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『ノマドランド』

ノマドランド』

原題:Nomadland

 

2020年製作/アメリカ映画/上映時間:108分/G/2021年3月26日日本公開

 

監督:クロエ・ジャオ

出演:フランシス・マクドーマンド

   デヴィッド・ストラザーン

   リンダ・メイ ほか

 

スリー・ビルボード』(2018)のオスカー女優フランシスマクドーマンドが主演・製作を務め、アメリカ西部の路上に暮らす車上生活者たちの生き様を、大自然の映像美とともに描いたロードムービーです。

2021年・第93回アカデミー賞では計6部門でノミネートされ、作品、監督、主演女優賞の3部門を受賞。

 

あらすじ

 

アメリカ・ネバダ州に暮らす60代の女性ファーン(フランシス・マクドーマンド)は、リーマンショックによる企業の倒産で住み慣れた家を失ってしまう。彼女はキャンピングカーに荷物を積み込み、車上生活をしながら過酷な季節労働の現場を渡り歩くことを余儀なくされる。現代の「ノマド遊牧民)」として一日一日を必死に乗り越え、その過程で出会うノマドたちと苦楽を共にし、ファーンは広大な西部をさすらう。

シネマトゥデイより)

 

ジェシカ・ブルーダーのノンフィクション小説を原作に、「ノマド遊牧民)」と呼ばれる車上生活者の生きざまを描いたロードムービーです。

金融危機により全てを失いノマドになった女性が、生きる希望を求めて放浪の旅を続ける姿が描かれます。

 

Disney+にて鑑賞。

映画館に次いで2回目の鑑賞になります。

 

本日6月23日はジョエル・エドガートン(・・・「誰っ?」と思われたかもしれませんが)、49歳のお誕生日です。

お祝いの気持ちを込めまして、某・マフィアを描いた映画を観ていたのですが、あまり面白くなく、同じく本日、66歳のお誕生日を迎えるフランシス・マクドーマンドの映画に急遽変更。

しかし、この方は作品をかなり厳選して出演するので、新作は観ているので、『スリー・ビルボード』3回目か本作どちらかをと思い、『スリー~』のマーティン・マクドナー監督の作品は『イニシェリン島の精霊』の衝撃が今も残っていたので、本作を選びました。

 

お二人とも

HappyBirthday!

 

リーマンショック後、企業の倒産とともに、長年住み慣れたネバダ州の企業城下町の住処を失った60代女性ファーン。

 

彼女の選択は、キャンピングカーに全ての思い出を詰め込んで、車上生活者、“現代のノマド遊牧民)”として、過酷な季節労働の現場を渡り歩くことだった。

 

その日その日を懸命に乗り越えながら、往く先々で出会うノマドたちとの心の交流とともに、誇りを持った彼女の自由な旅は続いていく・・・。

 

フランシス・マクドーマンド Frances Louise McDormand

 

1957年6月23日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれ。

 

両親共にカナダ人で、牧師の父親の都合で各地を転々と(ノマドとは違うと思いますが)し、ウェストバージニア州ベサニー大学で演劇を学び、更にイェール大学(凄い!)で演技を学びます。

 

1984年のコーエン兄弟の『ブラッド・シンプル』で映画デビュー。

1989年のアラン・パーカー監督の『ミシシッピー・バーニング』で初のアカデミー賞助演女優賞にノミネートされます。

 

1996年のコーエン兄弟の『ファーゴ』でアカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。

スリー・ビルボード』、本作でも同賞を受賞し、3回のオスカー受賞は史上13人目で、主演部門3回はキャサリン・ヘプバーンの4回に次ぐものになりました。

ほかに3回受賞はイングリッド・バーグマンメリル・ストリープだけです。(これも凄いですね)

 

1984年にジョエル・コーエンと結婚。ニューヨークに在住しております。

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

前日お誕生日のメリル・ストリープ同様、まったくもって安心して観ていられる名演を披露してくれる女優さんですね。

お気に入りは言うまでも無くナンバーワンは『スリー・ビルボード』。

ミシシッピー・バーニング』も大好きです。

マニアックなところでは、『スパイダーマン』(2002)を撮る12年前にサム・ライミ監督が作ったヒーロー映画『ダークマン』(1990)も面白いです。

 

現在公開中のアカデミー賞作品賞にノミネートされた『ウーマン・トーキング 私たちの選択』も良さそうですね。

 

アカデミー賞作品賞受賞=感動の物語では無い。

近年のオスカー受賞作品に共通する、万人向けする内容・・・を通り越し、映画ファンでも賛否分かれる内容の映画だと初めての鑑賞のとき感じました。

実際、YouTuberの映画ファンのミステリー小説家の方は年間ワーストでワーストワンに選んでおりました。

 

最初に映画館で観た感想は、映像の美しさは感じましたが、あまりにドキュメンタリー・タッチなので、物語が薄味のように思いました。

それと、ちょっと品の無いことを書きますが、排尿、排便のシーンなど必要あったのかな~?と思ってしまいました。(観て気分いいものではありませんので)

 

自分は禁煙6年目なのですが、喫煙シーンの多さは気にならず。

 

・・・で、今回2回目の鑑賞でしたが、そのようなシーンがあると分かったうえでの鑑賞でしたので、それらは気になりませんでした。

 

そして、ヘンな言い方ですが、前日感動した『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』の影響からか、「幸せとは人それぞれ。誰かが決めるものでは無い」というテーマが本作にも感じられ、とても良かったと思いました。

 

家財はすべて失ってしまう。

しかし、それでも誇りは捨てない。

どれだけ貧しい生活を送ろうと、己を変えない生き方をする現代のノマド遊牧民)になったファーンの生き方に力強さを感じます。

 

マクドーマンドとデヴィッド・ストラザーン以外は全員本当のノマドで、08年のリーマンショック以降、本当にこのような生活を送っている人たちが多く存在すると思うと、生きることを諦めない人たちの凄さを感じます。

 

ノマドの人は言います。

「さよならは言わない。”また会おう”と言う。実際そうなるから」。

この言葉に胸が熱くなります。

 

いくら心が豊かでもお腹は膨れません。

そこをもっと深く描いてもらいたかった気もいたします。

とても美しいですが、かなり地味な映画ですね。

アカデミー賞作品賞受賞の映画ですが、言うまでもありませんが、本作と『アラビアのロレンス』、どっちを薦めるか?・・・と訊かれたら、答えは明白です。

 

ローマの休日』、『博士の異常な愛情』も獲れなかったアカデミー賞作品賞

ヒッチコック黒澤明も手にすることができなかったアカデミー賞監督賞

それを受賞する価値・・・と訊かれると2回目の鑑賞でも「う~ん」と思ってしまいます。

もちろん悪い映画では無いのは間違いありません。

 

しつこく書いてますが、この年はやはり『プロミシング・ヤング・ウーマン』とその主演女優のキャリー・マリガンに獲ってもらいたかったのが、この作品大好きな自分の正直な気持ちです。

 

ちなみに、ジョエル・エドガートンで一番のお気に入りはそのキャリー・マリガンと共演した『華麗なるギャツビー』(2013)です。(聞いてねぇよ!)