女性の行方を追う姿が描かれます。
『ドクター・スリープ』などのレベッカ・ファーガソン、『リトリート・アイランド』などのタンディ・ニュートンが共演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
新作レンタル¥100だったので、「観てみようかな?」と思いレンタルいたしました。
ヒュー・ジャックマン主演と予告編以外の予備知識無しでの鑑賞です。
多くの都市が水没して水に覆われた世界。記憶に潜入し、その記憶を時空間映像として再現する「記憶潜入(レミニセンス)エージェント」のニックに、検察からある仕事が舞い込む。それは、瀕死の状態で発見された新興勢力のギャング組織の男の記憶に潜入し、組織の正体と目的をつかむというものだった。
男の記憶から映し出された、事件の鍵を握るメイという名の女性を追うことになったニックは、次々とレミニセンスを繰り返していく。しかし、膨大な記憶と映像に翻弄され、やがて予測もしなかった陰謀に巻き込まれていく・・・。
映画を観ていて、かなり『インセプション』を意識しているな~と思いました。
エンドクレジットで”ノーラン”の名前を見つけ、クリストファー・ノーランと関係あるのかな?と思ったら弟でした。
映画の雰囲気はSFハードボイルド風。
『LOGAN/ローガン』でウルヴァリン役を卒業してしまったヒュー・ジャックマン。
その後、ヒット作もありましたが、どちらかと言うとパッとしない作品が多いように思います。
水没してしまった近未来の世界という設定なのですが、なぜ水没したかは説明無し。
そんな世界で、記憶潜入エージェントのヒュー・ジャックマン演じるニックは謎多きミステリアスな美女、メイを追う・・・。
『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』同様、レベッカ・ファーガソンがミステリアスな美女を演じております。
・・・何か観ていて、いろんな作品の劣化コピーを鑑賞している気分になってしまいました。
全体的なプロセスは『インセプション』。
それ以外では『ブレードランナー』(鳩を持つシーンがあります)、レベッカ・ファーガソンが赤いドレスで唄うシーンは『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』、観覧車の登場場面は『第三の男』などなど。
メイを追い続けるため、何度も何度も記憶に潜入するニック。
ここまで来ると、ちょっとアブナイストーカーのように思えてしまいます。
「メイのバカ、もう知らない!」というセリフはありませんでした。(←トトロじゃないので)
「過去を振り返っていても先に進めない。未来に目を向けなさい」と私も病院の先生に言われたことがありますが、この主人公は過去に未練タラタラ。
まったく前へ進もうとしません。
ロマンチック&ハードボイルド&SFアクション。
これがすべて上手くいったのが『ブレードランナー』ですが、すべて失敗してしまったのが本作です。
あまりの酷さに米エンターテイメント・ウィークリーが選ぶ2021年ワースト映画5本に選ばれてしまいました。
希望が見えない現代社会、明るかった過去にすがりたい気持ちも分かりますが、先ほど書いたとおり、それでは前へ進めません。
例えがヘンですが、絶望的だった『Q』から希望を持てる『シン』へ話しを変化させた『エヴァンゲリオン』。
いつまでも消えた美女に未練タラタラの主人公に「シンジを見習え」と言ってやりたかったです。