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『望み』

『望み』

 

2020年製作/日本映画/上映時間:108分/G/2020年10月9日日本公開

 

監督:堤幸彦

出演:堤真一

   石田ゆり子

   岡田健史 ほか

 

クローズド・ノート」、「検察側の罪人」などで知られる雫井脩介の小説を原作にしたサスペンスです。

幸せな生活を送っていたはずの夫婦が、息子が同級生の殺人事件への関与が疑われたことによって狂いが生じてしまう姿が描かれます。

監督は『十二人の死にたい子どもたち』などの堤幸彦

 

あらすじ

 

一級建築士として活躍する石川一登(堤真一)は、誰もがうらやむような裕福な生活を送っていたが、高校生の息子が無断外泊したまま帰ってこなくなってしまう。その行方を捜すうちに、彼が同級生の殺人事件に関わっていたのではないかという疑いが浮上してくる。たとえ被害者であろうとも息子の無実を信じたい一登、犯人であっても生きていてほしいと願う妻の貴代美(石田ゆり子)。二人の思いが交錯する中、事態は思わぬ方向へと突き進んでいく。

シネマトゥデイより)

 

雫井脩介の同名ベストセラー小説を映画化したサスペンスドラマです。

『八日目の蝉』の奥寺佐渡子が脚本を手がけております。

堤真一石田ゆり子が夫婦を演じ、その子どもを岡田健史と清原果那ちゃんが演じております。

 

dTVにて鑑賞。

映画館に次いで2度目の鑑賞になります。

 

仕事の作業の片手間の鑑賞になってしまうことから、過去に観ている作品から選ぶことにし、この作品を選びました。

しかし、やはり見入ってしまい、作業は進みませんでした。

 

一級建築士の石川一登と校正者の妻・貴代美は、高校生の息子・規士や中学生の娘・雅とともに、スタイリッシュな高級邸宅で平和に暮らしていた。規士は怪我でサッカー部を辞めて以来、遊び仲間が増え無断外泊することが多くなっていた。

 

ある日、規士が家を出たきり帰ってこなくなり、連絡すら途絶えてしまう。やがて、規士の同級生が殺害されたニュースが流れる。警察によると、規士が事件に関与している可能性が高いという。行方不明となっているのは3人で、そのうち犯人と見られる逃走中の少年は2人。規士が犯人なのか被害者なのかわからない中、犯人であっても息子に生きていてほしい貴代美と、被害者であっても彼の無実を信じたい一登だったが・・・。

 

子どものいない自分にも親の気持ちがとても分かる、少年犯罪に巻き込まれてしまい行方不明になった息子を持つ夫婦の心理を描いたサスペンスドラマです。

 

彼が加害者なら生きている。

逆に被害者なら死んでしまっている。

どちらにせよ残酷な運命を背負ってしまった夫婦を堤真一さんと石田ゆり子さんがすばらしい演技で演じております。

 

ぼくは明日、昨日のきみとデートする』、『3月のライオン 前・後編』、『ちはやふる 結び』と、本作より前の作品を鑑賞しているのですが、本格的に清原果耶ちゃんが気になったのがこの映画からでした。

「妹さんを演じた娘、上手いな」と思ったのがきっかけで、それ以来、果耶ちゃんの出演作品を選ぶようになりました。

このブログでも数本レビューを書かせていただいておりますが、本当にどの作品、どんな役柄も見事こなせる凄い逸材だと思います。

 

あまり当たりの無い堤幸彦監督の作品ですが、これはいい方だと思います。

まあ、監督の手腕と言うより、物語と俳優陣の演技のおかげなのですが・・・。

それだけでもかなり「貴重な」映画と言えるかもしれません。

 

どう考えてもHappyな結末は待っていない作品なので、観客もある程度の覚悟を持って観る必要があります。

自分が親御さんなら、どちらを望むだろう?と自問自答しながらの鑑賞でした。

 

また、このような美味しいネタに食いついてくるハイエナのような自称ジャーナリストの登場は、ある意味日本映画的だと思いました。

松田翔太さんが演じておりますが、もう少しイヤラシさのようなものを出してくれれば良かったかな~と思いました。

 

マスコミをここまで悪く描けるのも、テレビ局が携わっていない映画ならでは。

久しぶりにテレビ局無関係の日本映画を観た気がいたしました。

 

ただ、あまりにステレオタイプのこの描写は「少しやり過ぎ」と思ってしまいました。

 

また、石田ゆり子さん演じる母親の「殺人犯でもいいから生きていてほしい」と願う気持ちも共感しがたいものがありました。

 

もちろん子どもの死を望む親は少ないと思いますが、もし殺人犯だったら、娘さんは受験できなくなりますし、当然ご主人も仕事を失い、家族は路頭を彷徨うことになる可能性が高いです。

 

二つのどちらか・・・という結末が待つ映画なので、意外性はありません。

そこがサスペンスとしては弱いかもしれませんが、家族をテーマとした映画として観ると、とても重みのある作品だったように思いました。

 

果耶ちゃんの演技を観るだけでも価値のある映画だと言えます。

 

ラストのリハビリのシーンはいらなかったかな?

監督の”泣かせよう”という意図が見え見えであざとかった。