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当ブログへ起しいただき、心から感謝いたします。映画の感想やスポーツ観戦の記事、写真中心のブログです。

『ナイル殺人事件』(2022)

ナイル殺人事件

原題:Death on the Nile

 

2022年製作/アメリカ映画/上映時間:127分/G/2022年2月25日日本公開

 

監督:ケネス・ブラナー

出演:ガル・ガドット

   アーミー・ハマー

   ケネス・ブラナー ほか

 

ミステリーの女王アガサ・クリスティによる名作「ナイルに死す」を、『オリエント急行殺人事件』に続きケネス・ブラナーが監督・主演を務めて再映画化。

エジプトのナイル川をめぐるクルーズ船を舞台に、名探偵ポアロが密室殺人の解明に挑みます。

 

あらすじ

 

エジプトのナイル川をめぐる豪華客船内で、新婚旅行を楽しんでいた大富豪の娘リネット(ガル・ガドット)が何者かに殺害される。容疑者は、彼女とサイモン(アーミー・ハマー)の結婚を祝いに駆け付けた乗客全員だった。リネットに招かれていた私立探偵ポアロケネス・ブラナー)が捜査を進めていくうちに、それぞれの思惑や愛憎が絡み合う複雑な人間関係が浮き彫りになっていく。

シネマトゥデイより)

 

アガサ・クリスティ推理小説「ナイルに死す」の再映画化作品です。

製作にリドリー・スコット

監督&主演にケネス・ブラナー

共演に『ワンダーウーマン』シリーズなどのガル・ガドット、『君の名前で僕を呼んで』などのアーミー・ハマーなど。

 

Disney+にて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

本年2月公開の作品が早くも配信。

当然追加料金かと思ったら、それも無し・・・とのことで、本作を選びました。

 

1978年のオリジナル版はテレビ放映で。

本作の前作にあたる『オリエント急行殺人事件』は衛星放送で鑑賞しております。

 

エジプトのナイル川をめぐる豪華客船の中で、美しき大富豪の娘リネットが何者かに殺害される事件が発生。容疑者は彼女の結婚を祝うために集まった乗客全員だった。

名探偵エルキュール・ポアロは“灰色の脳細胞”を働かせて事件の真相に迫っていくが、この事件がこれまで数々の難事件を解決してきたポアロの人生をも大きく変えることになる・・・。

 

1937年に発表された、アガサ・クリスティ推理小説「ナイルに死す』の再映画化作品です。

前作では描かれなかった名探偵、エルキュール・ポワロの若かりし日の恋や、口ひげの秘密と言った本筋とはあまり関係無いことが描かれております。

 

ケネス・ブラナー監督の映画はほとんどが原作ものなのですが、いい材料を上手く調理できていない感が強いんですよね。

『エージェント・ライアン』や前作などなど。

 

シネマトゥデイの短評を書かれた5名の評論家の方々が口を揃えて書かれている「愛」の映画。

様々な愛憎渦巻く豪華客船での物語で、たしかに愛が中心に描かれてもおかしくは無いのですが、そちらがメインになってしまい、本来のミステリーの要素が薄口になってしまったのが残念に思いました。

 

豪華客船に乗り込んだ乗客。

それぞれの個性があまり上手に描かれておりません。

また、現代風にアレンジされ、多様な人種の人が登場いたしますが、物語の舞台が1930年代と考えると違和感があります。

・・・と言っても、現代に置き換えるワケには行きませんし。

 

オールスター度も前作に比べ弱いです。

それと前作はケネス・ブラナーの力量不足をミシェル・ファイファーの熱演がカバーしておりましたが、本作はそこまですばらしい演技を披露した俳優がいなかった。

 

またオリジナル版に比べても小粒な俳優陣に感じてしまいました。

オリジナル版はミア・ファローオリビア・ハッセーマギー・スミス、そしてベティ・デイヴィス・・・と凄い豪華でしたね。

 

ただ、恋人を寝取られるジャクリーンを演じたエマ・マッキーという女優さんがとても印象に残る演技を披露しておりました。

フランス・ルマン生まれで、劇場用映画は本作は初出演。

ケネス・ブラナーはエマという名前の女性と相性いいのでは・・・(それ以上書いてはいけない。愛の映画に水を差す)。

 

オリジナル版は実際エジプトでロケされておりましたが、本作はセットとCG。
それが、モロ分かってしまう安っぽい感じが出てしまっており、いっそ物語の舞台、ナイルじゃないくても良かったんじゃないの?と思ってしまいました。

 

お話しはアガサ・クリスティ原作なので面白さは保証されておりますが、それをぶち壊しかねないケネス・ブラナーの暴走に唖然。

 

犯人を追いかけ、猛スピードで階段を登り、駆け下り、そして拳銃を人に向ける。

ポワロとジェームズ・ボンド、ごっちゃになっていませんか?

 

「愛」を語る映画なら、まず原作への愛を持って作品作りをしてもらいたかったと思いました。

もし、それができないのであれば、3作目は作らない方がいいと思います。