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『ドント・ルック・アップ』

『ドント・ルック・アップ』

原題:Don't Look Up

 

2021年製作/アメリカ映画/上映時間:138分/PG12/2021年12月24日日本公開

 

監督:アダム・マッケイ

出演:レオナルド・ディカプリオ

   ジェニファー・ローレンス

   ロブ・モーガン ほか

 

彗星衝突という地球の危機を察知した落ちこぼれの天文学者と教え子が、世界中にその事実を伝えようと奔走する姿を、『バイス』、『マネー・ショート 華麗なる大逆転』のアダム・マッケイ監督が描いたコメディドラマです。

2022年・第94回アカデミー賞では作品、脚本、編集、作曲の4部門にノミネート。

 

あらすじ

 

さえない天文学者ランドール・ミンディ教授(レオナルド・ディカプリオ)と教え子の大学院生ケイト(ジェニファー・ローレンス)は、あるとき地球衝突の恐れがある彗星(すいせい)の存在に気付く。二人はオーリアン大統領(メリル・ストリープ)とその息子であるジェイソン補佐官(ジョナ・ヒル)と対面したり、陽気な司会者ブリー(ケイト・ブランシェット)のテレビ番組に出演したりするなどして、迫りくる危機を世界中の人々に訴えようと奮闘する。しかし二人の熱意は空回りし、予期せぬ方向に進んでいく。

シネマトゥデイより)

 

地球に接近する巨大彗星の存在に気付いた天文学者と教え子が、世界中にその事実を伝えるべく力を尽くす姿をコミカルに描いた風刺ドラマです。

共にオスカーを受賞したレオナルド・ディカプリオジェニファー・ローレンスが主演。

共演には『テキサス・ロデオ』などのロブ・モーガン、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などのジョナ・ヒルのほか、ティモシー・シャラメアリアナ・グランデケイト・ブランシェットメリル・ストリープと超豪華キャストが集結。

 

Netflixにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

「母の日」ということで、それっぽい映画を・・・と思っておりましたが、Twitterの映画サイトで本日、5月14日はケイト・ブランシェット、54歳のお誕生日という知らせを知り、「これはお祝いに出演作を」と思いました。

候補として、すでに鑑賞済みの『ハンナ』(2011)、『ブルージャスミン』(2013)、未見の『ソング・トゥ・ソング』(2017)と考えたのですが、やはり観ていない作品がいいと思い、最終候補でDisney+の『シンデレラ』(2015)と本作の2本に絞り、『シンデレラ』は先日Disney+で『ピーター・パン&ウェンディ』観たばかりだったので、「またDisneyの実写映画化か・・・」という気持ちと母の日に不向きと思い(意地悪なまま母役なので)、こちらの超・豪華キャストの本作を選びました。

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(2008)はスッカリ忘れておりました。(苦笑)

 

HappyBirthday!

 

天文学専攻のランドール・ミンディ博士は、落ちこぼれ気味の天文学者。ある日、教え子の大学院生ケイトとともに地球衝突の恐れがある巨大彗星の存在を発見し、世界中の人々に迫りくる危機を知らせるべく奔走することに。

 

仲間の協力も得て、オーリアン大統領と、彼女の息子であり補佐官のジェイソンと対面したり、陽気な司会者ブリー(ケイト・ブランシェット)によるテレビ番組出演のチャンスにも恵まれ、熱心に訴えかけますが、相手にしてもらえないばかりか、事態は思わぬ方向へー。果たして2人は手遅れになる前に彗星衝突の危機から地球を救うことが出来るのか・・・。

 

ケイト・ブランシェット Catherine Élise Blanchett

 

1969年5月14日、オーストラリア ビクトリア州メルボルン生まれ。

 

メルボルン大学メソジスト女子カレッジで美術史と経済学を学んでいたが中退し、オーストラリア国立演劇学院で演技を学びます。

1993年に出演した舞台でシドニー劇場批評家協会賞で新人賞を受賞。

1994年の映画デビュー。

1998年の『エリザベス』でエリザベス1世を演じ、ゴールデングローブ賞最優秀主演女優賞(ドラマ部門)を受賞。

アカデミー賞にもノミネートされ、一躍トップスターになります。

 

2001年からの『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズでガラドリエルを演じ、実力派の女優の地位を築き、2004年の『アビエイター』で往年の大女優、キャサリン・ヘプバーンを演じ、アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞。

2013年、ウディ・アレン監督の『ブルージャスミン』でゴールデングローブ賞主演女優賞(ドラマ部門)、アカデミー賞最優秀主演女優賞をW受賞。

2022年、『TAR/ター』(現在劇場公開中)で、二度目のヴェネチア国際映画祭 女優賞を受賞。

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

本作にも出演のメリル・ストリープと並ぶ、完ぺきと言える演技力の持ち主のように思います。

演じる役柄も幅広く、間違いなく現在の映画界トップクラスの女優さんです。

お気に入りは・・・ストリープ同様、傑作が多いので迷いますが、『エリザベス』は女王版『ゴッドファーザー』のようなストーリーでかなり好きです。

ほかは、『ブルージャスミン』と『キャロル』(2015)が好きです。

 

『TAR/ター』で二度目のアカデミー賞最優秀主演女優賞・・・と思っていたのですが、惜しかったです。

やけとおめでたい日だからと言って、こんな勢いの飲まないでくださいね。

 

バイス』の監督作品らしく、社会風刺が効いた強烈なブラックコメディでした。

配信を前提に作られた映画で、この人気・実力派のキャストを揃える、揃えられるNetflixの本気度を感じる映画と言えます。

 

ミシガン州立大のケイト(ローレンス)がすばる望遠鏡で観察中に彗星を発見。

それは半年後に地球に衝突し、間違いなく全人類が消滅してしまうものでした。

そのことをホワイトハウスの人に言うと、「スバル(SUBARU=日本の自動車メーカー)は望遠鏡も作ったのか?」と言われる始末。

ここで、まず大爆笑。

でも、ほとんどが日本の企業の三菱電機が作ったのは間違いないんですけどね。

 

レオ様演じるミンディ博士は「彗星の爆発の威力は広島の100億倍以上(この比較は日本人には多少思うものがありましたが、分かりやすかった)」と大統領に言っても、ストリープ演じる大統領は現在抱えているスキャンダルもみ消しと支持率アップ、次期選挙で彗星のことなど眼中にない・・・。

 

大統領と取り巻き(息子など)の無能ぶりは映画製作時の大統領だったトランプへの皮肉にも思えました。

また前例の無いことへの対応の悪さというところでは『シン・ゴジラ』の日本政府や、今回の新型コロナウイルスの対応の後手後手と被るものがあります。

 

当初は有人の廃棄スペースシャトルに核を搭載し、ミサイルと一緒に破壊する予定でしたが、ハイテク企業のCEOが突然現れ、その作戦は急遽中止。

その彗星には大量の希土類元素があり、それを手にすれば巨万の富をアメリカは手にすることができる。

 

人類滅亡のカウントダウンだと言うのに、自国の利益しか考えない大統領。

悪役は珍しいストリープですが、こういう役も本当に上手い!

前大統領に「最も過大評価されている女優」と言われましたからね。

反撃の倍返し。

 

なぜ有人なのか?

大統領曰く、「(死んでしまう)ヒーローが必要だから」。

某『アルマゲ○ン』をパロった描写に二度目の大爆笑。

・・・不謹慎ですが。

 

ティモシー・シャラメも出演。

それほど多く無いと思っていた出演シーンでしたが、後半のかなり重要な役柄を演じていて、「本当に贅沢なキャスティングだな~」と思ってしまいました。

 

オールスター映画は失敗するケースが多いのですが、本作は成功していると思いました。

やはりレオ様の演技力は高く、観る人を惹きつけるものがあります。

科学者は「100%」とは言わないのですが、(「エヴァンゲリオン」の赤木リツコ博士も言わなかったですね)「100%じゃないなら絶対じゃ無いですよね」と信じてくれない世論に振り回される役です。

 

ジェニファー・ローレンスも良かったです。

ストリープ、ケイト・ブランシェットと大御所との共演でしたが、かすむこと無く、対等以上の演技力を発揮。

 

※以下、多少ネタバレあり。※

 

もう肉眼で彗星が見えている段階に来ても「上を見ちゃダメよ~(Don't look up)」と呼びかけ続ける大統領。

はたして希土類元素を手に入れ、その後、彗星を爆破するという計画は成功するのか・・・?

 

ジョナ・ヒル演じる大統領のボンクラ息子がいよいよヤバい状態になったとき、「死ぬのはお前ら底辺にいる人間だけだ。オレたち上流の人間は生きる権利がある」なる暴言連発。

まあ、このような状態になったとき、人はホンネを吐き出しますからね。

 

逆に最後の晩餐とばかりにレオ様やジェニファー、ティモシーらが揃う終盤の家族での食事のシーンは胸が熱くなるものでした。

 

ウルトラマン」の怪彗星ツイフォンも、『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のアクシズ落としも地球には衝突しませんでしたが、本作の結末は、あのキノコ雲が映し出され「また会いましょう♪~」という歌が流れるスタンリー・キューブリックの名作『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』の結末に似た、残酷なのですが、なぜかユーモラスに映るものでした。

 

「笑えない」、「面白くない」というレビューも多い本作ですが、もし、このような状態になったとき、リーダーシップを(勝手に)取るのはアメリカ合衆国です。

その政府がとんでもなく無能だったらという彗星衝突以上の恐怖を猛毒たっぷりに描いたアダム・マッケイ監督お得意の風刺ドラマで、自分は好きです。

SNSに依存し続ける人類への皮肉も痛烈でした。

 

 

改めまして、ケイト・ブランシェット、お誕生日おめでとうございます。