『ホーム・スイート・ホーム・アローン』
原題:Home Sweet Home Alone
2021年製作/アメリカ映画/上映時間:95分/日本劇場未公開作品
監督:ダン・メイザー
出演:エリー・ケンパー
ロブ・ディレイニー
アーチー・イェーツ ほか
大ヒットコメディ『ホーム・アローン』シリーズの第6作(2作目までしか知らない)です。
『ジョジョ・ラビット』のアーチー・イェーツが主人公マックスを演じ、『ダーティ・グランパ』のダン・メイザーが監督をしております。
あらすじ
10歳のマックス・マーサーは、休暇で日本へ出かけた家族に誤って取り残され、ひとりぼっちで家に置き去りにされてしまう。そんな中、貴重な“家宝”を取り戻そうとする夫婦に自分の家が狙われる。侵入者から我が家を守れるのはマックスただ1人。マックスはあの手この手で侵入者を撃退しようとする。
(Disney+ホームページより)
『ホーム・アローン』シリーズ最新作です。
過去のシリーズ作品のオマージュが散りばめられた作りになっております。
Disney+にて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
クリスマスなので、それっぽい映画を探していたところ、本作を見つけました。
いたずら好きな10歳の少年マックスは家族旅行で日本へ行くことになるが、ひとりだけ自宅に置き去りにされてしまう。
ひとり時間を満喫するマックスだったが、貴重な人形を取り戻そうとする夫婦がマックスの家に侵入。
マックスは様々な罠を仕かけ、彼らを撃退しようとする・・・。
『ホーム・アローン』シリーズの6作目だそうですが、『2』までしか観ておりません。
『3』以降は推測ですが続きでは無く、独立した作品なのではないでしょうか?
本作も多少続編のようなところはありますが、続きモノと言うよりリブート版と言っていい内容だったと思いました。
Disney+以外観る方法の少ない映画なので、ネタバレ全開で記事を書きたいと思います。
物語はまず、亭主の失業から自宅を売却しようとする夫婦が登場。
そこに、マックス少年と母親がトイレを拝借に自宅を見学するふりをしてやって来ます。
その家でマックスは汚い箱の中から首が逆になっているヘンテコな人形を見つけます。
実はその人形はとても希少価値のある値打ちモノだった。
マックスたちが帰宅して、その人形が無くなっているのに気づく夫婦。
夫婦はマックスが持って行ったと思い込みます。
マックスが自分の住所を教えていたので(この辺りが不自然)、マックスの家へ行き、窓越しから彼の上着が膨らんでいるのを確認。
コッソリ忍び込んで取り返すつもりが、それがとんでもない騒動へと発展していく・・・と言ったストーリーです。
・・・つまり『ホーム・アローン』の1、2作目の泥棒のような悪者では無く、持って行かれたものを取り返そうとするという悪気があるワケでは無い夫婦がマックス少年によって懲らしめられるという、何とも痛々しい描写満載の映画になっております。
(『ホーム・アローン』も2作目だと、いくら泥棒相手でも、あれはやり過ぎと思うシーンは多かったですが・・・)
劇中、パトロールをしている警察官が登場いたします。
この顔を注目。
1、2作目で主人公・ケビン・マカリスターの兄・バズを演じたデヴィン・ラトレイが同じ役で登場。
まぁ、ずいぶん変わってしまったと笑ってしまいましたが、笑えないのが、このラトレイ、この映画がDisney+で配信された翌月、当時の恋人への暴行の容疑で逮捕。
2022年にも別の女性から「5年前に彼から性的虐待を受けた」と告発されております。
警官役が逮捕されては、本当にシャレにならない。
『ホーム・アローン』の1作目。(2作目も嫌いではありません)
あらためて、脚本のジョン・ヒューズ、監督のクリス・コロンバス、主演のマコーレー・カルキンの才能を感じさせられる映画でした。
ダメなところがいっぱいあるのですが、まず順を追って。
シナリオが雑過ぎます。
まず、夫婦がバカ過ぎ。
初対面のマックス少年に「フランケンシュタインみたい」と言われ、「それは博士の名前だ」と訂正させる・・・がバカなことでは無く、その後、貴重な人形が紛失してしまうのですが、マックス少年は見学の人に配られていたソーダが欲しかった。
ですが、ママから「ダメ」と言われ、コッソリポケットにソーダを持ち帰っただけの話し。
よく確かめもせず、マックス少年を犯人と思い込んで自宅へ乗り込むおっちょこちょいの夫婦。
ただ、この夫婦を撃退する方法の中に矛盾と感じるものが。
マックス少年はソーダが大好き。
でもママから飲んではダメと言われている。
東京旅行に置いてけぼりにされ(この辺りも1作目のような上手さが無いんですよね)、自由を満喫できるマックス少年。
撃退用の武器として自宅に買い置きしてあった2リットルのダイエット・コークのポットボトル10本くらい用意してありましたが、それ飲めばいいじゃんと思ってしまいました。
しかも黙って持って帰るほど飲みたかったソーダなら、3日も放置しないと思うのですが・・・。
20世紀フォックスがDisneyに買収されて初めての『ホーム・アローン』。
ポリコレや人種差別など、異常なまで気を遣っているDisneyとは思えない、中国人にしか見えない日本人登場。
こんな無愛想な顔した航空会社の日本人いませんよ。
主人公はおマヌケ夫婦ですが、マックス少年役の子役が全然可愛くない。
これは『ホーム・アローン』として致命的な人選ミス。
旦那の失業でお金が無く娘の教会でのクリスマスパーティ用のドレスも買ってあげられず、親類(だと思う)が買うという切なさはありましたが、プールの水でも凍りつく寒さの中、こんな肌を出したドレス着させるって、どういうこと?
『ホーム・アローン』は一見ライトなコメディのようで、家族の絆、特に変質者と思っていたお爺ちゃんが子どもや孫に会えない悲しさを持っていたみたいな少しホロりとさせるものも用意されておりましたが、本作はR15+指定のコメディ『ダーティ・グランパ』の監督らしい、お下品さ満載のクリスマスに観る温かさをまったく感じさせない映画になっちゃっております。
やたら子どもが勝手に人のものを黙って持って行ってしまうシーンが多いんですよね。
日本=万引き=是枝裕和監督作品。
この映画の監督は『万引き家族』の観過ぎではないでしょうか?
買い手が決まったのに「やっぱり愛しの我が家(スイート・ホーム)は売らない」と言い出しちゃう夫婦。
アメリカでは知りませんが、おそらく莫大な違約金支払うことになるはず。
人形を売って、そのお金で、なぜか自分たちを懲らしめようとして壊したガキの家のリフォーム代まで支払ってくれるサンタクロース顔負けの夫婦。
本当にHappyな(おめでたい)夫婦の物語でした。
HappyHoliday!
ステキなイブをお過ごしください。
私は字幕版を鑑賞いたしました。
本作にマコーレー・カルキンがカメオ出演するというウワサがあったそうですが、残念ながら事実ではありませんでした。
『ホーム・アローン』シリーズ史上一番の悪役?