『私のちいさなお葬式』
原題:Karp otmorozhennyy
2017年製作/ロシア映画/上映時間:100分/G/2019年12月6日日本公開
監督:ウラジミール・コット
出演:マリーナ・ネヨーロワ
アリーサ・フレイドリフ
エフゲニー・ミロノフ ほか
突然の余命宣告を受けた73歳の女性が自身のお葬式計画に奮闘する姿を描いた人間ドラマです。
ロシアの小さな村を舞台に、最後の時間を明るく過ごす女性の姿が映し出されます。
あらすじ
村の唯一の学校で教師を務めてきた73歳のエレーナ(マリーナ・ネヨーロワ)は定年後、年金生活を送っていた。ある日彼女は余命を宣告され、たまに帰省してくる一人息子のオレク(エフゲニー・ミロノフ)に内緒で葬式の計画を立てる。エレーナは都会で仕事に忙殺されている息子に余計な心配をかけたくないと考え、周りの力を借りながら着々と葬式の準備を進めていく。
(シネマトゥデイより)
余命宣告を受けた元教師の女性が、前向きに自分の葬式の準備に取り組む姿を描いたロシア映画です。
主人公をマリーナ・ネヨーロワが演じ、『ボリショイ・バレエ 2人のスワン』などのアリーサ・フレインドリフらが共演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
上映時間がお手ごろで、また何となくアメリカ映画、日本映画以外の国の作品がいいと思い、この作品に行き着きました。
村にひとつしかない学校で教職をまっとうし、定年後は慎ましい年金暮らしを送っている73歳のエレーナが、病院で突然の余命宣告を受けた。5年に一度しか顔を見せないひとり息子オレクを心から愛しているエレーナは、都会で仕事に大忙しの彼に迷惑をかけまいと秘密のお葬式計画を開始する。
惨めな死に方はしたくない彼女の願いは、お葬式に必要な棺や料理の手配を済ませ、夫が眠るお墓の隣に埋葬されること。遺体安置所や葬儀屋を訪ね回ったエレーナは、親友である隣人リューダや元教え子らの助けも得て、すべての準備を整えていく。
ところがそんなエレーナの“完璧なお葬式計画”は、いざあの世に旅立とうとする最終章で想定外の事態が持ち上がり・・・。
心臓の病でいつ死んでもおかしくない女性が誰にも迷惑をかけず、自分のお葬式の準備をするというお話し。
そのある意味ハチャメチャさが逆に周囲を困惑させ、ほのぼのとした笑いを誘う作品になっていたと思いました。
本当に小さな村で、死体安置所の職員などが皆自分の教え子で、お願いしちゃうと断れず、生きているうちに死亡診断書が発行されてしまう下りなど、かなりブラックユーモアが効いていて面白かったです。
わが国・日本では火葬以外は認められておりませんが、火葬に対するロシアの人の考え方の違いなども面白く感じました。
主人公のお婆ちゃんはとにかく「火葬だけは勘弁」と言っております。
理由は「火炙りにされるのは魔女だけだから」。
昔、”魔女狩り”なるものが行われていたかもしれないお国らしいと思いました。
一人息子は都会に出て出世しております。
なので、お金の問題では無く、手間をかけさせたくないという母心からの終活なのですが、この親子の距離はもうすぐ母親が天国へ旅立とうとしても変わらないところがロシア風味なのかな~?
原題には「解凍された鯉」という意味があるそうです。(”Karp”とありますね。プロ野球の広島東洋は”carp”ですが)
映画の中でもかなり重要なポジションで登場する鯉ですが、死んだと思っていたら解凍したら蘇ったところがあり、何か期待させてくれるものがあったのですが・・・。
お婆ちゃんがどことなくミヤコ蝶々さん(若い人知らない)に似ていると思ってしまいました。
お肌がかなり綺麗でしたね。
ほんわか、のんびり、ゆったり鑑賞できる映画ですが、最後はもう少しひねりが欲しかったですね。
ですが、どこの国にもある高齢者問題や貧困格差など、しっかりとしたテーマは盛り込まれていたと思います。
成功した息子の初恋の女性がホームレスになっていてショックを受けるシーンは切なく感じました。