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『幸せをつかむ歌』

『幸せをつかむ歌』

原題:Ricki and the Flash

 

2015年製作/アメリカ映画/上映時間:101分/G/2016年3月5日日本公開

 

監督:ジョナサン・デミ

出演:メリル・ストリープ

   ケヴィン・クライン

   セバスチャン・スタン ほか

 

ロックスターの夢を追うために家庭を捨てた女性が、娘の離婚をきっかけに家族との絆を取り戻そうとする姿を描いたヒューマンドラマです。

脚本に『JUNO/ジュノ』のディアブロ・コディ、監督は『羊たちの沈黙』のジョナサン・デミ、主演はハリウッドの大女優メリル・ストリープという、オスカー受賞者が顔を揃えております。

 

あらすじ

夢だったロックスターへの道を突き進むべく家族を捨てたリッキー(メリル・ストリープ)は、ロック歌手となり音楽活動を続けていた。ある日、離婚した娘(メイミー・ガマー)と再び会う機会が訪れる。疎遠になっていた娘と、何とか関係修復しようと考えるリッキーだったが……。

シネマトゥデイより)

 

疎遠になっていた家族との絆を取り戻そうとする、メリル・ストリープ主演の人間ドラマです。

ギターを猛特訓したメリルは劇中で圧巻の演奏シーンを披露し、娘を演じた実の娘メイミー・ガマーと母娘共演を果たしております。

監督は本作の2年後他界されたオスカー受賞監督のジョナサン・デミ

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

『インヘリタンス』と時同じくして期間限定レンタル¥100だったので、メリル・ストリープ主演とジョナサン・デミの遺作(だと思っておりました、違いました)ということでレンタルいたしました。

 

かつて夫や子どもたちを捨て、ロック歌手になる夢をかなえたリッキー。54歳になった現在は、落ち目になったバンドを率いて小さなライブハウスで歌う日々を送っていた。

 

そんなある日、元夫から電話が入り、娘ジュリーが離婚して落ち込んでいることを知らされる。20年ぶりに家族のもとを訪れたリッキーは、傷ついた娘を励まそうと奮闘するが・・・。

 

メリル・ストリープケヴィン・クラインの再共演。

これはあの名作『ソフィーの選択』に感動した人間には嬉しい限りです。

1982年の作品なので、当然ですが、おふたりともお歳を召されてしまいましたが・・・。

 

余談ですが、ケヴィン・クラインの奥様は'80年代映画雑誌の人気女優上位だったフィービー・ケイツ

グレムリン』に出演した女優さんです。

 

珍邦題しかつけない配給会社のGAGAならいざ知らず、「ソニーまでもやるか?」と言いたくなる酷すぎる邦題。

ソニーは昔、”Almost Famous”という映画に『あの頃ペニー・レインと』という邦題をつけて、監督のキャメロン・クロウに賞賛されたことがあったのですが、この作品の邦題に関しては、天国のジョナサン・デミも嘆いていると思ってしまいました。

 

娘さんを演じている女優さん、華も無いし演技力も無いな~と思いながら鑑賞しておりました。

後で知りましたが、メリル・ストリープの実の娘さん。

 

娘さんを売りだそうという”メリル・ストリープ版『アフター・アース』(ウィル・スミス親子共演作。こちらもソニー映画)と言える作品でした。

メリルの気持ちも分からなくは無いのですが、逆にお母さんとの共演でいかに娘さんに才能が無いのか証明してしまったように思いました。

何と言ってもお母さんはトランプ前アメリカ合衆国大統領以外が「世界一の女優」と認める人ですからね。

娘さんの女優さん、本作を最後に映画出演しておりません。

思い知ってしまったようですね。

 

批評家や映画ファンのレビューは評価真っ二つですね。

 

育児を放棄してまで、ロックンロールの道を選ぶ女性。

しかし、その道は険しく思うように行かない。

そこに娘が離婚し落ち込んでいるという知らせを聞き、数年ぶりに再会を果たす・・・。

 

ストーリーはベタのベタ。

あのニール・ヤングの指導を受けたメリル・ストリープのギターの演奏シーンはすばらしかったです。

 

「産みの親か、育ての親か?」。

子どもに取って、どちらが本当の親と言えるのか?

これをテーマにした是枝裕和監督の『そして父になる』という傑作にとても感動した自分の中では答えが出ております。

 

夢を追うことは、とてもすばらしいと思います。

しかし、それによって犠牲になった子どもとしては、「今さら親のツラで・・・」という気持ちも強いと思います。

 

・・・ただ、このような痛々しい姿もストリープ、上手いですね。

 

JUNO/ジュノ』、『ヤング≒アダルト』は面白かったですが、同じ脚本家とは思えない、シナリオがチープに思えました。

子どもよりロックンロール。

その母親失格のリッキーをもっと破天荒なキャラとして描けば面白味もあると思うのですが、中途半端に子どもの気持ちを理解できてしまって、自殺未遂までしちゃった娘に「やっぱり大切な母親」と思わせてしまう。

これでは、今まで頑張って育ててくれた義母、浮かばれません。

 

娘とのエピソードは百歩譲っていいとしましょう。(実の娘さんが演じておりますし)

ですが、息子は帰省して顔を合わせた程度。

 

ふたたびL.A.に戻ったあと、その息子から自分の結婚式の招待状が届く・・・って、ストーリー展開的にあまりに不自然。

細かいエピソードがしっかり描かれていれば、もう少し感情移入できたと思うと残念な映画だとしか言えません。

 

※ネタバレあり※

 

ジャーニーという名前の子どもに「いい名前。最高のバンドだもの」というセリフには共鳴しました。

自分もジャーニー、大好きです。♪~

 

息子の結婚式で場違いな姿で登場するリッキーとバンドのメンバー。

そして、結婚式でロックンロールぶちかます

不謹慎極まりない行動にも関わらず、驚くことに参列者のほとんどがそのロックンロール聴いて嬉しそうに踊り出すありさま。

参列者にとって、このありがた迷惑なロックンロールが「幸せをつかむ歌」・・・だったのでしょうか?

説得力なさ過ぎ。

歌の力で宇宙に平和をもたらした銀河の歌姫・リン・ミンメイの歌の方が数倍感動的でした。

デカルチャー!」。