ティム・バートン製作総指揮のNetflixドラマ「ウェンズデー」。
ようやく最終話まで鑑賞いたしました。
結論から言いますと、「面白かった。観て良かった」ドラマでした。
「アダムス・ファミリー」はまったく知らなかったのですが、それは気にすることなく楽しめました。
『シザーハンズ』、『バットマン リターンズ』とティム・バートン監督の初期の傑作で描かれた「異質で他者と交わることができない辛さや切なさ」というものが本作でも上手く描かれたいたように思いました。
ただ、彼女の通うネヴァーモア学園はそのような人の集まる学校なので、風変わりなキャラクターがいっぱい。
そんな中、頑なに他者を避けていたウェンズデーの心境も回を重ねるごとに徐々に変化し、学友を受け入れるところは良かったです。
ミステリーがメインの物語で「真犯人は誰だ?」的ストーリーでしたが、こちらは驚きはあまり無かったです。
とにかく登場キャラクター全員が変わり者なので、誰が犯人だったとしても驚かなかったです。
真犯人の目的が『シン・エヴァンゲリオン~』の碇ゲンドウに似た動機だったところがEVAヲタの自分は結構嬉しくなってしまいました。
一番良かったところは、何と言っても主演のジェナ・オルテガの魅力だと思います。
強烈な毒を持ったキャラクターなのに、どこかキュートなものがあったと思いました。
1991年製作の『アダムス・ファミリー』の劇場版の製作の際、ティム・バートン参加したかったのですが、『バットマン リターンズ』とスケジュールが重なってしまい、泣く泣く断念されたそうです。
それだけティム・バートンは「アダムス・ファミリー」が好きで、リスペクトの気持ちを忘れておりません。
そのような気持ちが作品への愛へとなり、本作が傑作になり得た最大の理由だと思います。
衣装や美術は目を見張るものがありました。
先日発表された、テレビドラマのアカデミー賞と言われる「エミー賞2023」で、「ウェンズデー」はコメディ部門において作品賞、監督賞(ティム・バートン)、主演女優賞(ジェナ・オルテガ)など主要部分にノミネートされました。
授賞式は9月19日の予定ですが、皆さんご存じの通り全米映画俳優組合(SAG-AFTRA)が現在ストライキ中で、ウワサによると長引きそうとのことで、開催されるか不安もあります。
そして、シーズン2の製作が決定いたしました。
まあ、そのような終わり方をしていたので、当然と言えば当然なのですが・・・。
アメリカのテレビドラマは「スーパーガール」も同様の終わり方で”続編ありき”という作り方が普通のようですね。
ただ、こちらも撮影が終了していなければストライキの影響で配信は大幅に延期になる可能性があります。
懐かしいダークなティム・バートンに再会できた喜びとジェナ・オルテガという新しい才能ある女優さんに出会えた嬉しさで個人的には大満足。
※少しネタバレ※
両親を含め、他者を拒んでいたウェンズデーが終盤、仲間たちを信じ、頼り、そして死に涙するシーンがあります。
ここは、とても胸が熱くなり感動いたしました。
「人は変われる」というメッセージが込められていたのかもしれません。
・・・彼女を普通の”人”と呼ぶのにはかなり抵抗がありますが。
映画やテレビドラマで、主人公の成長、一歩前へ進むような物語は共感できるものですね。
「ウェンズデー シーズン1」はNetflixにて絶賛配信中です。(それ以外の視聴方法は現段階ではありません)
最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。