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『死刑にいたる病』

『死刑にいたる病』

 

2022年製作/日本映画/上映時間:128分/PG12/2022年5月6日日本公開

 

監督:白石和彌

出演:阿部サダヲ 

   水上恒司(岡田健史)

   中山美穂 ほか

 

櫛木理宇のサスペンス小説を『孤狼の血』の白石和彌監督が映画化したサイコサスペンスです。

世間を騒然とさせた連続殺人事件の犯人から、1件の冤罪(えんざい)の証明を依頼された大学生が事件を再調査する姿が描かれます。

 

あらすじ

 

理想とはかけ離れた大学生活で悶々とした日々を過ごす筧井雅也(水上恒司)のもとに、ある日1通の手紙が届く。それは大勢の若者を殺害し、そのうち9件の事件で死刑判決を受けている凶悪犯・榛村大和(阿部サダヲ)からのもので、「罪は認めるが最後の事件は冤罪(えんざい)だ。犯人はほかにいることを証明してほしい」と記されていた。かつて筧井の地元でパン屋を営んでいた旧知の榛村の願いに応えるべく、筧井は事件の真相を独自に調べ始める。 

シネマトゥデイより)

 

櫛木理宇の小説「死刑にいたる病」を『孤狼の血』シリーズなどの白石和彌監督が映画化したサスペンスです。

脚本を『そこのみにて光輝く』などの高田亮が担当。

主演に『彼女がその名を知らない鳥たち』で白石監督と組んだ阿部サダヲ、事件の真相を追う大学生を『望み』などの岡田健史(現:水上恒司)が演じております。

 

Netflixにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

白石和彌監督(・・・「仮面ライダーBLACK SUN」はひじょ~に残念でしたが)が好きなので、今回は本作にしようかな~と思い選びました。

日本映画で「良さそう」と思う作品、ほとんど2時間超えなのが厳しいですね。

 

理想とは程遠い低ランクの大学に通い、鬱屈した日々を送る雅也の元にある日届いた1通の手紙。

 

それは世間を震撼させた稀代の連続殺人事件の犯人・榛村からのものだった。24件の殺人容疑で逮捕され、そのうちの9件の事件で立件・起訴、死刑判決を受けた榛村は、犯行を行っていた当時、雅也の地元でパン屋を営んでおり、中学生だった雅也もよくそこに通っていた。

 

「罪は認めるが、最後の事件は冤罪だ。犯人は他にいることを証明してほしい」。榛村の願いを聞き入れ、雅也は事件を独自に調べ始める。そこには想像を超える残酷な事件の真相があった・・・。

 

白石和彌監督の最高傑作は2013年の『凶悪』と言われております。

残念ながら未見です。

Amazonプライムビデオでも観れるのですが、10年も前の作品と、ピエールさん出演で記事にするのが難しく、敬遠しております。

 

白石監督の作品に初めて触れたのが『彼女がその名を知らない鳥たち』(2017)。

次いで『孤狼の血』(2018)、『凪待ち』(2019)、『ひとよ(一夜)』(2019)。

『凪待ち』、『ひとよ(一夜)』は劇場で鑑賞しておりますが、心揺さぶられる傑作だと思いました。

・・・ただ、続く『孤狼の血 LEVEL2』、そして、Amazonプライムビデオ独占配信中の「仮面ライダーBLACK SUN」は少しトーンダウン。

 

ここで「BLACK SUN」の話しをしても仕方ないのですが、白石監督に石ノ森章太郎先生の世界観はマッチしているようで、実は合わなかったみたいでした。

あまり好きでは無い中村梅雀氏がダロムを演じると聞いたときから不安に思っておりましたが、まさか、大嫌いなルー○柴が出演しているとは知らず、そのうえ、このあとに濱田岳が出演すると知り、第3話でリタイアしてしまいました。

 

いくら演者が人でなし発言(改造人間なので)しようと、やはり自分にとって南光太郎仮面ライダーBLACK倉田てつを氏以外考えられません。

まあ、「仮面ライダーBLACK SUN」もエグゼクティブ・プロデューサーで白倉伸一郎の名前がしっかり刻まれておりましたので、「仮面ライダー」50周年記念作品としていいものができるとは思えませんでした。

「おのれ、白倉、許さん!」(←怒りのライダーBLACK風)

 

話しを映画に戻します。

うん、自分が好きなカレーライスの味に仕上がっておりました。

・・・ですが、そのカレーはレトルトでした。

と言った感じの感想です。

 

阿部サダヲさんの演技はすばらしかったです。

ほとんどが面会室、たまに回想シーン、裁判のシーンがありました。

そうなると、どうしても『羊たちの沈黙』のレクター博士を連想してしまいます。

 

その阿部サダヲさん演じる榛村から手紙をもらい、「1つだけえん罪がある。それを証明してくれ」と依頼をされる大学生・雅也。

岡田健史さん(今は水上恒司さん)が演じておりますが、この雅也が物語のメインになります。

 

彼が『羊たちの沈黙』のクラリス的キャラクターになるのですが、阿部サダヲさんには劣るものの、とてもいい演技を披露していたと思いました。

鑑賞後知りましたが、『望み』で清原果耶ちゃんのお兄さんを演じていた俳優さんでした。

 

フェチシズム、親の愛に恵まれない子ども、優等生。

そう言ったものが交差しながら、物語は意外な展開に進んでいきます。

 

羊たちの沈黙』や『ジョーカー』が大好きな自分には大好物のはずの題材なのですが、観ていて「何かが違う」と思ってしまいました。

 

現代の日本で24件の連続殺人(1人はえん罪?)という設定はあまりにムリがあるように思いました。

 

榛村が犯行を実行する自宅はかなり人里離れたところにあるようでした。

もの凄い田舎町なのかもしれませんが、それならなおさら24人も人がいなくなったら大パニックでしょう。

 

岩田剛典さんの演じるキャラクターもあまりに異色すぎて、少し引いてしまいました。

何と言いますか、横溝正史作品に登場しそうな感じ。

 

中山美穂さんがお母さんを演じていたので、何かあるな・・・と思っていましたら、やっぱり何かありました。

「毎度お騒がせします」なお母さんでした。(←意味が分からない人多いと思います)

 

ラストに驚きもあり、全体的には満足しております。

ですが、あまりにレクター博士やジョーカーを意識し過ぎで、それらにあった”狂気”と”その中にある悪の美学”のようなものは阿部サダヲさんの演技をしても、モノマネにしかならなかったが残念でした。

それだけアンソニー・ホプキンスホアキン・フェニックスが凄すぎたと言うことですね。

 

日本映画でサイコサスペンスを作ろうとした心意気は高く評価したいと思います。

 

パン屋さんのイメージを著しく悪くしてしまうかもしれません。

ジャムおじさんに謝りなさい!

 

 

 

音痴だが、この歌を聴くと胸が熱くなるぜ、光太郎!

全作詞:阿木燿子 全作曲:宇崎竜童 全編曲:川村栄二 歌:倉田てつを