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『ブレードランナー ファイナル・カット』

ブレードランナー ファイナル・カット』

原題:Blade Runner: The Final Cut

 

2007年製作/アメリカ映画/上映時間:117分/G/2019年9月6日IMAX版日本公開

 

監督:リドリー・スコット

出演:ハリソン・フォード

   ルドガー・ハウアー

   ショーン・ヤング ほか

 

SF映画の金字塔として誉れ高い、巨匠リドリー・スコットの1982年監督作『ブレードランナー』に、最新技術のデジタル処理を加えた“ファイナル・カット”版です。

近未来のLAを舞台に、人間に反旗を翻したアンドロイド“レプリカント”たちと、捜査官の死闘が描かれます。

 

あらすじ

 

放射能で汚染された2019年のロサンゼルスで、高度な知能と強靭な肉体を持った、人間とほぼ同じ外見をしているアンドロイド“レプリカント”が、人間を殺害して逃亡を図った。そのレプリカントの解体処分が決定され、レプリカント抹殺専門の賞金稼ぎであるデッカードハリソン・フォード)が、単独で追跡調査を開始するが……。

シネマトゥデイより)

 

SF映画の金字塔『ブレードランナー』を、初公開から25年を迎えた2007年にリドリー・スコット監督自らが再編集とデジタル修正を施してよみがえらせたファイナルカット版です。

主演は『スター・ウォーズ』シリーズのハリソン・フォード

2017年10月に続編『ブレードランナー 2049』が公開されております。

 

4K Urtla HD BDにて鑑賞。

初公開版から、もう何回目の鑑賞になりますか・・・?

 

本日、7月13日はハリソン・フォード、80歳のお誕生日です。(1942年生まれ)

お祝いの気持ちを込めまして、今回は本作を選びました。(『レイダース~』と迷ったのですが)

HappyBirthday!

 

酸性雨で荒廃した2019年のロサンゼルス。人間にそっくりな外見を持つ人造人間「レプリカント」たちが植民地惑星から逃亡してきた。レプリカント専門の捜査官「ブレードランナー」のデッカードが追跡を開始するが・・・。

 

ハリソン・フォード。(Harrison Ford)

1942年7月13日、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ生まれ。

 

ウィスコンシン州の地元劇団での活動を経て、本格的な俳優を目指しロサンゼルスへ。

1966年に映画デビューを果たしますが、充分な役柄に恵まれず大工に転職いたします。

 

大工仕事を通じて知り合った映画プロデューサーの紹介を受け、1973年、『アメリカン・グラフィティ』に出演。

自らの役柄にアイディアを出すなど積極的な姿勢を評価され、監督のジョージ・ルーカス、製作のフランシス・フォード・コッポラの信頼を得ます。

 

1977年、ふたたびジョージ・ルーカスの目にとまり、『スター・ウォーズ』のハン・ソロ役に選ばれ、映画の世界的大ヒットと共に一躍大スターに。

 

1981年にはジョージ・ルーカス製作、スティーヴン・スピルバーグ監督によるアドベンチャー映画『レイダース 失われたアーク《聖櫃》』の主人公・インディアナ・ジョーンズを演じ、こちらも大ヒットを記録。

 

1985年の『刑事ジョン・ブック/目撃者』で正義感の強い刑事を演じ、その年のアカデミー賞にノミネートされます。

 

1992年にトム・クランシー原作の『パトリオット・ゲーム』でジャック・ライアンを演じ、三度目の当たり役になります。

 

飛行機とヘリコプターのライセンスを持ち、過去に人命救助を行ったことがあります。

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

本当にヒーローと呼ぶのが相応しいカッコいい俳優です。

お気に入りは数多くありますが、やはり『インディ・ジョーンズ』シリーズですね。

 

1982年のオリジナル版は映画会社の重役たちを怒らせるくらい難解かつ暗い内容で、仕方なくリドリー・スコットハリソン・フォードはナレーションで主人公の心情を語らせ、ラストもとってつけたようなハッピーエンドに。

のちにリドリー・スコットは「バカげた終わり方だ」と言っております。

 

1982年、小泉今日子さんを始めアイドル全盛期に誰ひとり目もくれず、ハリソン・フォード大好き人間(ゲイではありません)だった自分はガラガラの新宿の映画館で初公開ヴァージョンを鑑賞。

裏事情などまったく知らなかったので、今まで観たことの無い世界観やシド・ミードの美術などに酔いしれました。

 

その後、レンタルビデオレーザーディスクなどで鑑賞。

1992年10月に『ディレクターズ・カット ブレードランナー 最終版』が劇場で公開になります。

これを観たとき、今まで観ていた『ブレードランナー』がお子さま向けのように思え、ユニコーンのシーンと余韻が無いと非難されているラストシーンに衝撃を受けました。

これを観てから、オリジナル版は一切観ておりません。

 

原作はフィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。

ディックは映画完成を待たず1982年3月に亡くなられておりますが、ラッシュフィルムを観て「小説の世界観がよく出ている」と気に入ったそうです。

 

全部で5つのヴァージョンがある『ブレードランナー』。

この『ファイナル・カット』はほかと何が違うのかを少し。

 

ジェイソンのようなホッケーマスクをしたダンサーがチャイナタウンで踊るシーンが追加されております。

ゾーラ役のジョアンナ・キャシディが撃たれるシーン、『ディレクターズ・カット』までは男性スタントの顔になっていたのですが、25年経って、ジョアンナの協力を得てゾーラの顔に変わったそうです。

 

それ以外の本作の裏ネタを。

 

ブレードランナー』というタイトルはウィリアム・S・バロウズの小説から拝借したもので、当初のタイトルは『デンジャラス・デイズ』。

 

ハリソン・フォード演じるディカードが「4つ」と注文するものはエビ天だそうです。

 

先ほど紹介したシーンでディカードは映画史上初めて女性の背中を撃ったキャラクターになったと言われております。

 

ダリル・ハンナ演じるプリスがJF・セバスチャンと出会うシーンでセバスチャンのバンの窓ガラスに手をぶつけ割るシーンがありますが、これはアクシデントでよろけてしまったダリル・ハンナが思わず手をぶつけてしまったそうで、何針も縫う大ケガをしたそうです。

それでも演技を続けたのは本当にプロフェッショナルですね。

 

終盤、ルドガー・ハウアー演じるバッディが白い鳩を持つシーンは彼のアイディアだそうです。

 

ストーリーは暗い。

画面も暗い。

いつも雨が降っている。

ヒーロー(であるはずの主人公)は悪(と思われる相手)にコテンパンにやられる。

 

これまでの映画の概念を覆し続ける物語や映像、設定は1982年の初公開時はもとより、この映画の舞台となった2019年を過ぎてしまった今でも受け入れられない人が多いです。

 

しかし、だからこそ、コアな映画ファンに愛され続けている本作。

「すべての思い出は消えていく。雨の中の涙のように・・・」。

 

人の命はどこからやって来て、そしてどこへ行ってしまうのだろう?

この作品を観るたびに、そのようなことを考えてしまいます。

 

2019年、映画の舞台と同じ年にルドガー・ハウアーが亡くなられております。

視覚効果を担当したダグラス・トランブル、音楽のヴァンゲリスも亡くなられております。

 

映画はたしかに万人向けするに作ってはおりません。

しかし、CGが無い時代にここまで精巧なセットや美術を作り出したこと、個性的な登場キャラクターなど、見どころは多い作品だと思います。

2018年キネマ旬報「1980年代外国映画ベストテン」で第1位に輝いた本作。

何度でも観てもらいたいSF映画の名作です。

「分かってくださいよ」。