『22年目の告白-私が殺人犯です-』
2017年製作／日本映画／上映時間：117分／G／2017年6月10日日本公開
監督：入江悠
出演：藤原竜也
夏帆 ほか
2012年の韓国映画『殺人の告白』を原作に描くクライムサスペンスです。
未解決のまま時効を迎えた連続殺人事件の犯人が殺人に関する手記を出版したことから、新たな事件が巻き起こます。
あらすじ
阪神・淡路大震災や地下鉄サリン事件が発生した1995年、三つのルールに基づく5件の連続殺人事件が起こる。担当刑事の牧村航（伊藤英明）はもう少しで犯人を捕まえられそうだったものの、尊敬する上司を亡き者にされた上に犯人を取り逃してしまう。その後事件は解決することなく時効を迎えるが、ある日、曾根崎雅人（藤原竜也）と名乗る男が事件の内容をつづった手記「私が殺人犯です」を発表し……。
（シネマトゥデイより）
韓国映画『殺人の告白』をベースに、『SR サイタマノラッパー』シリーズなどの入江悠監督がメガホンを取り、日本ならではの時事性を加えてアレンジしたサスペンスです。
日本中を震撼させる殺人手記を出版する殺人犯を藤原竜也、事件発生時から犯人を追ってきた刑事を伊藤英明が演じております。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
いや～、お恥ずかしながら、『君の名前で僕を呼んで』鑑賞後、胃もたれ、胸やけのような不快感が残り続け、しばらく映画を観る元気が出ませんでした。
順番としては日本映画なのですが、邦画はラブストーリーが多いので、男女の恋愛ものですら避けたいと思い、こちらのサスペンスを選びました。
オリジナルが韓国映画というのは鑑賞後知りました。
1995年、同一犯による5件の連続殺人事件が日本中を震撼させた。犯人はいずれも被害者と親しい者に殺人の瞬間を見せつけており、殺害方法は背後からの絞殺、そして目撃者は殺さずに犯行の様子をメディアに証言させるという独自のルールに則って犯行を重ねていく。
捜査を担当する刑事・牧村は犯人を逮捕寸前にまで追い詰めるが、犯人の罠にはまって上司を殺され、事件は未解決のまま時効を迎えてしまう。そして事件から22年後、犯人を名乗る男・曾根崎が執筆した殺人手記「私が殺人犯です」が出版される。曾根崎は出版記念会見にも姿を現し、マスコミ報道やSNSを通して一躍時の人となるが・・・。
テンポの良く、なかなか良くできた映画だと思いました。
シネマトゥデイの映画短評でも6人の評論家が★4つと高評価。
私的には、桃が出てこなかっただけで大満足です。
（なんで、アカデミー賞受賞しているからと言って、あんな映画観ちゃったんかな～）
人の罪に対する贖罪に時効など存在しません。
しかし、日本の法律にはそれが存在してしまう。
もし、時効を迎え、警察が手を出せなくなったときに、犯人と名乗る人物が現れたら、世間や警察はどう対応するのか？
その辺りがとても興味深く観ておりました。
また、私のように神戸に住む人間としては、何年経とうと、震災で被害に遭われた方たちのことを絶対忘れてはいけないという気持ちになりました。
またテレビのジャーナリズムをある意味批判的に描いていたところは、日本テレビが製作の映画としては評価できると思いました。
し、しかし、人気ニュースキャスター役で（ジャパニーズ・ラズベリー賞男優）仲村トオルさんが出演していたと知ったとき（鑑賞前は藤原竜也さん、伊藤英明さん、夏帆さんしか出演者知らなかったです）とても嫌な予感が・・・。
面白い映画ではありますが、ところどころツッコミどころも満載。
まず殺人犯の出版サイン会に集まる若い女性。
いくらイケメンとはいえ、5人も人を殺している人物と握手して「キャー」と大喜びしないでしょう？
いくら何でも今の若い女性をバカに描き過ぎ。
そしてキャスティングですが、私も暇なので（？）それぞれ重要な役で出演している俳優さんの1995年のときの実際のお歳を調べてみました。
藤原竜也さん＝13歳。
伊藤英明さん＝20歳。
夏帆さん＝4歳。
野村周平さん＝2歳。
石橋杏奈さん＝3歳。
時系列的に問題ないのは夏帆さんだけ。
あとの方はかなりムリがあります。
夏帆さん。
正直、好きでも嫌いでも無い女優さんですが、いつも「もっといい役回ってこないのかな～」と不憫に思うときが多いです。
『海街diary』のほかの姉妹3人の女優さんとどんどん差が開いて行ってしまっているようで気の毒に思います。
ネタバレ厳禁の映画なので、どこまで書いていいのか難しいですが、暴露本の真の執筆者があの方というのは、少しムリがあるような気が。
このように世間を欺く行動を取るなら、まず5人の被害者の親類に承諾を取るべきなのではないかと思いました。
そのひとりに893のお方もいらっしゃるのですから。
東京タワーの件など、今ごろ気づくって、22年目間何していたのと言いたくなりました。
面白く楽しめる映画でしたが、それはあくまで”空想もの”としてで、リアルな描写のサスペンスとしてはダメダメな作品でした。
日本映画で『セブン』のような猟奇殺人もののサスペンス映画を作るのはムリだということが分かりました。
石橋杏奈さんがとても良かったですが、私、オリ党なので、東北楽天の抑えのエースの奥様を褒めるのは抵抗があります。（涙）
『ユリゴコロ』、本作と偶然ですが、日本映画、2作続けて整形手術で別人になるという作品を観ることになってしまいました。
って、これ、かなりのネタバレです。（汗）
