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『糸』

『糸』

 

2020年製作/日本映画/上映時間:130分/G/2020年8月21日日本公開

 

監督:瀬々敬久

出演:小松菜奈

   菅田将暉

   高杉真宙 ほか

 

1998年にリリースされた中島みゆきのヒット曲「糸」をモチーフにしたラブストーリーです。

ディストラクション・ベイビーズ』、『溺れるナイフ』でも共演した小松菜奈菅田将暉、3度目の共演。(本作公開後結婚)

監督は『明日の食卓』などの瀬々敬久

 

あらすじ

 

北海道で暮らす13歳の高橋漣(菅田将暉)と園田葵(小松菜奈)は、互いに初めての恋に落ちるが、ある日突然葵の行方がわからなくなる。彼女が養父の虐待から逃れるために町を出たことを知った漣は、夢中で葵を捜し出し駆け落ちしようとする。だがすぐに警察に保護され、葵は母親と一緒に北海道から出て行ってしまう。それから8年、漣は地元のチーズ工房に勤務していた。

シネマトゥデイより)

 

アルキメデスの大戦』などの菅田将暉と『さよならくちびる』などの小松菜奈が主演したラブストーリーです。

日本やシンガポールを舞台に、平成元年生まれの男女の18年が映されます。

共演に斎藤工榮倉奈々山本美月倍賞美津子成田凌二階堂ふみ高杉真宙ら。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

本日、1月10日は「糸」の日らしく(今日初めて知りました)、この映画を選んでしまいました。

 

※ネタバレ全開の記事になります。これからご覧になられる方はご注意を。※

 

平成元年生まれの高橋漣と園田葵。北海道で育った二人は13歳の時に出会い、初めての恋をする。そんなある日、葵が突然姿を消した。養父からの虐待に耐えかねて、町から逃げ出したのでした。

 

真相を知った漣は、必死の思いで葵を探し出し、駆け落ちを決行する。しかし幼い二人の逃避行は行く当てもなく、すぐに警察に保護されてしまう。その後、葵は、母親に連れられて北海道から移ることになった。漣は葵を見送ることすらできないまま、二人は遠く引き離されてしまいます。

 

それから8年後。地元のチーズ工房で働いていた漣は、友人の結婚式に訪れた東京で、葵との再会を果たす。北海道で生きていくことを決意した漣と、世界中を飛び回って自分を試したい葵。もうすでに二人は、それぞれ別の人生を歩み始めていたのでした。

 

そして10年後、平成最後の年となる2019年。運命は、もう一度だけ、二人をめぐり逢わせようとしていた・・・。

 

瀬々(写真中央)の描く映像という名の暴力。

そして、その苦痛と恐怖。

2018年の『友罪』、2019年の『楽園』で嫌と言うほど味わいました。

 

その苦痛とは、不完全な良心回路を持つ光明寺博士の人造人間ジローを苦しめるプロフェッサー・ギルの悪魔の笛のような・・・。(分かりづらい例えだ)

その恐怖は本作に出演しておりました倍賞美津子さんがその昔、ご主人だったアントニオ猪木と双方お忙しい中、1973年、新宿・伊勢丹で買い物中、突如インドの猛虎・タイガー・ジェット・シンに襲撃を喰らってしまったときのような・・・。(またまた分かりづらい例えだ)

 

瀬々よ、あんた、本当にいい加減にしなよ!

いったい幾つ駄作作れば気が済むんだよ。

 

大好きな清原果耶ちゃんが多くの映画賞受賞した『護られなかった者たちへ』。

瀬々が監督していなければ、とっくに観ていたと思います。

しかも、この映画と同じ脚本家と知り、さらに脚が遠のいてしまいました。

今月30日の果耶ちゃんのお誕生日には、別の作品を選びます。

 

中島みゆきさんの歌はあまり聴いたことがありません。

私が若いころ、中島さんの歌が好きと言うと当時の流行り言葉で「ネクラ」(根が暗い)と言われておりました。

 

歌手とは関係無い話題で、吉野家の牛丼がお好きなようで、以前アメリカで狂牛病問題が発生し、吉野家から牛丼が消える事態になったとき、冷凍牛丼を買い占めたなるウワサが流れたほどです。

それに変わるメニューとして登場した豚丼が今や定番メニューになっております。

 

なので、中島さんの「糸」という曲は存じあげませんが、どちらかと言うと「昭和枯れすゝき」の方がピッタリと言える、本当に古臭く、昭和(それも20~30年代くらい?)のテイストで、どうせなら主人公の名前もさくらと一郎にすればと思ってしまいました。

 

もう信じられないくらい襲いかかってくるタイガー・ジェット・シン顔負けの不幸の確率変動

菅田将暉さん演じる漣に小松菜奈さん演じる葵以外の人が関わると必ず不幸がのしかかってくる。

まるでハマーン・カーンのような(またまた分かりづらい例えだ)2人の男女の不幸のバーゲンセール(死語?)ムービーです。

 

ご自身も監督をされるほどの映画好きで知られる斎藤工さん。

まあ事務所が取ってきた仕事だったので嫌々の出演だったのでしょうね。

 

リーマンショックですべてを失った実業家役で、なぜか沖縄に逃避行。

そこで沖縄民謡に合わせて躍るシーンには呆然。

よくこんなシーン許したと思いました。

斎藤さん、なぜこのときベータカプセル使わなかったのですか?

このときスペシウム光線放ってくれれば、その後の瀬々の駄作は生まれないで済んだのに・・・って、それは言い過ぎ?

ウルトラマンはゼ・・で始まる名前のものに弱いとも取られてしまいます。

 

製作はTBSなのですが、TBSは榮倉奈々さん癌で死なせるのが本当に好き。

そのうえ、瀬々も榮倉奈々さん死なせるのが好き。(『アントキノイノチ』)

しかも、何の癌かも分からない不親切な描き方。

 

お父さんが死後4年経って、「オレは娘の思い出だけでこれから生きていく」というセリフ、苦笑しか出ませんでした。

それでお腹触れれば苦労は無いよ!

 

漣の同級生役の成田凌さんと新しい(バツイチになったので)恋人役の二階堂ふみさんの本当にもったいない使われ方。

二階堂ふみさんが「やっぱ北海道だね」と言うセリフがあるのですが、その後に「埼玉県人にはその辺の草でも食わせていろ!」とでも言ってくれれば、まだこの映画出演に救いがあったのですが・・・。(配給会社が違うので壁が高かった)

 

北海道&沖縄、さらにはシンガポールもロケーションに行っておりますが、それらの美しさがまったく画面から伝わりません。

せめて、それくらいのものでもあれば救いがあったのですが、本当に「もったいない」の連続の映画でした。

 

この映画の唯一の救い・・・と思ったのが、高杉真宙さんの演技。

高杉さんだけ、こんな救いの無いおバカシナリオの映画でも、頑張って演技をしていた努力が伝わってきました。

 

映画とは無関係の「猪木新宿伊勢丹襲撃事件」ですが、その後の・・・と言いますか、こちらもネタバレですが、プロレスでよくある「あれ」(岡田彰布監督とは無関係です)です。

ただ、猪木がガードレールに頭部強打され大流血になってしまったので、警察が出動する騒ぎになりました。

遺恨が生まれた両者の対決は翌年の1974年、リング上で猪木がシンの右肘をアームブリーカーでへし折る「腕折り事件」にまで発展しております。

タイガー・ジェット・シンは今回の能登半島地震で知った方もいらっしゃるかと思いますが、石川県知事の馳浩氏がレスラー時代の1991年巌流島で死闘を繰り広げております。

その馳浩知事は現役時代、シンとでは無く、お笑いタレントの山田邦子さんと遺恨が生まれております。(その経緯まで書いていると長くなりますので・・・)

 

日曜日朝の老害番組(ここ20年以上観てませんが)のニュース記事を読む限り、頭の中が昭和で止まったままのTBSらしさは全開の映画でした。

義父による家庭内暴力

お金のないまま上京し、年齢を偽って風俗(キャバクラ)勤務。

せっかく順調に進んでいた事業はリーマンショックや悪徳不動産に騙され失う・・・って、子どもでも思い浮かぶような安直な不幸の連続攻撃。

 

でも、最後はめでたし・・・と言いたいのですが、他人を不幸にして手にした幸福っていうのも何だかな~。

空港ですっぽかされてしまった高杉真宙さん、お気の毒。

 

昭和の某根性スポーツアニメ顔負けの登場人物泣きまくり。

平成という時代を生きた・・・と描きたかったみたいですが、誰でも思い浮かぶような出来事の連続。

最後のシーンで年号が令和になるとき、函館湾にいた人たち、”令和”と書かれた団扇振って喜ばれておりましたが、アイドルのコンサートと勘違いしてません?

 

シナリオが本当に酷く、これでよくGoサイン出たな~と思っちゃいました。

苦痛の2時間10分、褒めるところの無い時間のムダの駄作でした。

ダジャレで2回目鑑賞の『IT/イット ”それ”が見えたら終わり』にすれば良かった・・・。

中島みゆきさんに謝りなさい!

 

3度目の共演でめでたくご結婚された小松菜奈さんと菅田将暉さん。

過去2回共演のときは、まだ若かったから年齢を重ねたこのとき・・・とも取れるのですが、私の推測では、こんな酷いシナリオ送ってきた事務所への怒りと悲しみにお互い控え室で慰め合っていて、それでより愛が深まったのではと思いました。

 

役を演じていただけと思いたいのですが、この映画の菅田将暉さん、どのシーンも本当に悲しそうなお顔でした。

 

 

 

 

この映画で古舘伊知郎さん、声の出演されていたとエンドクレジットで知りましたが、どこで出ていたか分からず。

 

この映画の予告編が「本日糸の日解禁」というニュース記事で今日が糸の日と知りました。