『SUNNY 強い気持ち・強い愛』
2018年製作/日本映画/上映時間:119分/PG12/2018年8月31日日本公開
監督:大根仁
出演:篠原涼子
小池栄子 ほか
2011年に製作された韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を篠原涼子、広瀬すずの主演、『バクマン。』の大根仁監督でリメイクした青春音楽映画です。
仲の良かったコギャルたちの22年後の姿を、1990年代の音楽やファッションを交えて描いていきます。
あらすじ
夫と高校生の娘と暮らす40歳の専業主婦、阿部奈美(篠原涼子)は、日々の生活に空しさを感じていた。一方、独身で39歳の社長・伊藤芹香は、ガンで余命1か月を宣告されてしまう。およそ22年ぶりに再会した芹香にもう一度みんなに会いたいと告げられた奈美は、ある事件が原因で音信不通になった仲良しグループ“SUNNY(サニー)”のメンバーを捜そうとする。
(シネマトゥデイより)
韓国映画『サニー 永遠の仲間たち』を、『バクマン。』などの大根仁監督がリメイクした青春ドラマです。
40歳の主人公とその高校生時代を『アンフェア』などの篠原涼子と『ちはやふる』などの広瀬すずが演じるほか、小池栄子、ともさかりえ、渡辺直美、池田エライザ、板谷由夏らが出演。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことで(ただ、まだ20日以上ありましたが・・・)、今回は本作を選びました。
オリジナル版は観ておりません。
かつて青春を謳歌した女子高校生の仲良しグループ 「SUNNY」のメンバー6人は、約22年の時を経て それぞれ問題を抱える大人になっていた。何不自由ない生活を送っていた専業主婦の奈美は、ある日、久しぶりにかつての親友・芹香と再会するが、彼女は末期ガンに冒されていた。
「死ぬ前にもう一度だけ、みんなに会いたい」。 芹香の願いを叶えるため、奈美が動き出す。裕子、心、梅、そして奈々…、 かつての仲間は無事、芹香の前に再集結できるのか?
いい映画だと思いました。
感動的で涙するシーンもありました。
ですが、本作が悪いワケでは無いのですが、前日に完ぺきな映画を観たあとだっただけに、『イニシェリン島の精霊』に比べると普通に感じてしまいます。
まだ配信終了まで20日以上あったので、いっそ、ワースト級の評価の日本映画(それは日本映画宝庫ですからね。Netflix、Amazonプライムビデオ、山のようにあります)にしておけばと思ってしまいました。
良かったところ。
リリー・フランキーさんの演技は安心して観ていられますね。(それが一番?)
続いて広瀬すずちゃんのお兄さんがエヴァ・ヲタ。(それは単に自分と同じだからじゃねぇか?)
高校時代の芹香を演じた山本舞香さんが印象に残る演技を披露しておりました。
彼女の演技は初めて観たのですが、良かったと思いました。
どうでもいいことですが、サイン入りカレンダー持っております。
すずちゃんはいつも通り魅力的でした。
全体的に有名どころの出演者は悪く無かったと思います。
・・・ただ、この映画はどう言った世代の人に向けられたものか難しいところがありました。
主人公たちのように’90年代コギャルと呼ばれた世代なのか?
だとしたら、その時代に青春を謳歌していた人たちに失礼と思える描写の多さに少し驚きと苛立ちがありました。
すずちゃん演じる奈美が転校してきたとこ、担任の教師が教室に入ってきても誰一人教師の言うことを聞かない。
それを叱らず転校生の紹介を始める教師も凄いと思ってしまいました。
完全にヤンキーしか存在しない学校。
転校生へのイジメは定番ですが、この時代のコギャルの”黒歴史”とも言える援助交際やブルセラなどを「懐かしき思い出」みたいに描いてしまったのはよろしく無いように思いました。
未成年の飲酒シーンがあるためPG12指定になった本作。
エンドクレジットで「未成年の飲酒は法律で禁止されております」と断り書きが出ますが、それよりまずい校内でのドラッグ使用、それをすずちゃんにも飲ませようとするシーンには、「これは日本が舞台なのか?」と思ってしまいました。
飲酒よりそちらを強く禁止するよう注意書きするべきでしたね。
池田エライザさんの美貌はすばらしいです。
すずちゃんとは違う魅力があると感じました。
ですが、「関西人が嫌い」という理由で最初はすずちゃんに冷たいエライザさん。
おそらく震災の影響から上京してきたと思われる人に冷たい態度と言うのもどうかと思いましたが・・・。
奈美の初恋(だと思います)のDJを演じた三浦春馬さん。
カッコよさと高い演技力。
本当にすばらしい俳優さんでした。
こうして過去形で書かなければならないのが本当に辛いです。
そのDJにカノジョがいて、奈美の初恋は砕けて散ってしまうのですが、これが相手といい、なんの前触れも無く、本当に唐突過ぎます。
主人公の奈美だけ、それなりに幸せな人生を送っておりますが、ほかのSUNNYの人たちは末期がん、ブラック企業勤め、夫の浮気、美容師廃業で水商売・・・など、なんか不幸の大安売りで、この辺りは日本映画節全開と言ったところ。
その末期がんで死んでしまう芹香が遺した財産と遺言状が『犬神家の一族』の犬神佐兵衛真っ青の凄いものでビックリ!
感動的・・・とも捉えられるものかもしれませんが、どちらかと言うとご都合主義が強い印象でした。
小室哲哉氏が音楽を担当し、trfや安室奈美恵さんを崇拝するようにマインドコントロールしているかと思ってしまう内容でした。
ただ、私はアニメ・ヲタなので、安室奈美恵さんよりアムロ・レイで、同じ小室哲哉さんですと、あのサイコ・フレームの光のあとの「BEYOND THE TIME~メビウスの宇宙を越えて~」の方が好きなので、音楽はあまり乗れなかったです。
おばさんパート(←失礼)の女優さんたちは全員良かったですが、高校時代のメンバーはすずちゃん、エライザさん、山本舞香さん以外が薄口過ぎて、誰が誰になったのか分かりづらかったです。
最後に登場する人物の顔のキズがキレイに消えていたのはシャア・アズナブルへの当てつけか?