『ジョン・ウィック:コンセクエンス』
原題:John Wick: Chapter 4
2023年製作/アメリカ映画/上映時間:169分/R15+/2023年9月22日日本公開
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーヴス
ビル・スカルスガルド ほか
キアヌ・リーヴス演じる伝説の殺し屋ジョン・ウィックの死闘を描くアクションシリーズの第4弾です。
裏社会の掟(おきて)を破ったことで粛清の対象になったジョンが、組織と決着をつけるべく動き出します。
監督は前3作と同じくチャド・スタエルスキ。
あらすじ
伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーヴス)は、裏社会のおきてを破りながらも粛清の包囲網を生き延び、全てを支配する組織「主席連合」と決着をつけることを決意する。一方、組織内での勢力拡大をもくろむ高官グラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)は、裏社会の聖域だったニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破。さらにジョンの旧友でもある盲目のケイン(ドニー・イェン)を抱き込み、ジョン狩りを始めようとしていた。
(シネマトゥデイより)
キアヌ・リーヴスが伝説の殺し屋に扮した大ヒットアクションのシリーズ第4作です。
共演にローレンス・フィッシュバーン、ランス・レディック、イアン・マクシェーンらおなじみのキャストに加え、『イップ・マン』シリーズなどのドニー・イェン、『IT/イット』シリーズなどのビル・スカルスガルド、真田広之、リナ・サワヤマらが新たに出演。
今月もよろしくお願いいたします。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
シリーズを重なるごとに、アクションに派手さと過激さが増すこのシリーズ。
4作目楽しみにしておりました。
過去作は1、2作目はWOWOWで、3作目は映画館で鑑賞しております。
裏社会の掟(おきて)を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。地下に身を潜めながら、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。
組織内での勢力拡大を狙う若き高官、グラモン侯爵は、これまで聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。
そんな中、日本の友人、シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れた・・・。
シリーズ第1作目が上映時間1時間41分。
そして、シリーズ第4作目の本作の上映時間2時間49分。
どちらかと言うと自分が生まれる前のクラシックな名作映画が好きな自分は、この上映時間はスティーヴ・マックイーン主演の『大脱走』やアカデミー賞受賞のミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』とほぼ同じ(『サウンド~』は途中休憩もあり)と思ってしまいました。
鑑賞前はアクション映画のシリーズ第4作目としては、ちょっと「長くない?」と思っておりました。
・・・ですが、いざ始まってみると、スピーディな展開。
怒濤のアクションシーンの連続に最後まで飽きずに鑑賞できました。
本作を飛行機機内で半分寝ながら鑑賞したオリヴァー・ストーンが「目を覚ますたびにキアヌが人を殺していた」と感想を話していたそうですが、それくらいキアヌの肉弾戦のアクション満載・・・でありながら、ワンパターンにならない工夫もあり、とても良かったです。
ローレンス・フィッシュバーン、ランス・レディックらおなじみのメンバーの登場は嬉しかったですね。
フィッシュバーンは別のシリーズの4作目には出演しなかったので、なおさら。
頂点に立つ組織・主席連合との落とし前をつけようとするジョン。
影ながら、その力添えをする彼らの姿がいいですね。
舞台は序盤大阪になります。
そこで、ジョンの友人として真田広之さん登場。
キアヌとはあの意味不明な「忠臣蔵」以来ですかね?
あれを「忠臣蔵」と認めてしまうと、大石内蔵助が黙っていない気も・・・。
「迷惑カケテ、スマナイ」。
実際大阪でロケしていないのが少し残念でしたが、美術スタッフの方は『ブレードランナー』の観過ぎでは無いかと思うほど、私でも読めない漢字の連発や、用心棒に関取など、かなり誤解(?)されている日本の姿も・・・。
その大阪のコンチネンタルに現れる、かつてはジョンの親友、今はワケあって組織の殺し屋として雇われているケイン。
ケインを演じるドニー・イェンがカッコいい!
このシリーズ恒例のワンちゃん。
今回も絶妙な4本脚での立ち位置でした。
ジョンの抹殺を掲げるグラモン公爵を演じたビル・スカルスガルドなど、脇の俳優も光っており、かなり荒唐無稽な物語も違和感無くリアルに見えるものが生み出されていたような気がいたしました。
次から次へと襲いかかってくる敵を殺しまくるジョン。
同じパターンの繰り返しであるのは間違いないのですが、観ていてなぜか爽快。
「中身が無い」なる批判もどこ吹く風。
これだけ体使ったアクションやれば「文句ないだろ」的なキアヌやスタッフの意気込みにあっぱれです!
終盤のパリ・サンクレール寺院前の222階段の階段落ちのシーンは『蒲田行進曲』を思い出してしまい、「銀ちゃん~!」と声を出したくなるほどでした。
キアヌも正直若いという年齢ではありません。(今年で60歳)
ですが、これだけ体を張り、また不思議に見えないようなカメラワークを駆使するなど、キアヌ本人と監督のこの映画にかける情熱が伝わってきました。
2010年代から、あまりいい作品に恵まれていなかったキアヌの文句なしの当たり役。
それをここまで凄い肉弾戦のアクションで頑張ったキアヌのプロ魂は賞賛に値すると思います。
荒唐無稽な物語、ヘンテコ日本、無限と思ってしまう拳銃の弾丸・・・。
それらもまったく気にならない、最後までキレ味抜群の2時間49分。
このようなヴァイオレンス・アクション映画の醍醐味は”復讐もの”にあるように思います。
そして、その相手が大きければ大きいほど、面白さが増します。
そうしたツボをしっかり押さえた本作は、自分の中では第1作目と並ぶ・・・またはシリーズで一番好きな作品と言っていいかもしれない、最高に面白い映画でした。
キアヌ自身も製作総指揮担当し、それでいて自分だけが目立つ作りにせず、新顔のドニー・イェンと真田広之さんにもちゃんと見せ場を用意するところがすばらしいです。
「美味シイ、ラーメン、アリガトウ・・・」(←劇中このようなセリフはありません)と言いたいですね。
「押忍」。