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『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』

アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』

原題:Armageddon Time

 

2022年製作/アメリカ映画/上映時間:115分/PG12/2023年5月12日日本公開

 

監督:ジェームズ・グレイ

出演:アン・ハサウェイ

   ジェレミー・ストロング

   アンソニー・ホプキンス ほか

 

『アド・アストラ』などのジェームズ・グレイ監督が、自身の体験を基に撮り上げた人間ドラマです。

不自由のない生活を送っていた12歳の少年が、ほんの出来心で招いた事件を機に家族を混乱に陥れてしまう姿が描かれます。

2022年・第75回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。

 

あらすじ

 

1980年、ニューヨーク。12歳のポール(バンクス・レペタ)は、母エスター(アン・ハサウェイ)、父アーヴィング(ジェレミー・ストロング)、兄テッド(ライアン・セル)と不自由のない生活を送っていた。だが、近ごろは家族に対して言いようのないいら立ちを感じ、良き理解者である祖父アーロン(アンソニー・ホプキンス)の存在だけが心のよりどころになっていた。あるとき、通っている公立学校に窮屈さを感じた彼は、問題児の黒人生徒ジョニー(ジェイリン・ウェッブ)と、ある悪事を働く。

シネマトゥデイより)

 

『アド・アストラ』のジェームズ・グレイが監督・脚本を手がけ、自身の少年時代の実体験をもとに撮りあげた作品です。

プラダを着た悪魔』などのアン・ハサウェイ、『デトロイト』などのジェレミー・ストロング、『ファーザー』などのアンソニー・ホプキンスのほか、バンクス・レペタ、ジェイリン・ウェッブらが出演。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

本日、12月31日はアンソニー・ホプキンス、86歳のお誕生日です。

お祝いの気持ちを込めまして、出演作品を選ばせていただきました。

 

1980年代、ニューヨーク。ユダヤアメリカ⼈の中流家庭の末っ⼦ポールは、公⽴学校に通う12歳。PTA会⻑を務める教育熱⼼な⺟エスター、働き者でユーモラスな⽗アーヴィング、私⽴学校に通う優秀な兄テッドと何不⾃由のない⽣活を送っていました。

 

しかしポールは、クラス⼀の問題児である⿊⼈⽣徒ジョニーと親しくなったことで、複雑な社会情勢が突きつける本当の逆境を知ることになります。あるとき、ポールとジョニーが学校でやらかした些細な悪さが、彼らの平穏な⻘春の⽇々に⼤きな波乱をもたらすことに。

 

その解決しがたい問題に直⾯したとき、ポールは家族、特に強い絆で結ばれている祖⽗アーロンに頼ることができたが、家庭環境に恵まれないジョニーには⽀えてくれる⼤⼈が誰⼀⼈としていなかった。そして、このことが 2 ⼈の⾏く末を⼤きく分けることになります・・・。

 

アンソニー・ホプキンス Sir Anthony Hopkins

 

1937年12月31日、イングランドウェールズ生まれ。

10代から演劇学校に通い演技の勉強をし、陸軍に入隊。

除隊後、ふたたびロンドンなどで舞台俳優としてのキャリアをスタートさせます。

 

1968年の『冬のライオン』で映画デビュー。

共演の名優ピーター・オトゥールキャサリン・ヘプバーンと堂々と渡りあう演技を披露し、鮮烈なデビューとなります。

1977年の『遠すぎた橋』、『マジック』と話題作に出演。

1980年のデヴィッド・リンチ監督作品『エレファント・マン』で更に多くの人に注目されます。

 

1991年のジョナサン・デミ監督作品『羊たちの沈黙』でハンニバル・レクター博士を演じ、アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞します。

この役は当たり役になり、続編の『ハンニバル』、『レッド・ドラゴン』でも同役を演じます。

・・・ですが、上映時間2時間の映画で登場シーン30分だったことで、「主演と呼べるのか?」という意見もありました。

 

その後は自身の人間性のすばらしさもあり、低迷期も無く順調なキャリアを築きます。

カズオ・イシグロ原作の『日の名残り』、『ニクソン』、スティーヴン・スピルバーグ監督作品『アミスタッド』でアカデミー賞にノミネート。

ほかにも『ジョー・ブラックをよろしく』、『アトランティスのこころ』、『マイティ・ソー』などの話題作に出演。

 

2020年の『ファーザー』で2度目のアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。

この作品は間違いなく主人公を演じたので、今回は異議を唱える人はおりませんでした。

 

「演技とは絵空事であって、その要素はすべてシナリオの中にある」が持論で、どのような役柄もリサーチすることをしない、ロバート・デ・ニーロと真逆の路線を往き、デ・ニーロを「馬鹿げている」と罵ったことで有名です。

 

結婚は3回。

現在はロサンゼルスに住み(大谷翔平&山本由伸と同じ!)、アメリカ市民権を得ております。

レクター博士のイメージが強いですが、本人ベジタリアンでお肉は食べないそうです。

 

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

初めて観た作品は『エレファント・マン』だと記憶しております。

主人公を演じたジョン・ハートに劣らない印象でした。

 

お気に入りは文句なしに『羊たちの沈黙』ですね。

ほかは『日の名残り』が大好き。

胸が熱くなり、感動いたしましたが、皮肉屋のホプキンスは「自分に恋愛ものは似合わない」と言っておりました。

 

HappyBirthday!

 

アルマゲドン”とはユダヤ教キリスト教などで「善と悪の終末的な戦争」を表す言葉だそうです。

ブルース・ウィリス主演の映画のタイトルや、自分はSF作家の平井和正先生&石ノ森章太郎先生原作のアニメーション映画『幻魔対戦』の”ハルマゲドン”という言葉で印象に残っております。

 

この映画の監督の半自伝だそうですが、『エヴァの告白』と『アド・アストラ』の2本しか観ておりません。

『アド・アストラ』は正直サイテーに近い出来だったと思っております。

その程度(←失礼!)の監督の自伝、しかもまだ10本に満たない作品しか発表していない方の少年期のお話し、どうなのかな~?と半信半疑な気持ちで鑑賞開始。

 

序盤は本当にきつかった。

面白味も無く、主人公の少年がとにかくク✖ガキ。

・・・ですが、彼は公立の学校へ通うのですが、そこで仲良くなったクラスメイトの黒人少年とやり取りが始まってまずまず。

2人が学校のトイレでいけないタバコ(マリファナだと思うのですが)を吸って問題になるところから、やっとエンジンがかかった気がいたしました。

(このシーンがあったから本作がPG12指定だった理由が分かりました)

 

PTAの役員を務める母親の薦めで私立の学校へ転校する主人公。

そこには白人しか在学しておりません。

フェンス越しに彼に会いに来た黒人少年に冷たい態度を取ってしまう。

そのことをアンソニー・ホプキンス演じるお爺ちゃんに言うと、それは「正しい態度なのか?」と言われてしまいます。

 

その母親を演じたアン・ハサウェイですが、ビックリしちゃうほどつまらない役柄。

「ハリウッドで一番嫌われている女優」なるウワサがありますが、それが事実と思ってしまうほど、もういい役柄回ってこないのかな~と思って、かなり切なくなってしまいました。

次回作はA24の作品らしいので、それに期待です。

 

主人公が転校する私立の学校がドナルド・トランプのお父ちゃんが有力な支援者らしく、その娘・マリアン役でジェシカ・チャステインカメオ出演

 

言いたいことはよく分かる映画なんですよね。

1980年、人種差別が当たり前に存在していたアメリカ・ニューヨーク。

主人公家族もユダヤ系、黒人など迫害を受けることが「異常」では無かった時代が存在したことを今の時代に伝えたいという監督の意図。

そんな善と悪の存在する時代にもがいた少年の切ない物語。

 

トランプのお父ちゃんはKKKクー・クラックス・クランアメリカ合衆国の白人至上主義を唱える秘密結社)に所属していたそうです。

ロナルド・レーガンを再選させ、ドナルド・トランプを大統領にしてしまったアメリカ合衆国の愚かな過ちを悔やむ映画と思うのですが、もう過去振り返ってばかりいても仕方ないようにも思うのですが・・・。

 

友人を売って、息子を助けた父親に反抗・・・するかと思ったら何もしない主人公。

悪だと思われていた親友は最高に正義感の強い男だったという名作『スタンド・バイ・ミー』とは正反対のタイプの映画。(この監督とスティーヴン・キングでは作家としての格違い過ぎますが・・・)

投げやりなエンディングに唖然呆然。

 

アンソニー・ホプキンスが出ていなかったら、正直観ていられない映画だったと思いました。

とにかくテンポが悪く、1時間55分の映画が3時間超えに感じてしまいました。

 

 

 

この記事をもって、本年のブログ更新を終了いたします。

2023年、1年間、本当にありがとうございました。

皆様、良いお年をお迎えください。