『パパが遺した物語』
原題:Fathers and Daughters
2015年製作/アメリカ・イタリア合作映画/上映時間:116分/G/2015年10月3日日本公開
監督:ガブルエレ・ムッチーノ
出演:ラッセル・クロウ
アマンダ・セルフライド
アーロン・ポール ほか
『幸せのちから』のガブリエレ・ムッチーノ監督が、ニューヨークを舞台に父と娘の絆を描いたヒューマンドラマです。
カーペンターズの名曲「Cloce To You」に乗せて、父と娘の強い絆が描かれていきます。
あらすじ
1989年のニューヨーク。小説家のジェイク(ラッセル・クロウ)は妻の死で心に傷を抱えながら、男手一つで幼い娘ケイティ(カイリー・ロジャーズ)を育てていた。さまざまな問題が降り掛かる中で、彼は自分と娘の物語の執筆を進めていた。25年後、心理学を学ぶケイティ(アマンダ・セイフライド)は、ある出来事により人を愛せなくなってしまっていた。そんなある日、父のファンだというキャメロン(アーロン・ポール)と出会う。
(シネマトゥデイより)
『レ・ミゼラブル』のラッセル・クロウとアマンダ・セイフライドが共演し、心に傷を負いながらも娘との生活を立て直そうとする父の葛藤と、トラウマを抱える娘の姿を描いた人間ドラマです。
共演にダイアン・クルーガー、オクタヴィア・スペンサー、ジェーン・フォンダと豪華キャストが出演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
間もなく見放題終了とのことと、アマンダ・セルフライドに惹かれて本作を選びました。
小説家のジェイクは交通事故により同乗していた妻を亡くし、自分も躁うつ病を患い入院を余儀なくされてしまう。やがて退院したジェイクは、溺愛する7歳の娘ケイティに「ずっと一緒」だと約束する。
それから25年後、悲しい過去の経験から他人を愛せなくなってしまっていたケイティは、娘と自分について綴った父の遺作を敬愛する作家志望のキャメロンと恋に落ちる。キャメロンとの出会いをきっかけに、ケイティは自身の過去と向き合おうと考え始めます・・・。
映画は過去の父と娘の物語と現在の娘・ケイティのエピソードを交互に映し出す作りになっており、父親が死亡するシーンは後半にあります。
ある程度予想はつくとは言え、父親が現在も生きているのか分からない作りにしているにも関わらず、『パパが遺した物語』なるネタバレ邦題をつける配給会社のギャガの神経を疑いたくなります。
この映画、子役がとても演技が上手です。
まず子供時代のケイティを演じた少女(名前、分かりませんでした)と大人になったケイティが世話をする心を閉ざした少女。
この少女は『アニー』のリメイクに出演しておりました。
この2人の演技は賞賛に値すると思います。
しかし、ストーリーは日本のダメなドラマでも思いつかないほどヘンテコな展開のオンパレード。
まず母親の死。
旦那が運転中、「あんた浮気したでしょ!」と吠えまくります。
・・・運転中の人にケンカ売ってはいけません。事故の元です。
案の定、事故が起こりお母さん、天国へ。(これじゃ泣けない)
生き残った父親は妻を亡くしたショックと事故の後遺症で入院することに。(嫌な奥さんに見えましたが)
その間に娘をもの凄い金持ちの妻の妹夫婦に預かってもらいます。
7ヶ月後、退院すると、妹夫婦から「あんた入院でもう金無いでしょう。ならケイティは私たちの養女にするから」などと金にモノを言わせるとんでもない行為に。
それから25年後、大人になったケイティも後遺症を抱えており、人を心から愛せなくなり、そのうえセックス依存症になり、手当たり次第声を掛けてくるバカ男とえっちしまくります。
人恋しさにセックスがしたくなるという気持ちは分からないでもないですが、描写がよろしくない。
トイレや車の中などでやりまくる(←嫌な表現だな~)ケイティ。
せめて、ちゃんとベッドの上でしてほしかった。
そんなケイティの前に父の本のファンのキャメロンが現れます。
「この男性となんとか上手く付き合いたい」と真剣に交際をするケイティ。
しかし、彼と一緒に暮らす家でまたまたナンパ男とえっちしちゃうケイティ。
キャメロンと一緒に寝ているベッドの上で。
キャメロン帰宅後、それの真っ最中や、男がいてバレたのでは無く、ベッドの下にコン○ームの袋が落ちていたことで発覚するお粗末さ。
せっかく上手くいっていた関係もここまで・・・。
オクタヴィア・スペンサー、ジェーン・フォンダの2人はとてもいい演技で演じたキャラクターも悪く無かったです。
しかし、それ以外の俳優やキャラクターには問題あり。
ラッセル・クロウとアマンダ・セルフライドは演技は問題ないのですが、キャラクターが自己チュー過ぎて共感できず。
ラストに父との絆を思い出すケイティのくだりがあまりにも安直で唖然としてしまいました。
いい俳優を揃えてもシナリオが酷いと駄作になってしまうという典型的な映画でした。
「ポテトチップ」と叫ぶシーンが多いので湖○屋やカ○ビーは大喜びするかもしれません。