『TENET テネット』
原題:Tenet
2020年製作/アメリカ映画/上映時間:150分/G/2020年9月18日日本公開
監督:クリストファー・ノーラン
出演:ジョン・デヴィッド・ワシントン
エリザベス・デビッキ ほか
『インセプション』、『インターステラー』など数々の話題作を送り出してきた鬼才クリストファー・ノーラン監督によるオリジナル脚本のアクションサスペンス超大作です。
「現在から未来に進む“時間のルール”から脱出する」というミッションを課せられた主人公が、第3次世界大戦に伴う人類滅亡の危機に立ち向かう姿が描かれます。
あらすじ
ウクライナでテロ事件が勃発。出動した特殊部隊員の男(ジョン・デヴィッド・ワシントン)は、捕らえられて毒を飲まされる。しかし、毒はなぜか鎮静剤にすり替えられていた。その後、未来から「時間の逆行」と呼ばれる装置でやって来た敵と戦うミッションと、未来を変えるという謎のキーワード「TENET(テネット)」を与えられた彼は、第3次世界大戦開戦の阻止に立ち上がる。
(シネマトゥデイより)
「TENET」というキーワードを与えられた主人公が、人類の常識である時間のルールから脱出し、第3次世界大戦を止めるべく奮闘する姿を描いたサスペンス・アクション映画です。
主演は『ブラック・クランズマン』などのジョン・デヴィッド・ワシントン。相棒を『トワイライト』シリーズなどのロバート・パティンソンが務め、マイケル・ケイン、ケネス・ブラナーなどが共演。
Amazonプライムビデオにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
特別、ノーラン監督の大ファンというワケではありませんが(でしたら映画館で観ていたと思います)、話題作なので一度観ておきたいと思い、期間限定レンタル¥100で鑑賞いたしました。
敵は涼宮ハルヒが聞いたら喜ぶ未来人。
時間を逆行しながら攻撃を仕掛けてくる。
彼らの目的は第3次世界大戦。
人類の滅亡。
『インセプション』はあまりにも難解で、映画館で途中から大爆睡してしまいましたが(2度目、字幕版では無く吹き替え版で観て、分かりやすくなり、夢中になって観れましたが)、それに近い一筋縄でいかないストーリー。
ノーランはかねてから『007』を作りたいと言っていたそうです。
スピルバーグ&ルーカスも『007』を作りたいと言って、出来上がったものが『レイダース/失われたアーク』。
ノーランは善VS悪という構図を保ちながら、独特なスパイスを効かせた『007』的な水パイ映画を作りあげました。
巨大な悪、美女、そして正義感のある主人公。
まさにノーラン版『007』と言っていい内容でした。
正直一度観ただけで理解するのは不可能で(二度でもムリかも)、置いてけぼり感を喰らう映画であるのは間違い無いのですが、それでもなぜか、この世界観にハマってしまう面白さがあります。
「考えるな、感じるんだ」というブルース・リーの名言通り、映画の流れに身を任せての鑑賞がベストな作品なのかもしれません。
時間逆行のルール。
人類の滅亡につながる謎の物体など、わたくしの低いIQを駆使してもサッパリ分からない展開。
逆にこれがノーランの狙いなのかもしれません。
・・・ですが、冒頭のウクライナのテロシーンから、エンディングまで一気に見せる面白さ。
2時間30分という長さを感じさせないテンポの良さ。
目の前で起こっていることは今ひとつつかめないのですが、面白いことは間違いない。
そんな不思議な感覚で鑑賞しておりました。
ノーラン監督は極力CGを使わず本物を使用するので、爆破のシーンなど本当に迫力がありました。
ケネス・ブラナーの悪役がいい味を出しております。
やっていることは碇ゲンドウそっくりなのですが(あまり詳しく書くとネタバレになるのでやめます)、ほかの人類にとっては本当に迷惑な話です。
壮大で迫力満点の映画ですが、満点はあげられないな~というのがホンネ。
時間を逆行しているのにガソリンに火がつく・・・などツッコミどころもありました。
それ以上に気になったのが、主人公を演じたジョン・デヴィッド・ワシントン。
お父ちゃんに比べ、魅力無いんですよね~。
『ブラック・クランズマン』はお父ちゃんと監督のスパイク・リーの間柄を考え、お父ちゃんに頼まれての起用だったと思うのですが、ノーランとの関連性は不明。
ノーランが気に入って起用したとは思えないのですが、ロバート・パティンソン、ケネス・ブラナーと本当にいい演技をしていただけに、彼の演技力、魅力の無さは残念に思いました。
この超大作の主役を張れる器では無かったですね。
映画同様、時間を逆行できるなら、改めて別の俳優を起用してもらいたいと思いました。