『いのちの停車場』
2021年製作/日本映画/上映時間:119分/G/2021年5月21日日本公開
監督:成島出
出演:吉永小百合
広瀬すず ほか
作家としても活躍する現役医師・南杏子の同名小説を『八日目の蝉』などの成島出監督が映画化し、吉永小百合が自身初となる医師役に挑んだ社会派ヒューマンドラマです。
あらすじ
長年にわたって大学病院で救命救急医として働いてきたものの、父・達郎(田中泯)が暮らす石川県の実家に戻ってまほろば診療所に勤めることにした白石咲和子(吉永小百合)。院長・仙川徹(西田敏行)、看護師・星野麻世(広瀬すず)、そして大学病院の事務職を辞めて咲和子を追ってきた野呂聖二(松坂桃李)らとともに、在宅医療を通して患者と接していく。救命救急とは違う医療の形に戸惑っていた咲和子だったが、次第に在宅医療だからこそできる命の向き合い方があることを学ぶ。
(シネマトゥデイより)
現役医師でもある作家・南杏子の小説を原作にしたヒューマンドラマです。
在宅医療を行っている診療所に勤めることになった元救命救急医が、さまざまな患者と向き合っていく姿が描かれます。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
本日、6月19日は広瀬すずちゃん、25歳のお誕生日です!
お祝いの気持ちで出演作を・・・と思ったのですが、未見で配信中の作品が『怒り』(2016)と本作だけで、上映時間でこちらを選んでしまいました。
すずちゃんも、もう25歳ですか・・・?
お誕生日おめでとうございます!
東京の救命救急センターで働いていた、医師・白石咲和子は、ある事件の責任をとって退職し、実家の金沢に帰郷する。
これまでひたむきに仕事に取り組んできた咲和子にとっては人生の分岐点。 父と暮らしながら「まほろば診療所」で在宅医師として再出発をする。
院長の仙川徹と訪問看護師の星野麻世、東京から咲和子を追いかけてきた野呂と共に、咲和子は様々な事情から在宅医療を選び、治療が困難な患者たちと出会っていく。 これまで「命を救う」現場で戦ってきた咲和子が「命をおくる」現場で見つけたものとは・・・?
ファンは”サユリスト”と称されるほどの人気を誇る日本の映画スターの吉永小百合さん。
私の母もサユリストでした。
何か、この方と長○茂雄氏を悪く言うことは日本人として「けしからん」ような風潮、規則、忖度のようなものが存在しているところが、自分は何とも言えない感情を持っております。
なぜかと言うと、どちらも好きでは無いからです。
2023年6月19日現在で年齢78歳と考えると、このルックスは驚愕ですが、この方はどちらかと言うと若かりし日から”演技派”の女優さんでは無かったので、さすがにこの年齢で美人で売るのも辛いです・・・。
小百合さんを初めて観た作品はテレビで放映されていた『動乱』(1980)。
当時、松坂慶子さんと並ぶ日本の美人女優さんでしたが、松坂慶子さんは「ウルトラセブン」出演の経験があってか、演技力は高く、お二人は違う路線を歩んでいくようになります。(「ウルトラセブン」関係ないんじゃない?)
何本か作品を観ておりますが、正直松坂慶子さんと比べ、「上手いな~」と思ったことは少ないです。
ほとんどが主役を演じているのですが、「主演がこの演技では・・・」と思うことも多かったです。
ですが、この女優さんの魅力を最大限発揮させる映画監督がおりました。
故・市川崑監督です。
小百合さん、映画出演99作目の『映画女優』(1987)で、往年の日本映画女優、田中絹代さんを演じましたが、魂を揺さぶられるほとの名演でした。
続く記念の100本目の『鶴-つる-』(1988)も市川崑監督がメガホンを取っております。
もうひとつ、小百合さんの作品で「良かった」のが1981年、1982年、1984年とNHKで放映された「夢千代日記」という作品です。
故・早坂暁氏が脚本を担当したドラマで、シリーズ3作製作され、自分が観たのは3作目の「新 夢千代日記」だけ(シン・夢千代日記」ではありません)でしたが(故・松田優作さんが出演していた理由で母に付き合って観ておりました)、このドラマは小百合さんの代表作で、とても良かったです。
キャリア66年ですが、キネマ旬報で女優賞を受賞したことがありません。
皮肉に聞こえてしまいますが、『母と暮らせば』(2015)で共演した37歳年下の二宮和也さんは、この作品でキネマ旬報最優秀主演男優賞を受賞しております。
(Wikipediaを参考にさせていただきました)
せっかくのすずちゃんのお誕生日ですが、まったく褒めるところの無い駄作で、終始苦笑しながらの鑑賞でした。
本当にすずちゃんが気の毒に思えて仕方ありませんでした。
もう「吉永小百合にいい役を演じさせる」、「吉永小百合に主役を演じさせる」という日本映画界の忖度全開で作られた映画なので、サユリスト以外喜ばない映画になっております。
小百合さん演じる在宅医師は原作の設定では60代後半らしいのですが、小百合さんはすでに70代後半。
在宅医師を演じる年齢より、在宅看護を受ける年齢に近いです。
その小百合さんと同じ1945年生まれの田中泯さんが親子(誕生日も小百合さん3月13日、田中さん3月10日と3日しか違わない)という設定もかなりムリがあります。
※ちょっとだけネタバレ。※
ラストに病気で寝たきりになっている父親に朝日を見せ「お父さん、きれいな朝日よ」と言うシーン。
まったくもって意味不明。
製作に朝日新聞があるからか?
いっそ、『グレムリン』みたいに朝日を見て「ヤムヤム」と言って溶けてしまったら笑えて面白かったのに・・・。
松坂桃李さんとすずちゃんは安定した演技で良かったです。
でも、こんな映画に出演させられ、本当に気の毒で仕方なかったです。
感動の押し売りは日本映画の専売特許ですが、全部間違った方向へ・・・。
柳葉敏郎さん演じる末期がんの患者が亡くなる直前、疎遠だった息子に会いたいと言い出します。
しかし、息子は現れない。
そこで小百合さん演じる医師は松坂桃李さんに息子になりすましてもらう。
息子に会えた思い、喜んで天国へ旅立つ柳葉さん。
・・・って、これっ、ほとんど詐欺で犯罪じゃないの?
小児がんの子どもを救いたくて、愛車のメルセデスを売り「これで(高額の)薬を」と言い出す見習い医師の松坂桃李さんの呆れた行動。
また、偶然町で再会した憧れの先生とツーショットを取り、天国へ行ってしまった石田ゆり子さん。
そのスマホの待ち受けを娘さんから見せてもらうのですが、小百合さんとのツーショットが・・・。
ふ、普通、自分の写真を待ち受けにするなら娘さんとのツーショットのように思うのですが。
これで、「感動しやがれ!」というシナリオライターと監督のセンスに唖然呆然。
在宅医師はある意味、患者さんの臨終に付き合う仕事のように思います。
それだけに、命の重さや、亡くなる人の気持ち、遺された家族の思いなどを描かなければいけない映画・・・にも関わらず、プリキュ○(だと思う)の玩具の宣伝映画になっていて、東映とバンダ○の絆の深さに感動の涙でした。(もちろんウソです)
ちなみに本日はゾーイ・サルダナの45歳のお誕生日でもあったのですが、先日『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』観たばかりなので、今回はすずちゃんを優先させてしまいました。
吉永小百合さんは年齢に合った役を演じてもらいたいです。
これまた余談ですが、小百合さんは○嶋茂雄さんの大ファンだったのですが、江川事件で読売が嫌いになり、親交のあった堤義明氏の西武ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)を応援するようになり、読売にドラフト会議で裏切られた清原和博の大ファンに。
日本シリーズでの涙に感動し、FAで笑顔で読売に移籍した清原に、「あの涙は何だったの?」と悲しんだそうです。
清原も小百合さんの気持ちを重んじていれば、あんなこと起こさなかったかもしれなかったのにね。
ちなみに、本作に(清原よりは軽いですが)伊勢谷友介さんも出演しております。(撮り直しはできなかったみたいですね)
このエピソードは小百合さん、高く評価したいところです。(「・・・?」)