『BAD LANDS バッド・ランズ』
2023年製作/日本映画/上映時間:143分/PG12/2023年9月29日日本公開
監督:原田眞人
出演:安藤サクラ
山田涼介
生瀬勝久 ほか
黒川博行の小説「勁草」を、『関ヶ原』などの原田眞人監督が映画化したクライムサスペンスです。
特殊詐欺を生業とする姉とその弟が、大金の動く取引に加担し、巨悪との対立に巻き込まれていきます。
あらすじ
持たざる者が持つ者から生きるための糧を奪う世界で、橋岡煉梨(安藤サクラ)は弟のジョー(山田涼介)と共に特殊詐欺を生業として生きていた。ある仕事を受けた二人は、億を超える大金を手に入れたことから、巨悪に追われる身となる。
(シネマトゥデイより)
直木賞作家・黒川博行の小説「勁草」を、『関ヶ原』の原田眞人(以下、原田)が監督・脚本・プロデュースを務めたクライムサスペンスです。
主演に『万引き家族』などの安藤サクラと『鋼の錬金術師』シリーズなどの山田涼介、共演に生瀬勝久や吉原光夫、江口のりこ、宇崎竜童など。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
本日、2月18日は安藤サクラさん、38歳のお誕生日です。(ですが、来月になると、綾瀬はるかさんの方が年上になる・・・。何とも言えませんが)
安藤サクラさんですと、2022年・第96回キネマ旬報日本映画ベスト・テンで2位になった『ある男』という作品が「いいな~」と思っていたのですが、3月1日からの配信。間に合わず、仕方なく原田の映画を選んでしまいました。(これが悪夢の始まり)
余談ですが、製作に藤島ジュリーK.氏のお名前がありました。
お誕生日、おめでとうございます。
<持たざる者>が<持つ者>から生きる糧を掠め取り生き延びてきたこの地で、特殊詐欺に加担するネリと血の繋がらない弟・ジョー。
二人はある夜、思いがけず“億を超える大金”を手にしてしまう。 金を引き出す…ただそれだけだったはずの2人に迫る様々な巨悪。 果たして、ネリとジョーはこの<危険な地>から逃れられるのか・・・?
始まって5分で一度断念。
ほかに当てが無く、仕方なく2度目。10分で二度目の断念。
やはり本当に当てが無く(ジョン・トラヴォルタも今日誕生日なのですが、『サタデー・ナイト・フィーバー』、『パルプ・フィクション』はもう数回観ておりましたので・・・)三度目の正直。
かなりの苦痛に耐えながら、何とか・・・ようやく何とか最後まで鑑賞できました。
原田の映画のダメなところは、映像で表現することより、ほとんどセリフで説明的に表現するところだと思います。
演劇はステージに遠い座席の観客に分かるようセリフで説明するというのは「有り」なのですが、映画なので、映像で表現できるものは、映像で描いてもらいたいと思いました。
例えば、ナンバー2ボスの天童よしみさん(このキャスティングもな~)の部下の1人に安藤サクラさんがナイフを振りかざします。
何が起こっているか分からなかったのですが、その部下が突如悲鳴を。
もう1人の部下が様子を見て「指切れてます。今から医者行ってつけてもらいます」というセリフが・・・。
ナイフとその人物の距離、かなりあったように観えましたが、そもそもセリフで説明より映像で描けよと言いたくなりました。
原田は女性を描くのが上手くありません。
『関ヶ原』の有村架純さん、『検察側の罪人』の吉高由里子さん、『ヘルドッグス』の松岡茉優さん。
皆さんすばらしい女優さんですが、これらの作品では魅力は発揮されませんでした。
その原田が女性が主人公の原作を扱ってしまった段階で、すでに”駄作決定”になってしまったと言ってもいいのではないかと思いました。
安藤サクラさんは言うまでも無く日本映画界を代表する女優さんです。
しかし、本作では、本当にもったいない使われ方でした。
安藤サクラさんは頑張っていたと思います。
ですが、キャラクターは合っていないように感じました。
東京で性の奴隷になり、DV受けて逃げ、義弟で血の繋がらない山田涼介さん演じるジョーにも性的な視線を向けられるという役柄は正直似合わないように感じました。
逃げ帰った大阪で特殊詐欺グループの名簿屋という肩書きを持つ生瀬勝久さん演じる男に頭を下げて助けてもらいます。
このシーンもヘンテコりん。
卑猥な表現はできるだけ避けますが、「ワシのを舐めろ!」と言ったら靴なんですね、この場合・・・。
とにかく映像では無くセリフで物語進めるので、いつも通り原田の映画らしさ全開で全員早口でセリフ吐き散らします。
すべて聞き取るのが困難なので、配信の場合原田の映画は字幕をつけて観るようにしております。
『関ヶ原』だけ劇場鑑賞だったので、字幕無しで本当に分かりづらく辛かったです。
自分が英語が堪能なこともあり、時より意味不明な英語を交えたセリフが登場し、「何の意味があるのだろう?」と思ってしまいました。
そして、相変わらずアメリカのカルチャーの知ったかぶりをひけらかす。
”ミネソタ・ティンバーウルブズ”・・・この映画観た人どれだけの方がご存じでしょうか?
『鋼の錬金術師』(原作・映画ともに未見です。原作ファンは大激怒)、『何とか雑貨店の奇蹟』、『記憶屋 あなたを忘れない』、『大怪獣のあとしまつ』。
山田涼介さんの映画で当たりはありません。
現在公開中の美波ちゃんとの共演作も酷評多いですね。
数多き黒歴史に新たな1本が加えられました。
大阪のイメージを悪くするからか、吉村知事の逆鱗に触れたのか、あまり大阪ではロケされておりませんでした。
滋賀県や埼玉県でのロケがほとんどだったようです。
『検察側の罪人』や『燃えろ剣』と某J事務所のタレントを起用し、食いぶちを得てきた原田。
その某J事務所があのようなことになって、一番ダメージを喰らったのは原田かもしれません。
その某J事務所のタレントの排除を決めたNHKに対し、受信料不払い活動を始めた元ジャニオタの方たち。
NHKと原田眞人という自称映画監督の仕事が無くなってくれたら日本の芸能界の未来は明るいように思う気も・・・。
”サイコパス”の人は自分のことを「オレはサイコパスだ」なんて言わないと思います。
トラヴォルタの今日誕生日と先ほど書きましたが、『パルプ・フィクション』はヴァイオレンスあり、俳優さんの使い方も上手い、シナリオもすばらしい、そして義理・人情と日本映画のような描写もありました。
それに比べ原田はすべてアメリカ映画の真似事。
良かったところ・・・ひとつもありません。
あの『ヘルドッグス』の方がまだマシでした。
山田涼介さんのファンのための山田涼介さんのファンサービスシーン満載の映画にわたくし、ご用はありません。
本当にあの事務所、ああなって、今後原田が映画撮れるのか?
地獄のような苦痛の2時間23分。
酷い映画に対する精神面は鍛えらました。