『ノイズ』
2022年製作/日本映画/上映時間:128分/G/2022年1月28日日本公開
監督:廣木隆一
出演:藤原竜也
神木隆之介 ほか
筒井哲也の同名コミックを、藤原竜也と松山ケンイチの主演で実写映画化したサスペンス映画です。
平穏な島に暮らす青年たちが犯してしまった殺人が、彼らや島民の運命を大きく狂わせてしまう姿が映し出されます。
あらすじ
猪狩島に暮らす青年・泉圭太(藤原竜也)。生産を始めた黒イチジクが評価され、島が5億円の地方創生推進特別交付金を受けられることになり、彼は過疎化に苦しむ島の人々に希望を与えられた喜びをかみしめていた。そんな折、小御坂睦雄という男が島に現れる。圭太と猟師の田辺純(松山ケンイチ)、警察官の守屋真一郎は、不審な言動の彼を警戒していたが、誤って殺してしまう。殺人を隠ぺいしようとする3人だが、殺人鬼で元受刑者だった小御坂の足取りを追っていた県警が島に乗り込んでくる。
(シネマトゥデイより)
筒井哲也のコミック原作のサスペンスです。
藤原竜也と松山ケンイチが主演を務め、共演に神木隆之介、黒木華、余貴美子、柄本明、永瀬正敏ら。
監督は『彼女』などの廣木隆一。
Netflixにて鑑賞。
初めての鑑賞になります。
本日、3月5日は今田美桜さん、27歳のお誕生日です。
・・・ですが、「これ」と言った作品知らず、同じく本日39歳のお誕生日の松山ケンイチさん主演の本作を選びました。
今田美桜さんの『わたしの幸せな結婚』という作品は3月18日(月)からAmazonプライムビデオで配信開始です。
おふたりとも、
お誕生日おめでとうございます。
広い海にぽつりと浮かぶ、猪狩(ししかり)島。世間から見捨てられ過疎化が進む中で、この島が突然、注目される。島の復興を願う泉圭太が生産に成功した色鮮やかな“黒イチジク”がSNSで大人気となり、国からの交付金5億円が内定します。
復興のきざしが見え始めたある日、圭太、彼の幼なじみの田辺純、島の新米警察官の守屋真一郎は、島に突如現れた不気味な男を誤って殺してしまいます。
『人を殺したんだぞ…島も家族も俺達も…終わりだよ…』、『…無かったことにしませんか…?』 島の復興と家族の生活を守るため、3人は死体を隠すことを決意する。ところがその男は、出所したばかりの元受刑者のサイコキラーで、彼の足取りを追う刑事が島を訪れる・・・。
本作の日本公開が2022年1月28日。
”令和最低の日本映画”と呼ばれる『大怪獣のあとしまつ』がその翌週の2月4日。
それもあって、映画ファンのYouTuberさんが、「『大怪獣のあとしまつ』はつまらなかった。同じ日に観た『ノイズ』は面白かった」とコメントしていたので、ちょっと期待してしまいましたが、『大怪獣のあとしまつ』より面白くない映画はそうそうありません。
私もあのシャマランの映画の次なので、途中まではかなり楽しく観ることができました。
原作は知りませんが、かなり改編されているみたいですね。
松山ケンイチさんのお誕生日ですので、松山さんを褒めることから書こうと思ったのですが、圧倒的に神木隆之介さんがすばらしかった。
もちろん藤原竜也さん、松山さんも良かったのですが、おふたりが霞んでしまうほど際だっていたと思いました。
黒イチジクの人気で一躍発展した離れ島に、元受刑者のサイコキラーの男がやって来たことから、この島の住人に変化が訪れるという筋書きです。
渡辺大知さん、いい演技(特に死体になってから・・・って、それじゃ褒めているように聞こえない)でしたが、ちょっと気になるところが幾つか。
まず、この映画の描写が元受刑者の社会復帰に不信感を煽るように思わせてしまう。
二つ目にこれほど危険な人物がなぜ出所できたのか?
三つ目がこれほど危険な人物が島に就職しに来ることを島民誰も知らなかったことです。
息子さんおふたりとも大活躍で、道を譲る・・・気など一切無い柄本明さん、いいですね。(笑)
ご本人本当に目立ちたがり屋で、『余命1ヶ月の花嫁』(2009)の初日舞台挨拶を生で観たのですが、榮倉奈々さんばかり撮影するカメラマンに「僕も撮ってよね」と催促し場内に笑いを取っていたのが今も印象に残っております。
永瀬正敏さん演じる刑事が「公務員がリーゼントでロン毛はねぇだろ」というレビューがありましたが、それはまったく気になりませんでした。
島の復興という名目を守るがための隠ぺい工作。
そのひとつのウソがやがて大きなウソへと繋がり、さらに罪を隠そうとする行動が無関係だった島民を巻き込んでしまう。
途中までは本当にハラハラしながら鑑賞しておりました。
・・・なのですが、余貴美子さん演じる町長がこの隠ぺい工作を知ってしまうところから、何とも言えない寒いギャグ風な演出が加わり「・・・?」となってしまいました。
さらに神木隆之介さんが登場しなくなってから(その理由はネタバレになるので書けない・・・って、バレバレですが)、映画のトーンが落ちてしまった感がありました。
今の日本映画界でトップクラスの演技力の俳優さんを揃えておりますので、皆さんの演技が本当にすばらしいです。
タイトルになっているノイズ=邪魔者とは何を示しているのか?
これは観る人それぞれが違う意見になるように思いました。
自分は「守ろうした善意が、やがて悪意へと変わっていく。その”悪意”」がノイズなのではと感じました。
途中で結末が読めてしまうのが惜しい気がいたしました。
しかも、正直キモい。
ですが、人間の持つエゴや嫉妬心という醜い部分、日本映画としては珍しいと言っていい救いの無いような(実際は違うかもしれませんが)結末など、暗く重いテーマをしっかり描けていた映画だと思います。
ズシりと重たいものがのしかかってくるので、体調のいい日に鑑賞をオススメいたします。
『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の監督と鑑賞後知りましたが、それを考えれば十分合格点ですね。