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『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』

『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』

原題:Horizon Line

 

2020年製作/スウェーデンアメリカ合作映画/上映時間:92分/G/2021年8月6日日本公開

 

監督:ミカエル・マルシメーン

出演:アリソン・ウィリアムズ

   アレクサンダー・ドレイマン

   キース・デヴィッド ほか

 

飛行中にパイロットを失い絶体絶命の状況に陥った小型セスナ機を舞台に、同乗していた主人公と元恋人が生き残りをかけて奮闘する姿を描いたサバイバルパニックムービーです。

主人公を『ゲット・アウト』のアリソン・ウィリアムズが演じております。

 

あらすじ

 

インド洋に浮かぶ孤島で開かれる、友人の結婚式に招待されたサラ(アリソン・ウィリアムズ)。島に向かう小型セスナ機に搭乗するが、かつての恋人ジャクソン(アレクサンダー・ドレイマン)と乗り合わせてしまう。気まずい雰囲気に包まれる機内だが、彼らは眼前に広がる青い海と空に心を弾ませる。しかし、上空6,000メートルでパイロットが心臓発作を起こして急死。自動操縦は機能せず、GPSも故障してしまう。混乱するサラたちに追い打ちを掛けるように、前方から乱気流が迫ってくる。

シネマトゥデイより)

 

小型セスナ機に乗り合わせた元カップルの男女が、飛行中にパイロットが急死するという事態に見舞われるサバイバルパニックを描いた作品です。

監督は『コールガール』(2012年・日本劇場未公開作品)のミカエル・マルシメーン。

 

Amazonプライムビデオにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

ここのところ暗い映画が続いていたことで少し明るめの映画、間もなく見放題終了、上映時間がお手ごろという理由だけで、このワケの分からないタイトルの映画を選んでしまいました。

 

友人の結婚式のため小型飛行機でインド洋に浮かぶ南の孤島へ向かうことになったサラ。タイミング悪く、偶然乗り合わせたのはかつての恋人で今は気まずい関係のジャクソン。内心穏やかでないものの、大人の余裕を演出しながら、目の前に広がる真っ青で美しい海と一面の快晴に心弾ませ、空の旅は始まりました。

 

離陸してほどなくして、地上から6000メートルの上空でパイロットが心臓発作を起こして急死するというアクシデントが発生。自動操縦は機能せず、GPSや通信機器も故障し、前方には巨大乱気流が迫っているという絶体絶命の状況下で、サラとジャクソンは生き残るためある行動に出る・・・。

 

原題の”Horizon Line”には「地平線」、「水平線」(この作品の場合、「水平線」だと思います)という意味があるのですが、もう犯罪レベルの邦題をつけることに関しては天才的な才能(←もちろん褒めておりません。怒っております)をお持ちの配給会社ギャガの本領発揮の凄い、凄すぎるタイトルの作品です。

 

しかも、この作品、一度違うタイトルで公開されると発表されておりました。

それが『元カレとセスナに乗ったらパイロットが死んじゃった話』。(これも凄い、間違いなく犯罪レベルのタイトル!)

この邦題に関し、権利元の STX 社は「日本の旧タイトルの承認プロセスにおいて一部表現について当社の誤認識があり、誤って承認してしまったため、日本の配給会社に邦題変更を依頼する経緯となりました」とコメントし、このタイトルに変更されました。(どっちもどっちのタイトルですが・・・)

 

酷い邦題という意味ではギャガに負けていなかった旧20世紀フォックス

2017年・第89回アカデミー賞において作品賞など3部門ノミネートされた、こちらの『Hidden Figures』という作品。

2017年・第91回キネマ旬報外国映画ベスト・テンにおいて、同年アカデミー賞作品賞受賞の『ムーンライト』の9位の上を行く8位になるほどの傑作(自分も大好きです)なのですが、タイトルには「隠された人物たち」という意味があります。

 

まだ人種差別が残る1960年代のNASAにおいて、宇宙計画に多大な貢献をした3人の黒人女性の姿を描いた作品なのですが、この映画に日本の配給会社がつけたタイトルが『ドリーム/私たちのアポロ計画』。

この映画はマーキュリー計画を扱った作品にもかかわらず、このような偽りのタイトルをつけられたことで映画ファンが抗議。

この作品の監督も涙ながらに「私もどうしてこのようなことになったのか分かりません。今からでは(タイトル変更は)間に合わないのでしょう」と語られております。

・・・今まで本当に酷い邦題を数多く見て、聞いてきておりましたが、監督を泣かせたのはこの作品が初めてです。

配給会社も「日本人にはアポロ計画の方が分かりやすいから」(←日本人をバカにし過ぎやろ!)という理由で監督泣かせてはいけません。

映画は本当にすばらしいので(最終的に『ドリーム』というタイトルになりました)、オススメです。

 

意見の食い違いから別れたカップルが1年後、共通の友人の結婚式参列のため、インド洋に浮かぶ島へ向かう途中、パイロット急死でお互い生き残るため、力を合わせるという、まあありきたりのストーリーなのですが、イヤミが無く、すんなり観れる映画になっていたと思いました。

 

映画の内容とは関係ないことですが、ヒロインの方がISUZUの自動車に乗っておりました。

 

予告編を観た感じですと、お互い顔を合わせるのも嫌だった2人が偶然セスナ機に乗り合わせてしまった・・・ような設定だと思ったら違いました。

結婚式前日、島で顔を合わせた2人は1年前に別れたことをいろいろお互いの言い分を言いながらもふたたび恋のお熱が上がりベッドイン。

それが原因で寝坊。

結婚式を行う島へ向かうフェリー搭乗が間に合わず、仕方なくセスナ機に乗り合わせるという筋書きでした。

 

閉鎖された空間、動き続ける乗り物、男女のストーリーと聞くとキアヌ・リーヴスサンドラ・ブロックの名作『スピード』がありますが、さすがにあの映画には及びません。

・・・むしろ、また『スピード』観たくなっちゃったな~と思ってしまいました。

 

ただ、ヒロインの女優さんはとても綺麗だと思っておりましたら、鑑賞後知りましたが『ゲット・アウト』の主人公の恋人を演じた女優さんでした。

 

古くはフランク・キャプラの名作『或る夜の出来事』など、本当にいがみ合ったもの同士が目的地を目指す・・・という物語の方が盛り上がるとは思いますが、それらとの差別化を図った作りは逆に微妙な印象を残してしまった感がありました。

そもそも、いつ心肺停止してもおかしくない病人の操縦するセスナ機に乗るのはお金貰っても嫌ですし、機内ではマイク付きヘッドフォンでないとエンジン音などで会話が聞こえないはずが、途中からヒロインと元カレはそれ無しで普通に会話しちゃうなどツッコミどころ満載の作品です。

 

理屈で観てはいけない映画です。

そう割り切って観たら、それほど悪い映画では無いと思います。

 

ほとんどがVFXなので、スタッフ多めでエンドクレジットが5分くらいとかなり長めでした。

 

ラストの元カレのセリフは『タイタニック』のパロディ・・・なのかな?