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『フレンチ・イグジット~さよならは言わずに~』

『フレンチ・イグジット~さよならは言わずに~』

原題:French Exit

 

2020年製作/カナダ・アイルランド・イギリス合作映画/上映時間:113分/日本劇場未公開作品

 

監督:アザゼル・ジェイコブス

出演:ミシェル・ファイファー

   ルーカス・ヘッジズ

   トレイシー・レッツ ほか

 

ミシェル・ファイファーが主演を務め、2021年・第78回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)にノミネートされたシニカルなコメディです。

破産したセレブ女性の破天荒な姿が映し出されます。

 

あらすじ

 

「お金が尽きる前に私は死ぬ」
それがマンハッタンに住むのセレブ、60歳フランシスの計画だった。でも計画通りにいかないのが人生。12年前に亡くなった夫フランシスの遺産も全て使い果たし、彼女は家財道具をお金に換え、パリのアパートで残りの人生を過ごそうと決意する。そんな彼女のお供をするのが息子のマルコムと、亡き夫の魂が宿っているかもしれない猫のちびフランクだった。

ソニーピクチャーズHPより)

 

バットマン リターンズ』のミシェル・ファイファー主演のシニカルコメディです。

共演に『ある少年の告白』のルーカス・ヘッジズ、『ファーザー』のイモージェン・プーツら。

パトリック・デウィットの小説を原作者自らの脚色で(これが一番かもね)映画化し、『ラバーズ・アゲイン』(日本劇場未公開作品)のアザゼル・ジェイコブスが監督を務めております。

 

Netflixにて鑑賞。

初めての鑑賞になります。

 

2月22日は猫の日だそうで、それにちなんだ猫の映画を探しておりましたが、いいものが見つからず、猫=キャット、キャット=キャットウーマン(かなり強引だ)ということで、キャットウーマンを演じたミシェル・ファイファー(ほかにもおりますが)主演の本作(偶然にも猫ちゃんが重要な役で登場)を選びました。

配信終了が近かったという理由もありました。

 

「お金が尽きる前に私は死ぬ」それがマンハッタンに住むのセレブ、60歳フランシスの計画だった。でも計画通りにいかないのが人生。12年前に亡くなった夫の遺産も全て使い果たし、彼女は家財道具をお金に換え、パリのアパートで残りの人生を過ごそうと決意する。

 

そんな彼女のお供をするのが息子のマルコムと、亡き夫の魂が宿っているかもしれない猫のちびフランクだった・・・。

 

モデル出身のミシェル・ファイファーの女優としてのキャリアのスタートはある意味散々なものでした。

1982年公開の『グリース2』(未見です)で映画初主演は果たしますが、評論家の評価は容赦なく、「観るに耐えられない演技」、「彼女はこの作品で初主演を果たしたが、これでキャリアを終えることになるだろう」と言われました。

 

しかし、これらの酷評をもろともせず、翌年の1983年、鬼才ブライアン・デ・パルマ監督の『スカーフェイス』でヒロインを演じ、映画は大ヒット。

自分はこの作品で初めてミシェル・ファイファーを知りましたが、前作の酷評がありながらヒロインに起用したデ・パルマも凄いですが、演技力がまだ未熟と言われても仕方ない彼女を受け入れた主人公役のアル・パチーノもすばらしいと思いました。

 

さらに1985年にジョン・ランディス監督の『眠れぬ夜のために』、リチャード・ドナー監督の『レディ・ホーク』に出演。

1987年のジョージ・ミラー監督、ジャック・ニコルソン主演の『イーストウィックの魔女たち』に出演。

優秀な監督に恵まれ順調なキャリアを築きます。(橋本環奈ちゃんと大違い・・・)

1988年に『危険な関係』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされます。

1989年の『恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ』で映画賞の主演女優賞を総ナメいたします。

 

『グリース2』から42年が経ちますが、今もハリウッドでトップ女優として活躍しているミシェル・ファイファー

その酷評をした評論家は今どう思っているのか知りたいですね。

 

”フレンチ・イグジット”とは別れを言わずに、突如姿を消す、または死に別れをすることを言う俗語だそうです。

「フランスの非常口」という意味では無いそうです。

 

冒頭の部分から、ちょっと掴みが分かりづらく、徐々に分かってきましたが、ミシェル・ファイファー演じるフランシスはセレブの旦那の死後、その遺した財産で生活していたのですが、それが底をつき、無一文になった彼女に友人が使っていないフランスのパリのアパートの一室を貸してくれると言うのが主な筋書きです。

このフランシスという女性(オバさん)、一度楽して大金持ちになってしまったからか、一文無しになっても働こうとせず、唯一遺された美術品などを売りユーロに換え、いざ、フランスへ・・・。

 

息子のマルコムはアメリカに婚約者がいながら、母親についてフランスへ。

こちらも働こうとしません。

フランス行きの豪華客船で、霊能力者の女性と知り合うことになるマルコム。

 

フランスでそれなりに優雅な生活を送っていたフランシスですが、ある日、飼っていた猫のフランクが失踪してしまいます。

私立探偵を雇い、猫を捜すのかと思いきや、この霊能力者の女性の力で猫を捜すという話しに・・・。

この猫が死んだセレブの旦那のフランクの魂を宿していたという想像していない展開になります。

 

私の祖母も95歳まで生きましたが一生で一度も働いたことがありませんでした。

ダメな母親をそばで優しく見つめるルーカス・ヘッジズ演じる息子の姿が痛々しくもありながら、どこかホッコリさせる、かなり風変わりなコメディという印象です。

 

ストーリーを楽しむと言うよりは、ミシェル・ファイファーの名演と映画の持つ独特の雰囲気を味わうのがベストな感じがいたします。

やはりミシェル・ファイファーには猫が似合います。

蟻はもうやめた方がいいです。

 

誰もが必ず訪れる永遠の別れ。

日本映画でしたら、大泣きして感動の押し売りをするようなテーマをかなりドライなタッチで描いていたところが、逆にいい余韻を残したように感じました。

 

本当にミシェル・ファイファーの演技が最高にすばらしいです!

そして、パリの街並みもステキ・・・と思ったらフランスで撮影されておらず、カナダで撮影。

そこは「騙された!」と思ってしまいました。

 

ミシェル・ファイファールーカス・ヘッジズもですが)、「アカデミー賞受賞」とありましたが、ノミネートだけです。受賞はしておりません。ちなみに余談ですが、ミシェル・ファイファーは宣伝などで来日したことが一度もありません。※