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『ハケンアニメ!』

ハケンアニメ!』

 

2022年製作/日本映画/上映時間:128分/G/2022年5月20日日本公開

 

監督:吉野耕平

出演:吉岡里帆

   中村倫也

   尾野真千子 ほか

 

直木賞作家・辻村深月がアニメ制作の舞台裏を描いた同名小説を映画化した作品です。

期待の新人監督と崖っぷち状態の天才監督が、アニメ界の頂点を目指して火花を散らします。

 

あらすじ

 

最も成功した作品の称号を得るため熱い闘いが繰り広げられている日本のアニメ業界。公務員からこの業界に転身した斎藤瞳(吉岡里帆)は、初監督作で憧れの監督・王子千晴(中村倫也)と火花を散らすことになる。一方、かつて天才として名声を得るもその後ヒット作を出せず、後がない千晴はプロデューサーの有科香屋子(尾野真千子)と組み、8年ぶりの監督復帰に燃えていた。瞳はクセが強いプロデューサーの行城理(柄本佑)や仲間たちと共に、アニメの頂点「ハケン(覇権)アニメ」を目指して奮闘する。

シネマトゥデイより)

 

直木賞作家・辻村深月の小説の映画化です。

主人公の新人アニメ監督に『見えない目撃者』などの吉岡里帆

共演に中村倫也尾野真千子柄本佑ら。

監督は『水曜日が消えた』などの吉野耕平。

劇中のアニメーションの声に潘めぐみ高橋李依(「からかい上手の高木さん」)、花澤香菜堀江由衣ら豪華声優陣出演。

 

Netflixにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

正直、それほど観たいと思う映画では無かったのですが、2022年・第96回キネマ旬報日本映画ベストテンで、自分結構気に入っている『さがす』の9位を上回る7位にランクインしていたことと・・・

本日、1月15日は吉岡里帆さん、31歳(も、もうそんなお歳になられるのですね?オヂさん悲しい。😭)のお誕生日です。

お祝いの気持ちを込めまして、今回は主演の本作を選びました。

 

お誕生日おめでとうございます。

 

連続アニメ「サウンドバック 奏の石」で夢の監督デビューが決定した斎藤瞳。だが、気合いが空振りして制作現場には早くも暗雲が・・・。

瞳を大抜擢してくれたはずのプロデューサー・行城理は、ビジネス最優先で瞳にとって最大のストレスメーカー。

 

「なんで分かってくれないの!」、だけど日本中に最高のアニメを届けたい!そんなワケで目下大奮闘中。最大のライバルは「運命戦線リデルライト」。瞳も憧れる天才・王子千晴監督の復帰作だ。王子復活に賭けるのはその才能に惚れ抜いたプロデューサーの有科香屋子・・・しかし、彼女も王子の超ワガママ、気まぐれに振り回され「お前、ほんっとーに、ふざけんな!」と、大大悪戦苦闘中だった。

 

瞳は一筋縄じゃいかないスタッフや声優たちも巻き込んで、熱い“想い”をぶつけ合いながら “ハケン=覇権” を争う戦いを繰り広げる!!その勝負の行方は!?アニメの仕事人たちを待つのは栄冠か? 果たして、瞳の想いは人々の胸に刺さるのか・・・?

 

まず映画本編と関係ない話しからですが、柄本佑さん、身長が高いですね。

吉岡里帆さんと並んだシーン、吉岡里帆さん、柄本さんの肩くらいまでしか身長ありませんでした。

暇なので双方の身長調べましたが、柄本さんが183cm、では吉岡里帆さんがかなり低いのかと思ったら158cmと平均的にはあるように思いました。

 

・・・ただ、そこが本家・一文字隼人役の佐々木剛さんが激怒されていた理由のひとつなんですよね。

忙しいので池松壮亮さんの身長は調べておりませんが(今さっき暇って書いてなかったっけ?)佐々木さんは「一文字が本郷より背が高く目立ってどうするんだ」と話されておりました。

佐々木さんは本郷猛こそ真の主人公で自分は代役程度・・・と思われていたのかもしれませんが、庵野さん寄りの意見を書くと、たしかに本郷猛が主人公ですが、今も新作が作られている「仮面ライダー」シリーズの礎を築き、ここまでの人気作にした最大の功労者は世界で初めて”変身ポーズ”を決めた佐々木剛さん=一文字隼人だと言えます。

その一文字隼人をもっと目立つよう描きたかったのではないかと思います。

 

今でこそPCなどの技術もあり、昔ほどの過酷な仕事現場で無くなったとは言え、今もハードワークなのは間違いないアニメーション製作現場の舞台裏を描いた作品です。

 

また庵野さんの話しになりますが、旧エヴァンゲリオンの劇場版の製作発表が1996年秋にあり、記者会見で庵野監督が「本当に描きたかったエヴァンゲリオンの最後が作れる」と嬉しそうなお顔で話されておりましたが、公開予定は半年後の1997年春でしたが、私は間違いなく「2月頃、庵野さんが『間に合いません』と謝罪する姿が見える」と感じておりましたが、予想通りの謝罪会見が行われ、映画の公開(そこまでの未完のものが春に公開)は1997年7月19日でした。

それくらい昔(と言うほどでは無いかもしれませんが)は過酷な現場でした。

 

物を作る現場の熱意や意気込みなどはしっかり描かれていたと思うのですが、その熱量が画面からあまり伝わってこない、放映1週間前に急遽監督の鶴の一声で結末変更に大慌てする現場もそれほど苦労なく描いてしまっていた印象でした。

 

この作品の感想を書いている人の(評論家の方なども含む)面白いところはアニメにあまり興味が無い人は高評価、逆にアニメ好き(ヲタクまで行かないくらいの人も含む)には不評でした。

 

国立大学出て公務員になった主人公の瞳がその仕事(何かは描かれない)を退職してまでアニメ業界に入る下りから始まるのですが、最初の30分弱が苦痛で一回ギブアップしてしまいました。

吉岡里帆さんの映画はほかに候補があったので、そちらにしようかと思ったのですが、そちらは主演では無かったので、やはり頑張ってこの映画を観ることに。

中村倫也さん演じる天才監督と呼ばれる千晴が登場してから少しエンジンがかかってきたと思いました。

 

・・・ただ、「これ、いつの時代?」と思ってしまう設定なのが、この新人監督の瞳の初作品のロボットアニメとカリスマ的人気天才監督の千晴の製作するアニメ(美少女系なのですが、魔法少女もののようでしたが、こちらはよく分からなかった)が夕方5時の、いわゆる”お子ちゃま”が観れる時間帯で同時間に放映されるという展開。

 

今や「サザエさん」ですら”打ち切り”が囁かれているご時世で、このような、どちらかと言うとヲタ向けアニメを夕方の同時刻にぶつけ合うというのも、ちょっと「あり得ない」と思ってしまいますし、今の時代、アニメ番組にかかわらず、その時間テレビの前で鑑賞よりネットの動画配信などで観る人の方が多いように思います。(実際映画でもスマホで観ている人がほとんど)

そこに双方視聴率争いみたいな展開はちょっとムリがあったかな~?と思いました。

 

千晴は最終話で主人公を殺すと言い出します。

尾野真千子さん演じるプロデューサーや会社のお偉方は猛反発。

「夕方5時の子どもさんの観るアニメですよ。殺せないでしょ」と一掃。

 

・・・かつて、1975年、フジテレビ系の「世界名作劇場」で放映された「フランダースの犬」。

とても悲劇的な結末を迎えることで有名なこの作品は「世界名作劇場」史上最高視聴率を記録しております。

しかし、この作品を持って行った海外での反応は凄まじく、「日本では子どもに死ぬシーンを平気で見せるのか?これは放送できない」とほとんどの国で拒絶されてしまいました。

アルプスの少女ハイジ」と「母をたずねて三千里」の間に放映された「フランダースの犬」ですが、「ハイジ」と「母をたずねて~」の主要スタッフだった宮崎駿監督もわずかながら参加。

宮崎監督曰く、「視聴率は大成功したんですけど、僕はゴミみたいな作品だと思うんですけどね」と本作を酷評。

Wikipediaを参考にさせていただきました)

 

・・・宮崎監督も本年度ゴールデングローブ賞受賞するほどの巨匠ですが、口の悪さがねぇ~、ちょっとわたくしは好きになれません。

10数年前に声優というお仕事をされている方たちに、とんでもない侮辱的発言を公の場でされて、声優さん&ファンを完全に敵に回してしまいました。

その発言はここでは書けないほどのもので、今話題になっている吉本興業のM本氏が言った、言わないの言葉の比ではございません。

 

そんな自分は子どもの頃から主人公、その他の登場人物が死んでしまうアニメや特撮番組を多く観てきたので、今は厳しいんだな~と思ってしまいました。

フランダースの犬」ほど昔では無い「ドラゴンボール」も、かなりの数のキャラクターが複数回死んでいる、主人公の孫悟空はたしか2回死んでいるような記憶があるのですが・・・。

 

本作もアニメ業界を描いているので、当然声優も描かれております。

瞳の作品のヒロインを劇中、実力は今ひとつですが、アイドル的人気の声優が演じるという設定。

柄本佑さん演じるプロデューサーはビジネスも考えて。

しかし、演技力に未熟さを感じる瞳は彼女にダメ出しを連発します。

 

そのアイドル声優を演じた高野麻里佳さん。

わたくし存じあげなかったのですが、当然プロの声優さん(青二プロダクション所属)です。

ウマ娘プリティダービー」などに出演されているそうです。

 

劇中では自分がパンダと重々承知のうえ、それでも作品が好きで多くの人に観てもらいたいとインスタなどで聖地(物語の舞台になった場所)の紹介をしている姿に彼女を見下していた瞳が感動するというシーンがあり、そこは自分も胸がジ~ンとしてしまいました。

 

自分はプロの声優さん、とても立派なお仕事をされていると思っております。

いくら世界一の巨匠でも、かなり上から目線の侮辱的発言は問題あると思うのですが・・・。

 

先月『茜色に焼かれる』を観て、間違いなく尾野真千子さんは日本映画界トップ3に入る実力派女優だと確信いたしました。

そのあとだっただけに期待もありましたし、『茜色~』は超えられないだろうな~という気持ちもありましたが、あまりに面白味の無いキャラクターにガッカリ。

演技は悪く無かったのですが、こんなつまらない役をわざわざ尾野真千子さんに演じてもらわなくてもと思ってしまいました。

 

「国民総オタク時代」なる言葉が登場し、この映画に出てくる人たち、瞳のマンションの隣の部屋に住む「アニメはウソの世界だから嫌い」という正論(?)を言う子ども以外が全員、この2人の監督のアニメ番組を観ているという、本当にあり得ない展開に。

 

アニメ評論家の岡田斗司夫氏は本作を賞賛しつつ、内容はファンタジー(現実的では無い)と言っておりました。

無から物を生み出し苦労、またはその才能など、とてもいい題材なのですが、描き方に深みが感じられなかったのが残念な気がいたしました。

 

ものづくりに情熱をそそぐ主人公を描いた日本映画では2015年の佐藤健さん&神木隆之介さん主演の『バクマン。』の方が良かったと思いました。

自分はアニメ&特撮ヲタクですが、マンガは一切読みません。

ですが、マンガを描く人たちの熱意が十分伝わって感動もありました。

本作も悪くは無いのですが、全体的にあっさり過ぎる気がいたしました。

 

とことんリアルにこだわるのであれば、ロボットアニメ、しかも全12話で毎回違う形態に変わるという某玩具メーカーは大喜びしそうな題材にもかかわらず、そうしたメーカー(バンダ○から拒否されたのか?)とのやり取りもありませんでした。

 

アニメーション業界を描いたアニメーションで「SHIROBAKO」という作品があります。

同じ題材なら、私はそちらをオススメしたいです。

 

批判的なことばかり書いてしまいましたが、吉岡里帆さんの演技はとても良かったです。

私はグラビアからこの方好きになったので、正直今まで演技で「良かった」と思ったことは無かったのですが、本作は”女優・吉岡里帆さん”を十分堪能できたと思っております。

今度は主演ではありませんが、違う作品、ぜひ観てみたくなりました。

 

 

 

お綺麗ですね~。

ただ、ヲタッキーなことを言わせていただくと、ウルトラセブンは寒さに弱いです。

 

本当にお綺麗です。