『ブラックアダム』
原題:Black Adam
2022年製作/アメリカ映画/上映時間:124分/G/2022年12月2日日本公開
監督:ジャウム・コレット=セラ
出演:ドウェイン・ジョンソン
オルディス・ホッジ
サラ・シャヒ ほか
『ジュマンジ』シリーズなどのドウェイン・ジョンソンがDCコミックスのアンチヒーロー、ブラックアダムを演じるアクション巨編です。
監督は『ジャングル・クルーズ』でもドウェイン・ジョンソンとタッグを組んだジャウム・コレット=セラ。
ジョンソンは(懲りずに)本作も製作も兼任。
あらすじ
5,000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダム(ドウェイン・ジョンソン)。かつて彼の息子は自らの命を犠牲にして父を守り、ブラックアダムの力はわが子の命と引き換えに得られたものだった。息子を奪われた彼は復讐(ふくしゅう)のため現代の地球で暴れ回り、強大な力を使って破壊行為を繰り返していた。そんな振る舞いを見かね、世界の平和を守るスーパーヒーロー軍団JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)が立ち上がる。
(シネマトゥデイより)
『ワイルド・スピード』など数々の大ヒット作で人気のドウェイン・ジョンソンが、DCコミックスが生み出したアンチヒーロー、ブラックアダムに扮したアクション映画です。
5,000年の眠りから目覚め規格外のパワーで暴れ回る破壊神・ブラックアダムを巡るストーリーが描かれます。
『007』シリーズなどのピアース・ブロスナン、『バレット』などのサラ・シャヒのほか、ノア・センティネオ、オルディス・ホッジ、クインテッサ・スウィンデルらが共演。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
ザ・ロック様の”オレ様”ぶりを観てやろうと思い・・・と言うのは(半分)ウソで、一応DCコミック作品なので、DCエクステンデッド・ユニバースの復活という淡い期待を込めて鑑賞いたしました。
5000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダム。かつて彼の息子は自らの命を犠牲にして父を守り、その力を父に託した。ブラックアダムの力は、息子の命と引き換えにして得られたものだった。
そのことに苦悩と悔恨を抱えるブラックアダムは、息子を奪われたことに対する復讐のため、その強大な力を使って暴れまわり、破壊の限りを尽くす。
そんなブラックアダムの前に、彼を人類の脅威とみなしたスーパーヒーローチーム「JSA(ジャスティス・ソサイエティ・オブ・アメリカ)」が立ちはだかる・・・。
混迷するDCエクステンデッド・ユニバースを救う救世主になり得る存在となったかもしれない”ブラックアダム”。
原作では、こちらも映画化されたシャザムの宿敵として登場したそうです。
物語は分かりやすく、そこは良かったと思いました。
ただ、ブラックアダムがダークヒーローなので、DCエクステンデッド・ユニバースの「暗さ」がやはり前面に出てしまったように感じました。
新日本プロレスのリングに上がったことの無い、ザ・ロック様が最強のレスラーだったかは分かりませんが、マッチョ系が多いDCエクステンデッド・ユニバースではこの役は適役でした。
・・・が、さすがのザ・ロック様もこの映画のとき、すでに50歳。
お顔を出してのヒーローとしては「老けたハ○だ・・・」という印象しか残りませんでした。
舞台は中東なのですが、そこへやって来る、思いっきり劣化したアベンジャーズと言っていいJSAは世界平和よりアメリカ合衆国最優先みたいなものを感じて、「何かな~」と思ってしまいました。
ヒーローは博愛主義で無ければ・・・という考えはもう古いのかもしれません。
ピアーズ・ブロスナン演じる魔術師”ドクター・フェイト”はその名のとおり、もうMCUのあの”ドクター”そっくりの能力のオンパレード。
ここより福岡PayPayドームの方が似合っている”ホークマン”は、アカデミー賞作品賞受賞の映画のキャラそっくり。
ザ・ロック様が老けてしまったので、若いヒーローたちに期待したのですが、魅力ゼロ。
左の男の子は巨大化するのですが、MCUだと蟻男みたいな感じ。
右の女の子はサイクロンと言い、風を操れるのですが、大して役に立つ能力ではありませんでした。
もう、どうせなら、ホアキン出して、サイクロンとジョーカーで二人が一人になって闘う方が面白かったように思いましたが、それをやったら石森プロ、黙っておりません。
物語のキーとなる考古学者(なのかな?)の女性が誘拐された息子に「あの子は私のすべてなのよ」なることを言うのですが、そんな悪者から狙われるお仕事しておきながら、息子より王冠に夢中になっている姿は「違うんじゃない?」と言わざるを得ません。
そのヒーローヲタクの息子がブラックアダムに「ヒーローには決め台詞が必要」と吹き込まれ、「ブラック、参上」と言うザ・ロック様。
ここも、私個人的には「俺、参上!」と言って欲しかったですが、言ってしまっては、またまた石森プロ、黙っておりません。
バトルやアクションも、ストップモーション多用して、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーズ・カット』で観たようなシーンばかりでした。
この映画ならではの映像が観たかったですね。
DCスタジオの共同CEOになったジェームズ・ガンの話しですと、今後、DCエクステンデッド・ユニバースはDCユニバースとして新たなスタートを切るとのこと。
ザ・ロック様の話しですと、その新生DCユニバースに『ブラックアダム』は含まれないそうです。
映画は可も無ければ不可でも無いという印象でした。
つまらなくはありませんが、リチャード・ドナーの『スーパーマン』(1978)、ティム・バートンの『バットマン』(1989)のような観ていてワクワクするものが無かったのが残念に思います。
「復讐のための暴力は正当なものなのか?」というメッセージがあったとすれば、少し重みを感じる映画に思えます。
※映画のエンドクレジットのシーンに触れます。これからご覧になられる方はここまで。※
JSAのリーダーがブラックアダムに軍門に降ることを命じますが、それを拒否。
すると「我々は地球だけでなく宇宙からもあなたを倒せる勢力を連れてくることができる」と言います。
「全軍でかかってこい」と言うブラックアダム。
そこに一人のヒーローが登場。
ヘンリー・ガヴェル演じるスーパーマンがブラックアダムの前に現れます。
彼のスーパーマン姿を観るのは、これが最後だと思うと感慨深いものがありました。
登場時、ジョン・ウィリアムズの”スーパーマンのテーマ”が流れたのには驚きと感動でした。