『シャザム!~神々の怒り~』
原題:Shazam! Fury of the Gods
2023年製作/アメリカ映画/上映時間:130分/G/2023年3月17日日本公開
出演:ザカリー・リーヴァイ
アッシャー・エンジェル
レイチェル・ゼグラー ほか
見た目は大人だが中身は子どものヒーロー、シャザムの活躍を描いた、DCコミックス原作のアクションエンタテインメント「シャザム!」のシリーズ第2弾です。
監督は前作に引き続きデヴィッド・F・サンドバーグが務めております。
あらすじ
「シャザム!」という言葉を唱えると、心は少年のまま、屈強なヒーロー・シャザムに変身できるビリー(アッシャー・エンジェル)。ほかの5人の子供たちもビリーと同じパワーを魔術師から与えられ、それぞれが好き勝手にやっていたため神々を怒らせてしまう。やがて巨大モンスターを引き連れた神々の娘たちが地球にやってきて、力を返してもらおうとビリーらに襲いかかる。
(シネマトゥデイより)
半人前のヒーローのシャザムが神々の怒りを買い、神々の娘たちが地球に来襲する事態になる『シャザム!』の続編です。
ザカリー・リーヴァイ、アッシャー・エンジェルら前作のキャストに加え、『ウエスト・サイド・ストーリー』などのレイチェル・ゼグラーのほか、ルーシー・リュー、ヘレン・ミレンらが新たに参加。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
明るめの映画がいいと思い、今回は本作を選びました。
前作は劇場で鑑賞しております。
おさらいは必要無いと思いました。(そもそもAmazonプライムビデオでは見放題では無く、Netflixでは配信されておりませんでした)
※映画会社、マスコミがすでにリークしちゃっているネタバレ、この記事でも書きますので、一様ご注意を。※
古代の魔術師より6人の神のパワー(S=ソロモンの知恵、H=ヘラクレスの剛力、A=アトラスのスタミナ、Z=ゼウスの万能、A=アキレスの勇気、M=マーキュリーの神速)を授かった少年ビリーは、魔法の言葉「シャザム!(S.H.A.Z.A.M!)」と唱えると、超絶マッチョな最強ヒーローのシャザムに変身する。
しかし、見た目は大人でも中身は子ども、ヒーローとしても半人前のシャザムは、大人の事情が理解できずに神々を怒らせてしまい、その結果、最強の神の娘たち「恐怖の3姉妹」がペットのドラゴンを引き連れて地球に襲来。
未曾有の危機を前に、頼れるのは…?神々の力を宿すシャザムVS神の娘たち。神様だらけの最強バトルがいざ開幕・・・。
・・・DC、ユニバースと言うのでしょうか?
DCに関しては、『ダークナイト』3部作の大成功が逆にその後の作品作りに影響を与えてしまう結果になってしまいました。
この”重い”、”暗い”イメージがDCの売り・・・と思い作ってしまった『マン・オブ・スティール』(2013)がスーパーマンの物語とは思えない暗さ、続く続編は画面も真っ暗という目も当てられない状態になってしまいました。
そういう意味では前作『シャザム!』は本来のヒーロー作品の明るさを取り戻したDC作品だったと思います。
ですが、本当に軽いノリで、最終的にヒーローに変身できるのが主人公のビリーだけで無く、何と6人にまで増え、まるで我が国の戦隊ものを思わせる展開には、まあ『ダークナイト』のようにズシリと響くものは無く、それほど心には残らない映画でもありました。
なので、今回の続編、それほど期待はせず、11月に記事にしました黒いシャザムこと『ブラックアダム』くらいの面白さならいいな~くらいに思いながらの鑑賞でしたが、意外やもの凄く楽しく、ヒーロー映画の明るさ、爽快さがあふれた映画になっていたと思いました。
「ガキっぽい」という批判的な意見もありましたが、本来アメコミ映画は子どもさんをメインにした作りでいいように思います。
『ドクターストレンジ』の2作目のように観終わって疲れる気持ちになるより、肩の力を最後まで抜いて楽しめる。
近年忘れていたヒーロー映画の姿が映し出されていたと言える気がいたします。
・・・ただ、大きなお友だちへの配慮も忘れておりません。
「シャザム!」の掛け声で子どもたち(と言っても皆前作より大きくなってしまいました)が大人へ変身するのですが、エミリー(写真真ん中)だけ変身前も変身後も同じ女優さんが演じております。
彼女の胸の膨らみとあらわになった素足の太ももは世のオヂさんたち、感涙ものです。
イギリスの年金制度は存じあげませんが、ヘレン・ミレン、78歳でこのようなヒーロー作品でも頑張っております。
貫禄ある俳優さんが悪役を演じてくれると面白味が増します。
今回、悪の神、年齢の離れ過ぎた3姉妹が登場いたします。
ルーシー・リューは私『キル・ビルVol.1』(2003)以来なので、さすがに老けちゃったな~と思っちゃいましたが、一番左の女優さん、とてもキレイ、どこかで観た記憶が・・・と思ったのですが、スピルバーグの『ウエスト・サイド・ストーリー』でマリアを演じた人でした。
彼女が演じるアンテアがビリーの義兄弟で親友のフレディと仲良くなり(まだ恋仲とまではいかない)、本来抹殺すべき人間に情のようなものを抱くことになります。
自分たち神々に歯向かい魔力を奪った人間を抹殺しようとする姉たちの陰謀を阻止しようとするアンテア。
この展開もご都合主義的と言ってしまえばそれまでなのですが、自分は違和感なく観ることができました。
元日に日本で災害が起こってしまいました。
このようなときに、シャザムのようなスーパーヒーローが存在してくれれば・・・。
そんなことも考えてしまいました。
6人のシャザムたちは悪と闘うことより人命救助を優先します。
そこが中身が子どもという純心な一面もあり、好感が持てるように思います。
基本、魔法でヒーローになった少年たちの物語なので、「何でもあり」感全開で、同じスタジオ製作ということもあり、『ハリー・ポッター』の世界観に似たところもありました。
どうせ魔法で助かるんだろう・・・と思っていたら、シャザムに変身したビリーはアレ(岡田彰布監督とは関係ありません)になってしまった。
と、ところが・・・。
※ここからがネタバレになります。ご注意を。※
ビリーの仲間たち、里親が悲しみに暮れている中、ビリーをシャザムにした魔術師も「温かく見守ろう」と言うと、あのテーマ曲が流れ始めます。~♪
この映画公開当日のネットのニュース記事でワンダーウーマンが登場すると大々的に報じてしまっていたので、彼女が助けてくれるんだと分かってしまうところが残念。
もし知らないで観ていたら、かなり感動したと思うのですが、何で映画会社もマスコミもネタバレしちゃうかな~と思ってしまいました。
でもカメオ出演は嬉しかったのは間違いありません。
『ブラックアダム』の記事で書いた通り、DCは新たにDCユニバースとしてスタートを切るらしく、今週金曜日から日本公開の『アクアマン』もどうなるか分からない状況です。
ブラックアダムとの対決など観たい、珍しく続編楽しみと思った本作も今後の製作は不透明ですが、もしこれで見納めでも、今回は心に残る本当に面白いヒーロー作品だったと言えます。(エンドクレジット後の映像では続編製作の意欲満々でしたが)
『ブラックアダム』同様、JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)から勧誘に来るのですが、シャザムがジャスティス・リーグからのお誘いと思って大喜びしちゃうところは笑えました。(ジャスティス・リーグの勧誘でしたらベン・アフレックが来ますね、多分)
両方”ジャスティス”とついていて紛らわしいとスマホでいい名前を検索し、「アベンジャー・ソサエティがいいよ」というセリフにさらに爆笑しちゃいました。