One today is worth two tomorrow.

当ブログへ起しいただき、心から感謝いたします。映画の感想やスポーツ観戦の記事、写真中心のブログです。

『スプリット』

『スプリット』

原題:Split

 

2017年製作/アメリカ映画/上映時間:117分/G/2017年5月12日日本公開

 

監督:M・ナイト・シャマラン

出演:ジェームズ・マカヴォイ

   アニャ・テイラー=ジョイ

   ベティ・バックリー ほか

 

シックス・センス』などのM・ナイト・シャマランが監督、製作、脚本をこなして放つスリラーです。

女子高校生たちを連れ去った男が、23もの人格を持つ解離性同一性障害者だったという衝撃的なストーリーが描かれます。

 

あらすじ

 

高校生のケイシー(アニャ・テイラー=ジョイ)は、クラスメートのクレア(ヘイリー・ルー・リチャードソン)の誕生パーティーに招待される。帰りは、彼女とクレアの親友マルシアジェシカ・スーラ)をクレアが車で送ってくれるが、途中で見ず知らずの男性(ジェームズ・マカヴォイ)が車に乗り込んでくる。彼に拉致された三人は、密室で目を覚まし……。

シネマトゥデイより)

 

シックス・センス』のM・ナイト・シャマランが、ジェームズ・マカヴォイを主演に迎えてメガホンを取ったサイコスリラーです。

パラノーマル・アクティビティ』、『インシディアス』など人気ホラー作品を手がけるジェイソン・ブラムが製作を務めております。

 

dTVにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

今、注目の若手女優のアニャ・テイラー=ジョイお目当てで本作を選びました。

シャマランは・・・ハッキリ言って苦手。

 

見知らぬ男に拉致され、密室に閉じ込められた女子高校生3人組は、監禁場所で神経質な雰囲気を漂わせた男を目にする。男が部屋から立ち去り、必死に脱出方法を思案している最中、ドアの外から男と女が会話する声を耳にした3人は助けを求めて声を上げるが、そこに現れたのは、女性の服に身を包み、女性のような口調で話す先ほどの男だった。

 

男には23もの人格があり、9歳の少年やエレガントな女性など、ひとりの体の中で人格が激しく入れ替わっていく。そして、そんな男に24番目の人格が現れ・・・。

シックス・センス』は本当に衝撃的な作品でした。

ありきたりの心霊ホラーの枠を超えたこの作品はアカデミー賞作品賞候補になりました。

もの凄い逸材が現れた!

そのとき思いました。

続いて鑑賞した『アンブレイカブル』。

・・・目が点になってしまいました。

私の後ろの座席のお兄ちゃんが上映後「つまんねぇ~なぁ、ふざけんなよ!」と怒鳴っておりました。

 

この作品は『アンブレイカブル』の続編で、ラストにブルース・ウィリスが登場いたします。

実を言いますと、それは知っていての鑑賞で、本作の続編『ミスター・ガラス』はブルース・ウィリスの映画を紹介したいと思っていたとき候補の作品でした。

ただ、そのときは本作は未見だったので、別の作品を選択してしまいました。

『ミスター・ガラス』は・・・、もう毒食わば皿までで観ることにいたします。

 

前作にあたる『ヴィジット』辺りから”シャマラン完全復活”という言葉が踊り出します。(この映画観るのが怖くて。ホラーが苦手という意味では無く)

2002年『サイン』。・・・野球の「打て」のサインだったのね。

2004年『ヴィレッジ』・・・あ、頭が痛い。

2006年『レディ・イン・ザ・ウォーター』・・・幸いに未見。

2008年『ハプニング』・・・もう、シャマランとは別れようと決意

 

したのですが、2013年の『アフター・アース』を魔が差してAmazonプライムビデオにて鑑賞してしまいました。(こんな息子を売り出す酷い映画を作る方が暴力ですよ、ウィル・スミスさん)

この間の2010年の『エアベンダー』はネコのミュージカルと並び21世紀ワーストの呼び声が高いですね。

 

多重人格者(解離性同一性障害者)の異常者という設定、面白くなりそうなのに、ならない。

女性の人格が登場したとき、ヒッチコックの『サイコ』だったらぞっとするほど怖かったのですが、本作は坊主頭のジェームズ・マカヴォイなので、女装が似合わず思わず吹き出してしまいました。

 

シネマトゥデイの短評も賛否両論。

肯定派のレビューに「『キャリー』へのオマージュ」なることを書かれていた人がおりましたが、キングが怒ってしまいますよ、こんな酷いシナリオと一緒にされたら。

 

一服の清涼剤とも言える、アニャ・テイラー=ジョイの美しさ。

これだけが本作唯一良かったと言えるところかもしれません。

『ウィッチ』も良かったですが、本作も良かったです。

彼女の作品は今月~来月にかけて2~3本鑑賞予定なので、そちらも楽しみです。

 

ただ、アニヤ演じるケイシーの少女時代がフラッシュバックのように映し出されているのですが、当然何かの伏線だと思っていたら、全然違いました。

さすが思わせぶりだけは超一流のシャマランと言わざるを得ません。

 

最後に目覚めてはいけない24番目の人格が登場。

・・・な、なんすか、超人ハルクスパイダーマン

マカヴォイはX-MENじゃ無かったっけ?

マーベルにケンカ売っているの?

 

数日間、陽の当たらない部屋に監禁されていたにも関わらず最後まで美貌を貫いたアニャ・テイラー=ジョイにあっぱれです。

次回、『ミスター・ガラス』でお会いしましょう。

 

 

『ブレードランナー ファイナル・カット』

ブレードランナー ファイナル・カット』

原題:Blade Runner: The Final Cut

 

2007年製作/アメリカ映画/上映時間:117分/G/2019年9月6日IMAX版日本公開

 

監督:リドリー・スコット

出演:ハリソン・フォード

   ルドガー・ハウアー

   ショーン・ヤング ほか

 

SF映画の金字塔として誉れ高い、巨匠リドリー・スコットの1982年監督作『ブレードランナー』に、最新技術のデジタル処理を加えた“ファイナル・カット”版です。

近未来のLAを舞台に、人間に反旗を翻したアンドロイド“レプリカント”たちと、捜査官の死闘が描かれます。

 

あらすじ

 

放射能で汚染された2019年のロサンゼルスで、高度な知能と強靭な肉体を持った、人間とほぼ同じ外見をしているアンドロイド“レプリカント”が、人間を殺害して逃亡を図った。そのレプリカントの解体処分が決定され、レプリカント抹殺専門の賞金稼ぎであるデッカードハリソン・フォード)が、単独で追跡調査を開始するが……。

シネマトゥデイより)

 

SF映画の金字塔『ブレードランナー』を、初公開から25年を迎えた2007年にリドリー・スコット監督自らが再編集とデジタル修正を施してよみがえらせたファイナルカット版です。

主演は『スター・ウォーズ』シリーズのハリソン・フォード

2017年10月に続編『ブレードランナー 2049』が公開されております。

 

4K Urtla HD BDにて鑑賞。

初公開版から、もう何回目の鑑賞になりますか・・・?

 

本日、7月13日はハリソン・フォード、80歳のお誕生日です。(1942年生まれ)

お祝いの気持ちを込めまして、今回は本作を選びました。(『レイダース~』と迷ったのですが)

HappyBirthday!

 

酸性雨で荒廃した2019年のロサンゼルス。人間にそっくりな外見を持つ人造人間「レプリカント」たちが植民地惑星から逃亡してきた。レプリカント専門の捜査官「ブレードランナー」のデッカードが追跡を開始するが・・・。

 

ハリソン・フォード。(Harrison Ford)

1942年7月13日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれ。

 

ウィスコンシン州の地元劇団での活動を経て、本格的な俳優を目指しロサンゼルスへ。

1966年に映画デビューを果たしますが、充分な役柄に恵まれず大工に転職いたします。

 

大工仕事を通じて知り合った映画プロデューサーの紹介を受け、1973年、『アメリカン・グラフィティ』に出演。

自らの役柄にアイディアを出すなど積極的な姿勢を評価され、監督のジョージ・ルーカス、製作のフランシス・フォード・コッポラの信頼を得ます。

 

1977年、ふたたびジョージ・ルーカスの目にとまり、『スター・ウォーズ』のハン・ソロ役に選ばれ、映画の世界的大ヒットと共に一躍大スターに。

 

1981年にはジョージ・ルーカス製作、スティーヴン・スピルバーグ監督によるアドベンチャー映画『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』の主人公・インディアナ・ジョーンズを演じ、こちらも大ヒットを記録。

 

1985年の『刑事ジョン・ブック/目撃者』で正義感の強い刑事を演じ、その年のアカデミー賞にノミネートされます。

 

1992年にトム・クランシー原作の『パトリオット・ゲーム』でジャック・ライアンを演じ、三度目の当たり役になります。

 

飛行機とヘリコプターのライセンスを持ち、過去に人命救助を行ったことがあります。

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

本当にヒーローと呼ぶのが相応しいカッコいい俳優です。

お気に入りは数多くありますが、やはり『インディ・ジョーンズ』シリーズですね。

 

1982年のオリジナル版は映画会社の重役たちを怒らせるくらい難解かつ暗い内容で、仕方なくリドリー・スコットハリソン・フォードはナレーションで主人公の心情を語らせ、ラストもとってつけたようなハッピーエンドに。

のちにリドリー・スコットは「バカげた終わり方だ」と言っております。

 

1982年、小泉今日子さんを始めアイドル全盛期に誰ひとり目もくれず、ハリソン・フォード大好き人間(ゲイではありません)だった自分はガラガラの新宿の映画館で初公開ヴァージョンを鑑賞。

裏事情などまったく知らなかったので、今まで観たことの無い世界観やシド・ミードの美術などに酔いしれました。

 

その後、レンタルビデオレーザーディスクなどで鑑賞。

1992年10月に『ディレクターズ・カット ブレードランナー 最終版』が劇場で公開になります。

これを観たとき、今まで観ていた『ブレードランナー』がお子さま向けのように思え、ユニコーンのシーンと余韻が無いと非難されているラストシーンに衝撃を受けました。

これを観てから、オリジナル版は一切観ておりません。

 

原作はフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。

ディックは映画完成を待たず1982年3月に亡くなられておりますが、ラッシュフィルムを観て「小説の世界観がよく出ている」と気に入ったそうです。

 

全部で5つのヴァージョンがある『ブレードランナー』。

この『ファイナル・カット』はほかと何が違うのかを少し。

 

ジェイソンのようなホッケーマスクをしたダンサーがチャイナタウンで踊るシーンが追加されております。

ゾーラ役のジョアンナ・キャシディが撃たれるシーン、『ディレクターズ・カット』までは男性スタントの顔になっていたのですが、25年経って、ジョアンナの協力を得てゾーラの顔に変わったそうです。

 

それ以外の本作の裏ネタを。

 

ブレードランナー』というタイトルはウィリアム・S・バロウズの小説から拝借したもので、当初のタイトルは『デンジャラス・デイズ』。

 

ハリソン・フォード演じるディカードが「4つ」と注文するものはエビ天だそうです。

 

先ほど紹介したシーンでディカードは映画史上初めて女性の背中を撃ったキャラクターになったと言われております。

 

ダリル・ハンナ演じるプリスがJF・セバスチャンと出会うシーンでセバスチャンのバンの窓ガラスに手をぶつけ割るシーンがありますが、これはアクシデントでよろけてしまったダリル・ハンナが思わず手をぶつけてしまったそうで、何針も縫う大ケガをしたそうです。

それでも演技を続けたのは本当にプロフェッショナルですね。

 

終盤、ルドガー・ハウアー演じるバッディが白い鳩を持つシーンは彼のアイディアだそうです。

 

ストーリーは暗い。

画面も暗い。

いつも雨が降っている。

ヒーロー(であるはずの主人公)は悪(と思われる相手)にコテンパンにやられる。

 

これまでの映画の概念を覆し続ける物語や映像、設定は1982年の初公開時はもとより、この映画の舞台となった2019年を過ぎてしまった今でも受け入れられない人が多いです。

 

しかし、だからこそ、コアな映画ファンに愛され続けている本作。

「すべての思い出は消えていく。雨の中の涙のように・・・」。

 

人の命はどこからやって来て、そしてどこへ行ってしまうのだろう?

この作品を観るたびに、そのようなことを考えてしまいます。

 

2019年、映画の舞台と同じ年にルドガー・ハウアーが亡くなられております。

視覚効果を担当したダグラス・トランブル、音楽のヴァンゲリスも亡くなられております。

 

映画はたしかに万人向けするに作ってはおりません。

しかし、CGが無い時代にここまで精巧なセットや美術を作り出したこと、個性的な登場キャラクターなど、見どころは多い作品だと思います。

2018年キネマ旬報「1980年代外国映画ベストテン」で第1位に輝いた本作。

何度でも観てもらいたいSF映画の名作です。

「分かってくださいよ」。

 

 

『ある画家の数奇な運命』

『ある画家の数奇な運命』

原題:Werk ohne Autor

 

2018年製作/ドイツ映画/上映時間:189分/R15+/2020年10月2日日本公開

 

監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク

出演:トム・シリング

   セバスチャン・コッホ

   パウラ・ベーア ほか

 

芸術家ゲルハルト・リヒターの半生をモデルにした人間ドラマです。

ナチス政権下から激動期のドイツを舞台に、芸術の自由と自分だけの表現方法を追い求める芸術家の姿が描かれます。

 

あらすじ

 

芸術を愛する叔母(ザスキア・ローゼンダール)の影響で絵画に興味を抱くクルト(トム・シリング)は、精神を病んだ彼女をナチス政権の安楽死政策によって殺されるというつらい過去を抱えていた。彼は東ドイツの美術学校で叔母を思わせる面持ちのエリー(パウラ・ベーア)と恋に落ちるが、彼女の父(セバスチャン・コッホ)は叔母の死に関わった元ナチス高官だった。その事実を知らないままクルトはエリーと結婚。芸術の自由を求めて彼女と西ドイツに亡命し、創作活動に没頭する。

シネマトゥデイより)

 

長編監督デビュー作『善き人のためのソナタ』でアカデミー外国語映画賞を受賞したフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク監督が、現代美術界の巨匠ゲルハルト・リヒターをモデルに、ドイツの激動の時代を生きた芸術家の半生を描いた人間ドラマです。

2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門出品。第91回アカデミー賞では外国語映画賞と撮影賞にノミネート。

 

dTVにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

予告編を観て興味を持ち、鑑賞いたしました。

 

ナチ党政権下のドイツ。叔母の影響で幼い頃から芸術に親しむ日々を送っていたクルトは、終戦後に東ドイツの美術学校に進学し、エリーと恋に落ちる。エリーの父親は、精神のバランスを崩して強制入院し、安楽死政策によって命を奪われた叔母を死に追いやったナチ党の元高官だった。

しかし、誰もそのことに気づかぬまま、2人は結婚する。やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、エリーと⻄ドイツへ逃亡し、創作に没頭するが・・・。

 

とても見応えのある作品でした。

ナチスの恐怖政治、東西分裂のドイツ、ひとりの画家の生きざまとこれらが上手く混ざり合い、主人公が真実の芸術を見出すまでを描いた濃厚な3時間でした。

 

1937年、ナチスの支配する世界。

幼い主人公は大好きな叔母に「目をそらさないで。真実はいつも美しい」という言葉をいつまでも心に残していた。

しかし、その叔母とは残酷な別れを告げることとなります。

 

終戦後、間髪を入れず東ドイツ社会主義に飲み込まれることになる。

大人になった主人公は美術学校に通い、そこで叔母の面影を持った女性と恋に落ちます。

 

その彼女の父親こそが、叔母の死に関わった元ナチスの高官だった。

ですが、この映画は復讐物語では無く、美術に目覚めた青年の「美」を追求する成長の物語と言った内容になっております。

 

パウラ・ベーアが綺麗でした。

婚約者の友人』、『水を抱く女』もステキでしたが、本作も輝いておりました。

 

R15+指定の作品です。

理由はナチスの残虐さを描いたからと観る前は思っていたのですが、違いました。

かなりヌードシーンが多かったのが理由だと思います。

 

・・・何ですが、ヘンな意味では無く(と言ってもそう思われてしまいますが)、とにかくぼかしが多すぎます。

成人男女のアソコは致し方ないにせよ、生まれたばかりの赤ちゃんや絵画にまでぼかしを入れるというのはやり過ぎのような気がいたしました。

 

アートとは誰のために存在するのか?

そのようなテーマが描かれた作品のように思いました。

 

波乱の時代を駆け抜け、たどり着いた叔母の残した言葉「真実はいつも美しい」。

本当のアートはなかなか作者以外には分からないところがありますが、人の手に染まらない自分だけの描ける真実こそが芸術と呼べるのでは無いでしょうか?

しつこいですが、ポルノでは無いので、意味の無いぼかしは本当にやめてもらいたい。

作品に対する冒涜です。

 

 

『仮面病棟』

『仮面病棟』

 

2020年製作/日本映画/上映時間:114分/G/2020年3月6日日本公開

 

監督:木村ひさし

出演:坂口健太郎

   永野芽郁

   内田理央 ほか

 

現役医師で作家の知念実希人によるベストセラー小説を映画化。

凶悪犯が籠城した病院に残された医師らによる決死の脱出劇が繰り広げられます。

 

あらすじ

 

医師の速水(坂口健太郎)は、一日だけの当直医として元精神科病院に出向く。だがピエロの仮面をかぶった凶悪犯が突然押し入り、傷を負った女子大生の瞳(永野芽郁)と院内に立てこもる。速水は、身元のわからない64人の入院患者や病院の職員らと一緒に監禁されてしまう。

シネマトゥデイより)

 

知念実希人のミステリー小説の映画化です。

監督は『屍人荘の殺人』の木村ひさし。

主演をドラマ「シグナル 長期未解決事件捜査班」などの坂口健太郎、ヒロインをNHK連続テレビ小説半分、青い。」などの永野芽郁が務めております。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

本日、7月11日は坂口健太郎さん、31歳のお誕生日です。(1991年生まれ)

お祝いの気持ちを込めまして、今回は本作を選びました。

お誕生日おめでとうございます。

 

先輩医師から頼まれて一夜限りの当直をすることになった速水だったが、その夜、ピエロの仮面をつけた凶悪犯が病院に立てこもり、速水らは病院に閉じ込められてしまう。

 

犯人に銃で撃たれて傷を負った女子大生の瞳を治療した速水は、瞳とともに脱出を試みるが、かたくなに通報を拒む院長や、院長とともに何かを隠している様子の看護師、さらには身元不明の入院患者や隠された最新鋭の手術室など、次々と不可解な事態に直面する・・・。

映画.comに”坂口健太郎さん映画単独初主演”とありましたが、『今夜、ロマンス劇場で』も主演と言えると思うのですが、やはり格として綾瀬はるかさんが主役になってしまうみたいですね。

本作も正直、単独では無く、永野芽郁さんとのW主演のように思いました。

 

私が坂口健太郎さんの出演作品で鑑賞しているものは、『海街diary』(どこに出ていたのか忘れました)、『ヒロイン失格』、『高台家の人々』、『ナラタージュ』、『今夜、ロマンス劇場で』、そして今回の本作。

・・・坂口さん、と言うより事務所の方たち。

もう少し作品選び、慎重に行きましょうよ。

坂口さん、気の毒過ぎます。

※ここからネタバレ全開で書きますので、これからご覧になられる方はご注意を。※

 

とあるコンビニでピエロのマスクを被った男の強盗事件が発生。

逃走中、ある女性を銃撃。

そのマスクの男が田所病院に乱入。

病院をジャックします。

・・・で、その男はなぜか銃撃した女性を連れており、「この女を治療しろ」とたまたまその日当直になっていた速水医師に命令。

お、おかしいと思いますよね、普通。

治療を施したい女性を撃ったりしないと思いますが。

速水医師を含め4人いた病院関係者、誰ひとり怪しいと思わない。

謎だ・・・。

 

ピエロの犯人の行動がバカ過ぎ。

すべての電話線を遮断し、ケータイらも取り上げたのはいいのですが、何者かに警察に通報されてしまう。

それで事件がマスコミにも知られテレビのニュースで放映されているのですが、その様子を最前列で観ているピエロ。

後ろには病院関係者。

・・・敵に背中見せてはまずいでしょう?

しかも高嶋政伸さん演じる医院長、メスを手にしていたのですから。

でも、誰もピエロのテレビ鑑賞を邪魔しない、優しい人質の皆さん。

 

病院に入院している患者のほとんどが認知症を患っている老人たち。

ピエロが銃をぶっ放していても気づかない。

でも、CDの音楽には敏感に反応する。

認知症の患者さん、悪く描き過ぎ。

 

そんな爺ちゃん婆ちゃんばかりの患者の中に若い女性いれば、嫌でも顔覚えるはずなのですが・・・。

 

なぜ病院で寝たきりの女性がリボルバーとベレッタという2丁の拳銃を簡単に手に入れられたのか?

普通に歩くことができる人でもなかなか手に入れるのは難しい品物なのですが・・・。

 

もう、誰か分かる人、教えて~。

 

堤幸彦監督を師に持つ木村ひさし監督(師も師なら、弟子も弟子だ)。

『屍人荘の殺人』(浜辺美波ちゃんの大ファンの自分には大ショックだった)に次ぐ、珍品映画の誕生です。

 

拳銃で撃たれた患者が自分の脚で歩き回る。

これも絶対あり得ない。

なぜ先生はせめて車イスくらい用意しないのか?

 

配給はWB(ワーナー・ブラザース)。

『IT』、『ジョーカー』ときて、次なるピエロがこれ。

まさしく道化となった映画でした。

坂口さん、せっかくお誕生日に申し訳ありません。

 

 

 

『レミニセンス』

『レミニセンス』

原題:Reminiscence

 

2021年製作/アメリカ映画/上映時間:116分/PG12/2021年9月17日日本公開

 

監督:リサ・ジョイ

出演:ヒュー・ジャックマン

   レベッカ・ファーガソン

   タンディ・ニュートン ほか

 

グレイテスト・ショーマン』などのヒュー・ジャックマン主演のSFサスペンスです。

ダークナイト』などクリストファー・ノーラン作品で脚本を担当してきた、クリストファー・ノーランの弟ジョナサン・ノーランが製作を手がけ、ジョナサンの妻でテレビシリーズ「ウエストワールド」のクリエイターとして知られるリサ・ジョイが監督を務めております。

 

あらすじ

 

世界中が海に沈んでしまった近未来。他人の記憶に潜入する能力を持ったエージェントのニック(ヒュー・ジャックマン)のもとに、検察からある仕事が舞い込む。それは瀕死の状態で発見されたギャングの男性の記憶に潜入し、謎の多い新興ギャング組織の正体と目的を探るというものだった。男の記憶に登場する女性メイが、鍵になる人物だとにらむニック。彼女を追ってさまざまな人の記憶に潜入していくが、その裏では巨大な陰謀がうごめいていた。

シネマトゥデイより)

 

ヒュー・ジャックマンが記憶に潜入するエージェントに扮したSFサスペンスです。

世界中が海に水没した近未来を舞台に、他者の記憶に潜入したエージェントが凶悪事件の鍵を握る女性の行方を追う姿が描かれます。

『ドクター・スリープ』などのレベッカ・ファーガソン、『リトリート・アイランド』などのタンディ・ニュートンが共演。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

新作レンタル¥100だったので、「観てみようかな?」と思いレンタルいたしました。

ヒュー・ジャックマン主演と予告編以外の予備知識無しでの鑑賞です。

 

多くの都市が水没して水に覆われた世界。記憶に潜入し、その記憶を時空間映像として再現する「記憶潜入(レミニセンス)エージェント」のニックに、検察からある仕事が舞い込む。それは、瀕死の状態で発見された新興勢力のギャング組織の男の記憶に潜入し、組織の正体と目的をつかむというものだった。

男の記憶から映し出された、事件の鍵を握るメイという名の女性を追うことになったニックは、次々とレミニセンスを繰り返していく。しかし、膨大な記憶と映像に翻弄され、やがて予測もしなかった陰謀に巻き込まれていく・・・。

 

映画を観ていて、かなり『インセプション』を意識しているな~と思いました。

エンドクレジットで”ノーラン”の名前を見つけ、クリストファー・ノーランと関係あるのかな?と思ったら弟でした。

 

映画の雰囲気はSFハードボイルド風。

 

LOGAN/ローガン』でウルヴァリン役を卒業してしまったヒュー・ジャックマン

その後、ヒット作もありましたが、どちらかと言うとパッとしない作品が多いように思います。

 

水没してしまった近未来の世界という設定なのですが、なぜ水没したかは説明無し。

 

そんな世界で、記憶潜入エージェントのヒュー・ジャックマン演じるニックは謎多きミステリアスな美女、メイを追う・・・。

ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』同様、レベッカ・ファーガソンがミステリアスな美女を演じております。

 

・・・何か観ていて、いろんな作品の劣化コピーを鑑賞している気分になってしまいました。

全体的なプロセスは『インセプション』。

それ以外では『ブレードランナー』(鳩を持つシーンがあります)、レベッカ・ファーガソンが赤いドレスで唄うシーンは『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』、観覧車の登場場面は『第三の男』などなど。

 

メイを追い続けるため、何度も何度も記憶に潜入するニック。

ここまで来ると、ちょっとアブナイストーカーのように思えてしまいます。

「メイのバカ、もう知らない!」というセリフはありませんでした。(←トトロじゃないので)

 

「過去を振り返っていても先に進めない。未来に目を向けなさい」と私も病院の先生に言われたことがありますが、この主人公は過去に未練タラタラ。

まったく前へ進もうとしません。

 

ロマンチック&ハードボイルド&SFアクション。

これがすべて上手くいったのが『ブレードランナー』ですが、すべて失敗してしまったのが本作です。

あまりの酷さに米エンターテイメント・ウィークリーが選ぶ2021年ワースト映画5本に選ばれてしまいました。

 

希望が見えない現代社会、明るかった過去にすがりたい気持ちも分かりますが、先ほど書いたとおり、それでは前へ進めません。

例えがヘンですが、絶望的だった『Q』から希望を持てる『シン』へ話しを変化させた『エヴァンゲリオン』。

いつまでも消えた美女に未練タラタラの主人公に「シンジを見習え」と言ってやりたかったです。

 

 

『町田くんの世界』

町田くんの世界

2019年製作/日本映画/上映時間:120分/G/2019年6月7日日本公開

 

監督:石井裕也

出演:細田佳央太

   関水渚

   岩田剛典 ほか

 

舟を編む』などの石井裕也監督が、第20回手塚治虫文化賞新生賞を受賞した安藤ゆきの漫画を映画化した青春ストーリーです。

主演は、1000人を超える応募者の中からオーディションで選ばれた細田佳央太と関水渚

 

あらすじ

町田くん(細田佳央太)は運動や勉強が不得意で見た目も目立たないが、困っている人を見過ごすことのできない優しい性格で、接する人たちの世界を変える不思議な力の持ち主だった。ある日、町田くんの世界が一変してしまう出来事が起こる。

シネマトゥデイより)

舟を編む』、『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』の石井裕也監督が、「別冊マーガレット」に連載され、第20回手塚治虫文化賞で新生賞を受賞した安藤ゆきの同名コミックを実写映画化した作品です。

主人公の2人に新人の細田佳央太と関水渚を抜てき。

その脇を、岩田剛典、高畑充希前田敦子、太賀、池松壮亮戸田恵梨香佐藤浩市北村有起哉松嶋菜々子と主役級キャストが固めております。

 

dTVにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

本日、7月10日は前田敦子さん、31歳のお誕生日です。(あっちゃん、もう31!)

お祝いの気持ちを込めまして、今回は本作を選びました。

お誕生日おめでとうございます。

私のことは嫌いでも、私のブログは嫌いにならないでください。(涙)

 

そして、池松壮亮さん、1日遅れになってしまいましたが、お誕生日おめでとうございます。

『シン・仮面ライダー』楽しみにしております。(それは昨日も書いた)

 

運動も勉強も苦手で、見た目も地味で、何も取り柄がなさそうに見える町田くんには、人を愛することにかけてズバ抜けた才能があった。困った人のことは絶対に見逃さず、接した人々の心を癒し、世界を変えてしまう不思議な力をもつ町田くん。

 

しかし、そんな彼の前に現れた女の子・猪原さんは、これまでの人々とは違っていた。初めてのことに戸惑い、自分でも「わからない感情」が胸に渦巻く町田くんだったが、「わからないことから目を背けてはいけない」という父親の言葉を胸に、「わからない」の答えを求めていく・・・。

前半から中盤にかけて、かなり笑わせてもらいました。

町田くんの天然の雰囲気がフォレスト・ガンプのようでした。(しかし、トム・ハンクスと演技力比較してはいけない)

 

あっちゃん、この頃はおそらく27~28歳くらいなのですが、高校生役に違和感が無いのが凄いです。

 

高畑充希さんも同様。

本来ならツッコミ入れたくなるはずなのですが、本当に普通に女子高生。

 

あっちゃん演じる栄りらという女子高生が事の一部始終を観ているという設定。

少女マンガに例える下りは爆笑してしまいました。

「町田、マジか・・・」が彼女の口癖。

 

高畑充希さんと岩田剛典さん。

たしか、この2人、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』という映画で共演していた記憶が・・・。

 

ピュア過ぎるほど繊細な心と優しさを持ち合わせた町田くん。

そんな普通の人とまったく違う彼の視線だからこそ、高校生に見えない役の俳優をあえてキャスティングしたように思いました。

 

「他人より自分が大事」。

それは今日(こんにち)に始まったことではありません。

ですが、そうした人やそのような自己中心的な行動を取る人は昔より増えたかもしれません。

そんな世知辛い世の中に町田くんの「自分より他人が大切」という考えや行いは一見コミカルであり、しかしながら、とても温かみのあるものでした。

 

不倫現場をスクープ写真で押さえてそれで仕事をしている池松壮亮さん演じる吉高。

世の中の汚れたものを追い続け、しかし、自分もそれを仕事にしていることに嫌悪感を抱いています。

また、その雑誌の編集長から「読者は善意より悪意の方を楽しみにしている」という言葉は人間は他人の不幸を楽しんでいるというある意味残酷な事実を突きつけられていると感じました。

 

そんな吉高が町田くんと出会うエピソードくらいまでが笑いのツボでした。

 

町田くんに生まれてきた、人生で初めての恋愛感情。

しかし、一人の女性を愛するということはほかの女性に辛いですが優しくしてはいけないことです。

ですが、今まで、どんな人が相手でも同じように優しく接してきた町田くんにはそれができない。

猪原さんが大好き。

でも、この感情をどうぶつければいいのか分からない。

もがき、苦しむ町田くん。

 

終盤、ようやく自分が取るべき行動に気づいた町田くん。

ですが、なぜバルンガ?

更にその後、「鳥を見た」?

突然ファンタジーにされて、観ている自分も困惑。

 

町田くんのヘンテコ走りは最後まで好きになれなかった。

石井裕也監督と聞いて『舟を編む』を思い出してしまいましたが、この主人公も世間知らずの変わり者。

その辺りが本作とダブってしまったのが惜しい気がいたしました。

 

本当にラスト、何とかならなかったかな~。

何のひねりも無い結末に、「町田、マジか・・・」と言いたくなりました。

 

 

『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書

原題:The Post

 

2017年製作/アメリカ映画/上映時間:116分/G/2018年3月30日日本公開

 

監督:スティーヴン・スピルバーグ

出演:メリル・ストリープ

   トム・ハンクス

   サラ・ポースソン ほか

 

メリル・ストリープトム・ハンクスが主演し、スティーヴン・スピルバーグがメガホンを取った社会派ドラマです。

ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国民の間に疑問や反戦の気運が高まっていた1971年、政府がひた隠す真実を明らかにすべく奔走した人物たちの姿が描かれます。

 

あらすじ

 

ベトナム戦争の最中だった1971年、アメリカでは反戦運動が盛り上がりを見せていた。そんな中、「The New York Times」が政府の極秘文書“ペンタゴン・ペーパーズ”の存在を暴く。ライバル紙である「The Washington Post」のキャサリンメリル・ストリープ)と部下のベン(トム・ハンクス)らも、報道の自由を求めて立ち上がり……。

シネマトゥデイより)

 

実在の人物をモデルに、都合の悪い真実をひた隠しする政府に対して一歩も引かない姿勢で挑んだジャーナリストたちの命懸けの戦いを描いた巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督の社会派ドラマです。

第90回アカデミー賞で作品賞と主演女優賞(ストリープ)にノミネート。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

映画館に次いで2度目の鑑賞になります。

 

本日、7月9日はトム・ハンクス、66歳のお誕生日です。(1956年生まれ)

お祝いの気持ちで新しい映画を・・・と思ったのですが、近年の作品はほとんど鑑賞しており、どうしても2回目の鑑賞作品になってしまいました。

インフェルノ』、『ハドソン川の奇跡』、本作の3本の中からこの作品を選びました。

 

ちなみに、池松壮亮さんも本日お誕生日なのですが(1990年生まれ)、さすがに作品観ている時間ありませんでした。

申し訳ありません。

『シン・仮面ライダー』楽しみにしております。

お二人とも

HappyBirthday!

 

リチャード・ニクソン大統領政権下の1971年、ベトナム戦争を分析・記録した国防省の最高機密文書=通称「ペンタゴン・ペーパーズ」の存在をニューヨーク・タイムズがスクープし、政府の欺瞞が明らかにされる。

 

ライバル紙でもあるワシントン・ポスト紙は、亡き夫に代わり発行人・社主に就任していた女性キャサリン・グラハムのもと、編集主幹のベン・ブラッドリーらが文書の入手に奔走。なんとか文書を手に入れることに成功するが、ニクソン政権は記事を書いたニューヨーク・タイムズの差し止めを要求。新たに記事を掲載すれば、ワシントン・ポストも同じ目にあうことが危惧された。記事の掲載を巡り会社の経営陣とブラッドリーら記者たちの意見は対立し、キャサリンは経営か報道の自由かの間で難しい判断を迫られる・・・。

 

トム・ハンクス。(Tom Hanks

1956年7月9日、アメリカ合衆国カリフォルニア州生まれ。

本名はトーマス・ジェフリー・”トム”・ハンクス。

 

料理人の父親と病院職員の母親との間に生まれ、カリフォルニア州ヘイワードで演劇を学び、その後ニューヨークへ移り、1980年映画デビュー。

全米長寿バラエティ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演後、『スプラッシュ』(1984)で映画初主演。

以降、『マネー・ピット』(1986)、『ビッグ』(1988)など軽快なコメディに出演。

 

1993年にエイズを扱ったシリアスなドラマ『フィラデルフィア』でアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。

翌年1994年、『フォレスト・ガンプ/一期一会』で2年連続アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝きます。

 

日本来日も数回あり、2013年の『キャプテン・フィリップス』のキャンペーンで来日した際に、当時の安倍晋三氏と握手を交わしております。

 

エイブラハム・リンカーンの遠縁だそうです。

俳優だけでなく1996年に発表した『すべてをあなたに』は監督としても高く評価されております。

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

出発点のコメディから近年のシリアスな演技まで、どれもすばらしくハリウッドに欠かせない名優だと思います。

好きな作品はたくさんありますが、名コンビだったメグ・ライアンとのラブコメディ『めぐり逢えたら』、『ユー・ガット・メール』。

シリアス系ですと『プライベート・ライアン』、『ロード・トゥ・パーディション』がお気に入りです。

 

権力VS報道。

スピルバーグが描きたかったジャーナリズムを押し潰そうとする当時のトランプ政権への「宣戦布告」とも言える社会派ドラマです。

 

キレ味抜群のメッセージに加え、当時は珍しかった女性のトップのあり方など人間ドラマとしても面白く、そしてスリリングな展開で物語が進んでいきます。

 

アメリカの歴史上、最も”失敗”だったと言われているベトナム戦争

敗戦濃厚なことを何年もの月日ひた隠し続け、愚かな戦争を続けてきたアメリカの過ち。

不都合な事実のため、多くの兵士を戦場へ送り、そして命を奪ってきた事実・・・。

 

このような映画を作れるアメリカの凄さを感じます。

「臭いものに蓋をする」、「触らぬ神に祟りなし」の日本映画界では絶対不可能ですね。

 

夫亡き後、新聞社を引き継ぎ、無能で社交好きな女性オーナーと言われ続けてきたキャサリン(ストリープ)がいざ、ジャーナリズムの真実か会社の存続かの二者択一を迫られたときの姿が印象的です。

 

真の正義やジャーナリズムとは何か?

この映画は教えてくれております。

ワシントン・ポスト紙の記者たちの起こした行動は単にトランプ政権への批判だけでなく、今の我々が望む「真実を知ることの自由」をテーマにした、とても良くできた映画だと思いました。

 

メリル・ストリープトム・ハンクス、初共演とは思えないほど息が合っていて、観ていてとてもエキサイティングでした。

 

さてさて、今の日本のテレビ局に真のジャーナリズムが存在するのか?

私はハッキリ「No」と言いたいですね。

視聴率稼ぎに人気タレントを選挙番組に起用する。

そういうプロデューサーにこそ、本作を観てもらいたいです。