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『フラッグ・デイ 父を想う日』

『フラッグ・デイ 父を想う日』

原題:Flag Day

 

2021年製作/アメリカ映画/上映時間:108分/PG12/2022年12月23日日本公開

 

監督:ショーン・ペン

出演:ディラン・ペン

   ショーン・ペン

   ジョシュ・ブローリン ほか

 

イントゥ・ザ・ワイルド』などの監督作もある俳優のショーン・ペンが監督と主演を兼任し、実際に起きた贋札(にせさつ)事件を基に映画化した家族ドラマです。

主人公のジャーナリストをペンの実娘であるディラン・ペンが演じております。

2021年・第74回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作品。

 

あらすじ

 

1992年のアメリカ。贋札(にせさつ)事件を起こしたジョン(ショーン・ペン)が、裁判を前に逃亡する。父親の犯行を知っても「わたしは父が大好き」と口にする娘のジェニファー(ディラン・ペン)には、幼いころに体験した父との幸福な思い出があった。

シネマトゥデイより)

 

ジャーナリストのジェニファー・ボーゲルが2005年に発表した回顧録を原作に、愛する父が実は犯罪者だったと知った娘の葛藤と家族の絆を、実話を基に描き出した家族ドラマです。

ショーン・ペンが初めて自身の監督作に出演し、実娘ディラン・ペンと共演しております。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

本日、2月12日は皆さんご存じのとおり、振替休日ですが、アメリカの俳優、ジョシュ・ブローリン、56歳のお誕生日でもあります。(”グーニーズ”も、もうそんなお歳になってしまうのね?己の老化を実感してしまいます)

お祝いの気持ちを込めまして、今回は出演作品を選ばせていただきました・・・と言いたいのですが、本作での出演シーン、5分ほど。

しかも、ジョシュ・ブローリンで無くてもいいような役でした。

もう1本候補(こちらは主演)があったのですが、12年も前の作品だったため、本作を選びましたが、ジョシュ・ブローリンのお誕生日を祝うという意味ではハズしてしまったかもしれません。

何はともあれ・・・

HappyBirthday!

 

1992年、全米にショッキングなニュースが流れる。アメリカ最大級の贋札(にせさつ)事件の犯人であるジョンが、裁判を前にして逃亡したのだ。彼にはジェニファーという娘がいました。

 

父の犯罪の顛末を聞いたジェニファーは、こうつぶやきます・・・「私は父が大好き」。史上最高額の贋札(にせさつ)を非常に高度な技術で偽造したジョンとは、いったいどんな男だったのか?

 

父の素顔を知っても愛情は変わらなかった娘との関係とは?ジェニファーが幼い頃から「平凡な日々を見違えるほど驚きの瞬間に変えた」父との思い出を宝物のように貴い、だからこそ切ない日々がひも解かれていく・・・。

 

2度のアカデミー賞主演男優賞に輝くショーン・ペンの監督6作目になります。

2作日本劇場未公開なので、公開作は4本、その中で自分が鑑賞しているものは2008年公開の『イントゥ・ザ・ワイルド』という作品だけです。(でも、この作品はとても良かったです)

自ら監督作品に出演するのは初。

16mmフィルムを使い、意図的にザラついたような感じの映像にするなど工夫が感じられるものになっておりました。

 

・・・なのですが、「ショーンよ、お前もか?」と言いたくなる自分の子どもを売り出すためのプロモーション的要素が取り込まれた映画になっておりました。

この手の映画はウィル・スミスの映画で散々観てきたので、正直ウンザリ。

正妻の間の娘さんだとすると・・・あの方とのと思ったら『フォレスト・ガンプ/一期一会』、『ワンダーウーマン』などで知られるあの方の娘さんでした。

 

この娘さん、過去の1本出演映画があり、今回が映画出演2作目。

当然主演は初めて。

ぶっちゃけ言わせていただくと、1本の映画の主役を演じられる力量も技量も無く、観ていて、かなり辛かったですね。

 

一応、本日のメインイベンターのジョシュ・ブローリンもお父さんが俳優で二世です。

ですが、お父さん、それほどたいした俳優さんで無かったこともあり(←失礼)、ジョシュ・ブローリンを「親の七光り」などと言う人はおりません。

それどころか、お父さんの存在を忘れさせてしまう活躍をみせております。

 

大人になれないダメ男を演じさせると本当に上手いショーン・ペン

ただ、彼が俳優として出演してしまったことで、娘さんとの演技力の差を見せつける結果になってしまいました。

なぜかクラシック曲、特にショパンが好きというキャラクターで、「(英国の)ロックバンドよりショパンだ!」と吠えるシーンがあります。

どうせなら自虐ネタで「ショパンよりマドンナだ!」と吠えてほしかった。(時代設定が’70年代なのでムリでしたが・・・)

 

脚本が『フォードVSフェラーリ』、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』のジェズ・バターワース&ジョン=ヘンリー・バターワースだったので、その部分は少し期待していたのですが、犯罪ドラマとしてまったく盛り上がりません。

実話なので、あまり大げさな描写を入れようとしなかった(『フォードVS~』も実話ですが)のかもしれませんが、あまりに派手さが無く、罵り合う親子や夫婦のシーンの連発に疲れてしまいました。

 

もの凄く精巧に作られた贋札(にせさつ)を製造していた父親・・・というのが本作の最大の売りなのですが、そのようなシーンはほとんど無し。

刑務所から出所したお父さんが「印刷会社を買い取った」というシーンがあり、それから次のシーンでは贋札(にせさつ)製造の容疑で警察に追われているシーンへ・・・。

映画を観ている人が一番知りたい、どうやって、そこまで精巧のものを作りあげたのかというものがまったく描かれておりません。

痒いところに手が届かない映画でした。

 

「親は無くとも子は育つ」。

ダメ父とダメ母のところを行き来して、ジャーナリストとしての成功を手にするジェニファー。

その姿に演じたディラン・ペンが10代のとき、両親が離婚した心境を重ねてしまいます。

そのとき、どのような気持ちだったのか?

彼女が”ペン”と名乗っているのは、生まれつきだったからなのか?

それは本人にしか分からないことだと思いました。

 

構想に15年とありましたが、逆に煮込みすぎてダメになってしまった料理のような感じで、同じようなシーンの連続、誰一人共感できないキャラクター、ダメダメな主演女優とあまり褒めるところの無い映画でした。

当初は『21グラム』(ショーン・ペンが出演)のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが監督する予定だったそうですが、そちらが観てみたいと思ってしまいました。

 

俳優・ショーン・ペンが一緒に仕事をしたテレンス・マリックポール・トーマス・アンダーソンの影響を受けすぎちゃった感が強いです。

俳優としては合格点ですが、監督としては残念な結果でした。