『ちはやふる-結び-』
2018年製作/日本映画/上映時間:128分/G/2018年3月17日日本公開
監督:小泉徳宏
出演:広瀬すず
新田真剣佑 ほか
末次由紀の大ヒットコミックを広瀬すず主演で実写映画化した『ちはやふる-上の句-』、『ちはやふる-下の句-』の続編です。
全国大会での激闘から2年後を舞台にして、競技かるたに打ち込む高校生たちのさらなる戦いが描かれます。
あらすじ
瑞沢高校競技かるた部員の綾瀬千早(広瀬すず)と若宮詩暢(松岡茉優)が、全国大会で激闘を繰り広げてから2年。真島太一(野村周平)、綿谷新(新田真剣佑)らと共に名人・クイーン戦に挑む千早だったが、詩暢と戦えない自分の実力不足を痛感する。そんな中、千早たちの師匠・原田秀雄(國村隼)が史上最強の名人とされる周防久志(賀来賢人)に敗れてしまい、新が彼に挑戦状をたたきつける。その後3年生になった千早は、高校最後の全国大会に向けて動くが……。
(シネマトゥデイより)
末次由紀のヒットコミックを原作にした青春ドラマの完結編です。
監督の小泉徳宏、広瀬すず、野村周平、新田真剣佑、上白石萌音、矢本悠馬、森永悠希ら前作のスタッフ、キャストが再集結。
映画オリジナルキャラクターとなる千早のライバル・我妻伊織役を清原果耶が演じております。
dTVにて鑑賞。
映画館に次いで2度目の鑑賞になります。(約4年ぶり)
今月いっぱいで見放題終了とのことと、清原果耶ちゃんの出演シーンを確かめるべく、今回は本作を選びました。
・・・ですが、dTVの見放題終了でもBD持っているので、もう観ることが無くなるワケでは無かったのですが、いい機会なので。(意味不明)
瑞沢高校競技かるた部の1年生・綾瀬千早がクイーン・若宮詩暢と壮絶な戦いを繰り広げた全国大会から2年が経った。3年生になった千早たちは個性派揃いの新入生たちに振り回されながらも、高校生活最後の全国大会に向けて動き出す。
一方、藤岡東高校に通う新は全国大会で千早たちと戦うため、かるた部創設に奔走していた。そんな中、瑞沢かるた部で思いがけないトラブルが起こる・・・。
本作の第1作目になる『上の句』を観たのが2016年3月19日。
映画初日のレイトショーでの鑑賞でした。
同じ日公開の『英国王のスピーチ』、『レ・ミゼラブル』のトム・フーパー監督の『リリーのすべて』と迷ったのですが、性転換手術が題材というのが、ちょっと気になり、でも、こちらもあまり得意では無いコミック原作の若者向け映画。
迷った末、こちらを選択。
本当にいい意味で裏切られました。
広瀬すずさんは名前くらいしか知りませんでしたが、『上の句』鑑賞後、2017年から私の寝室には毎年彼女のカレンダーが飾られております。(2022年現在)
目を真っ赤にして劇場から出てきた自分は一端トイレで顔を洗い、迷わず売店に行き『下の句』の鑑賞券を購入いたしました。
ちなみに(←これが好きだな)、『リリーのすべて』もWOWOWで鑑賞いたしました。
とてもいい映画だったと思いました。
で、ですが、あのネコのミュージカルは・・・。
若者にしか訪れない、一瞬の光のような瞬く間の輝きの時間。
そんな青春に1ページ(表現が古いな~)のような美しさが本作の魅力だと思います。
主人公の千早、その幼なじみの太一、新だけでなく、その周りのキャラクターにもしっかり光を当てているところがこのシリーズの好感の持てるところのように思います。
受験とかるたとの狭間で苦悩する太一のエピソードが『-結び-』の大きなテーマになっていると思います。
なんか、それだけで応援したくなります。
父親に故・千葉真一氏。叔父に”滝和也”こと千葉治郎氏(矢吹二朗氏)を持つ新田真剣佑さん。
千葉真一さんの息子は大葉健二さんでは?・・・と思い込んでいた『宇宙刑事』バカです。(汗)
真剣佑というのは本名で、名づけ親はお父さんの千葉真一さん。
「真実の剣を持って、人の右に出てほしい」という思いを込めて命名されたそうです。
前作出演後、原作者の末次由紀氏の許可を得て芸名を新田真剣佑と改名しております。
どうでもいいことですが、昔、原作者に無許可でチーム名を”アトムズ”と命名したプロ野球チームがありましたが。
当然、手塚治虫先生に怒られ、”スワローズ”と元の名前に戻して今日(こんにち)に至っております。(チーム名書いちゃって良かったのかな?)
『上の句』を観て、「広瀬すずさんを超える若手女優はいないだろう」と思っていたところを、映画の設定のように上には上がいるとばかりに、強烈なインパクトを与えてくれた最強のクイーン、若宮詩暢を演じた松岡茉優さん。
本作は少し出演シーンが減ってしまったのが残念でしたが、やはり登場シーンはインパクトを残してくれました。
清原果耶ちゃんはどこに出ていたのだろうか・・・と思ったら、冒頭に早々と登場。
次期クイーン候補の我妻伊織役。
終盤の団体戦での千早との対決シーンは”すずVS果耶”という日本映画界若手女優ナンバーワン対決のように思えて、いろんな意味で楽しめました。
どんな作品、どんな役柄も見事に演じる果耶ちゃん、本当に日本映画界のクイーンになってもらいたいですね。
ほかの若い俳優さんたちも活き活きと演技をしておりました。
若い才能を引き出した監督の力量の凄さを感じます。
百人一首をやったとき、そこに書かれている言葉の意味に興味など持っておりませんでしたが、このシリーズを観て、この”1000年の重み”、言葉の強さ、美しさを綴られていると知り感銘を受けました。
美しいものは時を超えて、いつまでも残るものだと実感いたしました。
原作のファンには当然の如く不評の本作ですが、広瀬すずさんを始めとする多くの若手俳優の輝き、國村隼さんらベテランの味わいなどコミックでは味わえない映画ならではのすばらしさのある青春映画の傑作だと思います。
クイーンへのリベンジをメインに持ってくる・・・と思わせて別のものにしたところも、この映画が”ありきたり”で無い証になったように思います。
続きが観たい・・・気もしますが、綺麗に終わらせた小泉監督と最後まで輝き続けた広瀬すずさんに拍手を送りたいです。