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『恋する遊園地』

『恋する遊園地』

原題:Jumbo

 

2019年製作/フランス・ベルギー・ルクセンブルク合作映画/上映時間:94分/R15+/2021年1月21日日本公開

 

監督:ゾーイ・ウィトック

出演:ノエミ・メルラン

   エマニュエル・ベルコ

   バスティアン・ブイヨン ほか

 

人間の女性とテーマパークのアトラクションとの恋を描いたファンタジーです。

主演は『燃ゆる女の肖像』でリュミエール賞主演女優賞を受賞し、セザール賞にもノミネートされるなどフランス映画界で高い評価を受けたノエミ・メルラン。

 

あらすじ

 

内気な性格でアトラクションのミニチュア制作が好きなジャンヌ(ノエミ・メルラン)は、幼いころから訪れていたテーマパークの夜間スタッフとして働き始める。そこで新たに導入されたアトラクション「ムーブ・イット」を目にした彼女は、その全てに魅了され“恋”に落ちる。ある夜、ジャンヌがムーブ・イットに「ジャンボって呼んでいい?」と語りかけると、ジャンボは彼女の思いに応えるようにライトを灯して動き出す。

シネマトゥデイより)

 

エッフェル塔に恋をし、実際に法的手続きを経てエッフェル塔と結婚したというアメリカ人女性(そんな方がいらしたのですね?)の新聞記事から着想を得た監督のゾーイ・ウィトックが、人間の女性とテーマパークのアトラクションとの恋を描いた奇想天外なファンタジー・ラブストーリーです。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

上映時間の短い映画を探していて、梅田の映画館で、某セーラー服美少女戦士の映画を観に行ったとき、チラシが置いてあった本作を見つけ、お手ごろ上映時間だったので、内容もまったく知らず選んでしまいました。

 

R15+指定・・・と言うのは、観始めてすぐに納得。(『シェイプ・オブ・ウォーター』もR15+指定でしたからね)

 

性格の内気なジャンヌにとって、楽しみはアトラクションのミニチュアを制作すること。彼女は幼い頃から通ってきたテーマパークの夜間スタッフとして働きはじめます。

 

そこで彼女は新たに導入されたアトラクション“ムーブ・イット”に出会います。煌々と輝くライト、美しいメタリックのボディ、熱く流れる油圧のオイル、そのすべてに魅力されたジャンヌはひと目で恋に落ちます。

 

ある静かな夜、「“ジャンボ”って呼んでいい?」と語りかけるジャンヌ。やがて、彼女の想いに呼応するようにジャンボはライトを灯し動きはじめた・・・。

 

・・・なんと言いましょうか?

人間以外のものに恋愛感情を抱いてしまう作品と言うと、先ほど書きましたアカデミー賞作品賞受賞のギレルモ・デル・トロ監督の『シェイプ・オブ・ウォーター』(2017)がありましたが、こちらは遊園地のアトラクションに恋してしまう女性を描いた作品です。

 

主人公のジャンヌ(フランスの女性はみんなジャンヌかと思ってしまいました。もちろん違いますが)は人見知りで孤独。

趣味は遊園地の観覧車などのミニチュア模型を作ること・・・というフランスのマドモアゼル・ヲタク。(そんな言葉があるかは分かりませんが・・・)

遊園地の夜間清掃員として働くジャンヌは、ある日、新しくできたアトラクション清掃中、そのアトラクションに声を掛けます。

すると、そのアトラクションは彼女の声に反応するかのように点灯を始め、自然に動き始めます。

 

単なる誤作動なのですが、これでジャンヌは相思相愛だと思い込んでしまいます。

そのアトラクションに「ジャンボ」と名づけ、そう呼び始めます。

・・・う~ん、私は”絶対新日本プロレス派”なので、「俺たちの世代」的には”長州”、”藤波”、”前田”と名づけてもらいたかったですが、こればかりは仕方ありません。(・・・?)

 

ジャンヌの妄想で、ジャンボのオイルを体中に塗りまくり、それを舐めたりするシーンがありますが、主演の女優さんの脱ぎっぷりは立派ですが、そこまでエロチックに描く必要あったかな?と思ってしまいました。

 

ある夜、ジャンボはジャンヌにまったく反応しなくなります。

冷たくされたと思い込んだジャンヌは当てつけに遊園地の従業員とえっち。

それに嫉妬したと思いジャンボはさらにジャンヌの呼びかけに応えなくなります。(誤作動しなくなっただけなのですが)

ここでも、この女優さん、裸でジャンボに抱きつく、さらに脱ぎっぷりの良さ。

プロですね~。

 

ジャンヌのお母ちゃんも旦那に逃げられ、男日照りが続き、働いているバー(だと思うのですが)で逆ナンパした初老の男を家へ連れ込んでおります。

この娘にこの母親と納得させられるものでございました。

 

その無愛想だった母親の新しいカレシが実は一番のジャンヌの理解者だったというオマケつき。

 

ヲタクである自分にも当てはまることなのですが、本作で描きたかったことは「他者と違う価値観などへの偏見の怖さ」のようなものだと感じました。

 

アトラクションに恋する。

普通なら「病院へ連れて行け」になりますが、「普通」になれないジャンヌは真剣そのもの。

こうしたある意味マイノリティへの考え方など、現代的なメッセージが映し出された映画と言えると思います。

 

・・・ですが、これが『シェイプ・オブ・ウォーター』より先に作られていたら、賞賛に値したかもしれませんが、完全に二番煎じになってしまったのが惜しい。

 

私のように石ノ森章太郎先生の作品を観て育った世代は、それこそ「キカイダー」や「ロボコン」など、機械と人間の触れ合いを子どものころから観ておりましたし、1983年にスティーヴン・キング原作、ジョン・カーペンター監督の『クリステーン』のように女性の魂が宿った自動車の物語も好きな作品です。

そういった系統の作品が好きな人にはそれなりに楽しめるのではないかと思いますが、あまりオススメはいたしません。

 

「俺たちの時代だ!」と雄叫びをあげた長州でしたが、満員の国技館のラストに鳴り響いたのは「猪木コール」の大合唱。

ファンは分かっていたんです。時代はまだ動いていなかったんですよね、あのときは・・・。(何の話しで〆ているんだよ、映画と関係ないじゃん!)

 

 

 

日本プロレス時代からアントニオ猪木さんを支え、第1期UWFに参戦したプロレスラーの木戸修さんが亡くなられました。73歳でした。

氏のご冥福を心からお祈りいたします。